見出し画像

2020年読書感想

WEBデザイナーのmuと申します。

今年読んだ本をまとめました。仕事関連のUIデザインの本、専門外の本、再読した本など。混ぜこぜです。

予想通りに不合理

この本を通じてのわたしの目標は、自分やまわりの人たちを動かしているものがなんなのかを根本から見つめ直す手助けをすることだ。...
ある種の失敗がいかに一貫しているか 私たちがいかに何度も同じ失敗を繰り返すか がわかるようになれば、そのうちの一部は、どうすれば防げるかが見えてくるだろう。(本文より抜粋)

行動経済学のベストセラーとして有名な一冊。作者はダン・アリエリー。

実験の仕方がユニークでほのぼのします。嫌な音を聴くためにいくら払うかの実験、同じクッキーを無料でもらう時と買う時の実験、学生寮の冷蔵庫にコーラと現金を置いてみる実験、など。

ただ、内容を読んでいくと身に覚えのある失敗や苦い経験をチクっとさせる箇所があると思います。(私はなんでも比べたがる、社会規範と市場規範の話あたりでした...)明るい雰囲気がありつつも、的確に刺してくる絶妙なバランスの本だと思います。定量的なデータを与えてくれる、というよりは良い着眼点を与えてくれる本でした。

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

一緒に働いているデザイナーさんからのオススメで興味を持った本です。

海外の論文を翻訳してまとめた書籍、という解説からもっと堅い印象を持っていました。噛み砕いた内容と非常に優しい説明、翻訳で大変助かりました。
初版が2012年、参考資料は2010年までの情報のようでした。現在はこの本に載っていない新しい説などが出てきているかもしれません。掲載されている元の論文を検索したりするのも面白そう。

視覚から得た情報をどのように脳で認識しているのか、前々から興味は持っていたのですが「脳科学の本だと医学によりすぎて難しい...」「行動経済学の本だと実例はあるんだけどなんか違う...」「私が知りたいことはどの分野にあるのか...」とモヤモヤしていたので、この一冊は私にとって良い本でした。

脳の部分もたくさん出てくるので脳の仕組みが知りたくなります。

オブジェクト指向UIデザイン──使いやすいソフトウェアの原理

UIデザイナー界隈で話題になっていた本です。著者はUI設計のコンサルティングを行なっているソシオメディア(株)。

オブジェクト指向UIの詳細、実際の作り方を知りたくて読みました。私の検索能力ではピザ屋とメールボックスの例しか見つけることができず。「うーん、良さそうだけれどイマイチどうすれば良いかわからないなぁ」と思っていたためです。

こちらの本はボリュームがすごいです。ワークアウト、OOUIの目的、OOUIに関する歴史、盛りだくさんでした。
個人的に魅力的だったのは、デザインを作る際に頭の中で行なっていることを図に落とせるところ。教育、引き継ぎなどのチーム間の情報伝達に向きそうな気がしております。(今までは「完成しているデザインから読みとってね」もしくは「ソースコードやテーブル直接見てね」だったので...)

WEB+DB PRESS vol106
なぜ仮想DOMが必要とされたか

おそらく、私のレベルでは全部理解できないだろうな、と思いつつ、知識や単語を増やすために読みました。わかっていないことがいっぱいあることがわかりました、、、けれど、わからないなりに面白かったし、20P前後でコンパクトにまとまっているので、レベルが上がったらもう一度読んでみたいです。

HTMLの歴史とともに考えるとしみじみします。

文系でもわかる世界の仕組み物理学で知る

宇宙物理学を研究にしている方が初心者向けに書いた本です。
GPSや太陽呼応発電、液晶パネルなど、実際に使用しているものが出てくるので、今更ながら「こういう仕組みだったのか〜」という驚きがあって楽しいです。よく考えたら毎日iPhone使っているけれど、タッチパネルの仕組みを知らなかった…

芸術家起業論

現代美術家 村上隆の半生を綴った自伝です。最近アート関連の話題が増えたので再読。以前読んだ時は大学生の時でした。

表紙のインパクトがあって驚かれてしまうことが多いのですが(私も最初「表紙と目が合う...?」となりました)「現代アートって良くわかんない」「新しいビジネスが作りたい」という方にオススメしたいです。

想像以上に明快な文章なので読みやすいこと、この一冊で色々な切り取り方のできることがオススメしたいポイントです。「戦後から現在に至る日本の違和感と文化の指摘」としても読めるし、「海外というアウェイな環境下、どうしたら売れるものが作れるのかを考え、試行錯誤して一つの市場を作るまでの起業家の話」「これから新しい表現を追求するアーティストへの助言の本」としても読める気がします。

In Search of Bawa: Master Architect of Sri Lanka

こちらも再読。スリランカの建築家ジェフェリー・バワの作品集です。バワはスリランカの自然を活かした建築で、ホテルなどのリゾートの建築を多く手がけています。

数年前にスリランカに行く機会があり、バワの建築をいくつか見てきました。熱帯の力強い植物の庭と融合しているかのような開放的な建築、アジアらしさとヨーロッパらしさが混在しながらも独特の魅力もあるインテリア。今も現役で観光資源として使われているホテルもあります。

この本の解説は英語で文章はほぼ読めていないのですが、写真と図面だけでも楽しめます。写真一枚でも良いので是非見て欲しいです。

Casa BRUTUS(カーサ ブルータス) 2018年 11月号 [東京、再発見。]

こちらも再読。「都内でまだ見てない面白い建築あったかな?」と思い、本棚から引っ張り出してきました。

新国立競技場の施行中の上空写真、カーサが厳選した東京で見るべき建築100など載っております。写真も綺麗でパラパラ見るだけでも楽しめます。

築地本願寺、自由学園 明日館など、まだ見てない建築たくさん見つけました。タイミング見計らって行ってみたいです。

まとめ

今年は本を読むのがかなり捗ったので嬉しいです。

周りの方が読んでいる本を読んだり、人との話の中で「あ、もう一度あの本読んでみても良いかも」と思うことが増えました。良い影響だなと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?