七夕の七七 川柳(七七)10句
爪の先からのどの奥まで
手紙のうえの宵の明星
フリーウェイでも踊り念仏
電話しながら窓に水滴
サンクチュアリの十三の傷
ふいに捩れてサッポロビール
瓶の外でも歌いたりない
片言だけで粘ついたシャツ
夢のなかでも思い出さない
夏の扉はときどきゆがむ
そっけないけど羊飼いだよ
剃りあげたあと天地創造
暮れなずんでものろしは狼煙
ヒト科を知らぬ新進化論
またあるときはアルパカの喉
ニジンスキーの黒いところへ
引きずってゆく天牛書店
釈迢空のよいフラフープ
夥しくてつかまり立ちで
オクラの星で会いにゆくから