予備未来
若い緑のボールが
こんなにも可憐な白に姿を変えると
誰が想像したことか
自然は予想をはるかに超えてくる
予想はその者の経験内で行われる予備未来だ
これから迎えるであろう現実を、頭の中で上映する
その作品が、実際に起こる現実と異なる場合
正規ルートを提示し リバイバルによって心を癒そうとする
作品と現実が一致した場合
拡張子違いの現実として脳を安心させ
現実によって瞬時に上書きされる
上映した作品と現実が
同じとも違うとも言えぬ時
心ノ臓に爆弾が設置させられる
タイマーがゼロを迎える
音を立てて焼き尽くされるか
ただ爆弾が忽然と消えるのか
現実は
予備未来とのギャップによって彩られる
作品は透けていて
そして静かだ
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