古参の映画館と水曜ロードショー。
中学二年で映画の魅力に取りつかれた<埋もれた>のお気に入りの時間は、学校の休みに、駅前にある古参の映画館で3本立て映画を見ることだった。そして家でのお気に入りの時間はTVで水曜ロードショーを見ることだった。映画館で繰り返し見た「タワーリングインフェルノ」「オリエント急行殺人事件」「ジョーズ」「ゴールド」…etc。TVで見た「旅情」「慕情」「風と共に去りぬ」「シェーン」…etc。のちに?ゴールデン洋画劇場?も始まった。「ローマの休日」やらいろいろと。あの当時はレンタルビデオ屋さんもない時代だと思う。そんな<埋もれた>だが、古参映画館と水曜ロードショーに苦~い思い出があるのだ。今日はそんなお話をさせていただこう。m(__)m
<埋もれた>が中学二年の時に席の隣に座っていた少女は、なんと!あの、古参映画館で働くモギリのお爺ちゃんのお孫さんだった!( ゚Д゚)( ゚Д゚)
お爺ちゃんの話で盛り上がる2人だったが、根っからの飽き性である(/ω\)<埋もれた>は、三年に進級しても同じ隣同士の席にいる例の少女に言ってしまったのだ。「まーたお前が隣かよォ!」愕然とした顔で<埋もれた>を睨みつけて何か小声で呟いた少女は、二度と<埋もれた>に言葉をかけることはなかった。クラスの頭の良い連中のグループに接近し、<埋もれた>から離れて行ったのだった。今思い出しても酷いこと言ったなあ。ひどい仕打ちしたなあと…。後悔の思い出だ。
水曜ロードショーで見た<埋もれた>のお気に入りの映画たちが、家を出て行った父親が残して行ったサントラレコードの中にあった!( ゚Д゚)( ゚Д゚)
若き父が好きだった映画が、<埋もれた>の好きな映画になった…。これはもはや、DNAに組み込まれた物なのかもしれない。幼少の時から父には嫌悪感を抱いていた。何故かはわからないが、ま、前世の記憶がDNAのように組み込まれていたのだと勝手に思っている。電話で「母と妹を頼む…。」と言った後の父の消息は分からない。何故、長男の兄でなく次男の<埋もれた>に言ったのかは、想像はできる。今となっては、だが…。
月日が経ち、父の映画サントラが一杯入った箱を偶然発見した<埋もれた>の驚きを想像できるだろうか?あんなにも嫌った父親の嗜好を<埋もれた>は、しっかりと受け継いでいたのだ、そっくりそのままに。「ああ、なんでまた?…。」と言った切り、家の二階で膝から崩れ落ちたのも覚えている。
映画から<埋もれた>のたくさんの漫画が生まれた。
スキをつけに来てくださった皆さんはご存じだと思うが、<埋もれた>は、
漫画家を目指して雑誌掲載経験はあるものの、すでに消え去った漫画家志望の人間だ。こうしてアップして皆さんに読んでいただけてるのも、あの古参の映画館で観た映画たち、水曜ロードショーはじめとして見続けたTVで流れた映画たち、そして何より嫌っていた父から受け継いだ映画のDNAのおかげだと思っている。映画のエッセンスを漫画に取り入れ、<埋もれた>が描い
た作品こそが、傷つけた少女への謝罪と…憎いが感謝もしなければならない父への、偽らざる形だったと思っていただきたい。
長文お読みいただきありがとうございました。m(__)m
#映画にまつわる思い出 #エッセイ #漫画 #映画館 #水曜ロードショー #イラスト
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