Googleフォームを利用した川柳オンラインライブ句会の方式について(メモ)

川柳オンラインライブ句会を開くには、Googleフォームを利用するといちばん楽なんじゃないの、と思いついたので、手順を書き出してみます(どんどん書き換える可能性あり)。自分のためもありますが、他のひとでもやってみようかなーと思ってもらうためですね。ほんとうに簡単なので試してください。また、改善点があればシェアしていければいいですね。


事前準備
① 参加者のメールアドレスを収集する。
 # フォームへのリンクを公開にし、投句時にメールアドレスを送ってもらう方式もあります。その形式だと運営者に誰が送ったか分かるので、完全無記名ではなくなります。

② Googleアカウントを作る。普段使っているGoogleアカウントがあればそれを使うのももちろんOK。


Googleフォームの作成
①  Googleアカウントにサインイン(画面右上のアイコンがサインインするアカウントのものになっているか確認)。

②  Google検索やGmailの画面で、画面右上の9つの点が正方形に並んでいるアイコン(アプリランチャー app launcherというらしい)をクリック。

③ 出てくるアプリの中から、「Forms」(Googleフォームと出る場合もある?)を選択(デフォルトだと、たぶん一番下にあるのであきらめず探してください)。

④ 〈新しいフォームを作成〉で「空白」を選択(前に作ったフォームがあればそれをコピーして利用してもよい。

⑤  タイトルや説明を入力。めんどうがらず、参加者がすぐにわかる名前にして、投句締切・開催の日付も入れたほうがよさそうですね。

⑥   問題形式選択のプルダウンメニュー(最初、「ラジオボタン」となっている)から一番上の「記述式」を選択。
 # 他の設定は初期設定でOKなはず。分からない場合は適宜ネット検索すると必ず情報があります。

⑦ <~の質問>のところに、〈題「マンゴー」〉などと入力。

⑧ 質問をコピー(質問のセクションの下のほうの四角が二つ重なったようなアイコンをクリック)。

⑨ 二番目の質問の<~の質問>を、2句だしの場合、〈題「マンゴー」②〉、1句出しの場合、〈題「海」〉などに書き換える。以下、同様にして、質問(出句)項目を増やしておく。

⑩  質問のセクションの右下で、「必須」をオンにすると必ず出句(2句出しなら必ず2句)と指定できる。オフなら無回答(投句なし)でもOKになる。

 # Googleフォームではデータを入力するたびに自動保存されますので、保存(セーブ)をクリックしなくてもOKです(というか、そのためのアイコンがない)。


参加者へGoogleフォームのリンクを送付
① 同じGoogleフォームのページで、ブラウザ右上の〈送信〉をクリック。

② Googleフォームから直接送るか、リンクをメール貼り付けで送るか、2通り(どちらでもよい)。


ここまでが句会の準備段階になります。ここからが投句~句会。


参加者による投句
① 参加者が送られてきたリンクをクリックすると、投句用Googleフォームのページが開く。
② フォームに句を入力し、一番下の〈送信〉をクリック。

投句作業はこれだけ。設定で「メールアドレスの収集」を選んでいないので、誰が送った句かは運営者にも分かりません。完全無記名となります。
# 設定で「メールアドレスの収集」をオンにすると、入力時にメールアドレスの入力を求められます。こうすると、運営は誰が投句者かを知ることができます。句会のやり方に応じて使い分けるとよいと思います。


投句リストの確認
① 
運営者がGoogleフォームを作成したアカウントで、Googleフォームを開く。

② Googleスプレッドシートを使用する場合は、緑に白の十字のアイコンをクリックすると表になった投句リストが表示される。

 # ほかにも .csv 形式でダウンロードすることも可能です。その場合、Microsoft Excelで開くと文字化けするので、まずメモ帳で開き、文字コードを「UTF-8」から「ANSI」にして上書き保存すると直ります。


投句リストの共有

① 右上のアカウントアイコンと〈送信〉の間にある縦3つの点のアイコンをクリック。

② 「共同編集者を追加」を選択して、〈ユーザーやグループの追加〉のところに選をする人のメールアドレスを入力(複数入力可)。

③ Googleフォームへのリンクが送られるので、送られた人はリンクをクリック、「回答」から投句リストを確認(上の「投句リストの確認」を参照)。

# 「共同編集者を追加」をすると送られた人もフォームをいじれるようになるので注意。そのままではなく、ダウンロードして選をするようにお願いしたほうがよさそう。あるいは、運営者のほうでダウンロードしたフォームをメールで選をする人に送るほうが安全かもしれません(手数が増えますが)。

## この方式だと句箋ではなくデータとして句会参加者全員に全句を共有することが可能ですので、互選形式の句会も容易です(スプレッドシート or Excel を編集して、各参加者が点を書き入れるシートの列をつくることもできますね)。また、選者選だけど、全句も参加者に公開、といったやり方も可能。
 

以下、選者が選句*、句会ではオンラインでも対面でも読み上げられた句の作者が呼名*して作者を確認していく、という具合になります。呼名がやっかいということであれば、「メールアドレスを収集する」を設定して作者名が分かるようにしておく方式になるのかな。10名以上になってくると、オンラインでの呼名は難しくなりそうですね(とはいえ、対面句会でも、呼名がなくて「誰の句ですか~」というのは頻発するので、たいした問題ではないのかも)。


* 選者の選句(披講)、呼名
川柳の対面句会では明治~大正時代に成立し方式として、各題の選者が投句が書かれた句箋の束を受けとり、選句時間(場合によってまちまち)に選句、選んだ句を順番に読み上げるやり方が主流です(選者選の「披講」)。読み上げられた句の作者が名乗りをあげることを「呼名」といいます。この「呼名」のタイミングもまちまちですが、1例をあげると、
 ① 選者が句を読む
 ② 作者が呼名
 ③ 選者がもう一度同じ句を読む
 ④ 脇取が作者のフルネームを言う
という感じ。地域や個々の句会によっても違うので、参加される場合は確認を。うまい選者が行い、また場に一体感があってリズムよく呼名がつづくと、ライブ性があってなかなか楽しいものです。

上記の選者選の方式がまだ対面の川柳句会ではメジャーですが、現在では、徐々に俳句と同じ「互選」形式の句会も増えてきています。こちらは、投句リストを全員が渡されて、各自がよいと思う句を数句選んで集計し、並線1点・特選2点というふうに得点として数える。こちらは小規模句会で、選ばれた句(あるいは全句)について各自が意見を述べる時間がとられているのが普通ですね。元は俳句向けに作られたネット句会システム「夏雲システム」(https://nolimbre.wixsite.com/natsugumo)を使ったネット上の互選句会も増えていますね。私が運営の「海馬川柳句会」もこのかたちです。

ライブ感があるけれど読みっぱなしで句の検討がなされない「選者選」、じっくりとした読みが行われるけれどイベントとしての流れの楽しさに欠ける「互選」、どちらがよい、というわけではなく、一長一短ですね。

そこで、上に紹介したようなGoogleフォームのようなテクノロジーを利用すると、その中間的な形態で句会が可能ではないか、というところですが、どうでしょうか。


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