「第69回」表彰式に寄せまして

先日の2月2日、第69回青少年読書感想文全国コンクールの表彰式が都内経団連会館で行われました。
全国から上位入賞の子供たちが招待されて、壇上にて学校名と名前が読み上げられて表彰されました。
今年度は約265万通をこえる応募があったそうです。
その中から選ばれるんですから本当にすごいですよね。きっと審査の過程も大変な選考であっただろうと想像しております。

有難いことに『給食室のいちにち』は中学年向け課題図書の一冊として選ばれていました。
全国のたくさんの子供たちがこの絵本を見つけてくれて一所懸命に感想文を書いてくださったことと思います。
表彰式では、その中から三名の小学生がみごと上位入賞をされました。

毎日新聞社賞は新潟市五泉市の三年生 奥山さん作
        「給食室にはひみつがいっぱい」
学校図書館協議会長賞の山形県鶴岡市の四年生 伊藤さん作
        「人を笑顔にする仕事」
サントリー奨励賞の福島県須賀川市の四年生 野沢さん作
        「心と体に栄養を」
        
素晴らしい受賞、まことにおめでとうございます。
それぞれの感想文を一文字ずつていねいに読ませてもらいました。特に個人的に魅力を感じたところは、表現の中の給食室を身近な給食室あるいは給食につなげて、自分の言葉でしっかりとした思いを伝えている点、読む側にも、書かれている意志や希望、目標が頭に広がってくる感じがすてきだなあと思いました。

受賞の皆さんの入場退場の際にはピアノ伴奏で「愛の花」がやさしく流れていました。こちらの胸にも感情がせまってくるメロディでした。
代表の祝辞の中には、お祝いをめでたく称えるとともに、被災地を想ってのことでしょう、胸章にさりげなく黒い胸花(弔用)を重ねてつけられていた方もいました。

わたしはどうしてもやむを得ない家内事情で会場出席は敵わなかったのですが、代わりに少年写真新聞社の編集さま方がかけつけてくださりお祝いをしてくださいました。担当さまが色紙を用意してくださり記念品も渡していただきました。(お渡ししてよいか事前に問い合わせをして確認してもらっていました)
主催者からは招待状とあらかじめにオンライン配信での視聴の案内をもらってましたので、わたしもお式の初めから終わりまで拝見することができました。

このごろは毎日のように非日常がおそったり慌ただしく過ごしている中で、落ちついて物事をじっくりと考えたり見ることがかなり欠けておりましたので、私自身も大変良い機会をいただけたと思います。

💐💐💐


さて余談ですが、わたしが最初に出会った課題図書について少し話したいと思います。

どこかにもいちど書いていたと思いますので繰り返し聞かされる方はごめんなさい。わたしの母はとても教育熱心な人で保育者であったため、母が仕事用で買ってくる絵本や図鑑の中にはわたしもとても気に入っているお話がありまして、母の仕事場にまでおしかけて預かっている子へ読み聞かせをする風をよそおって、自分も楽しんでいたことがありました。
(今思えば、職場まで、低学年には遠い道のりでしたが、母に会いたい気持ちも強かったのかもしれませんね)
課題図書の中では、『いさごむしのよっ子ちゃん』(早船ちよ/ぶん 市川禎男/え 新日本出版社)が最初の出会いでした。
当時もノンフィクション絵本や科学絵本にあたるものが選定の中にありました。
当然、『いさごむしのよっ子ちゃん』も、よっ子ちゃんに感情移入をして、お気に入りの絵本の一冊になっていました。
残念ながらその年の読書感想文は応募した記憶がないのですが、本体である選定マークのシールがついた現物の絵本は今でも本棚の中央にたいせつに残しているのですよ。

そのようななつかしい過去の話も一緒に思いだせた今回のコンクールでございました。
関係者の皆さまには直接のお礼を申しそびれております。
こちらをもちまして心より厚くお礼を申し上げたいと思います。
また。改めまして『給食室のいちにち』を子供たちへ届けてくださった保護者の皆さま、学校、教室の先生方、栄養士、調理師の皆さま、書店員の皆さまへ心よりお礼を申し上げます。誠に有難うございました。

                      
大塚菜生



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?