ウミトロンパルスの活用事例
はじめに
先日、水産養殖事業者向け海洋データサービス「ウミトロンパルス」の新機能がリリースされ、沿岸域の長期間の海洋データ閲覧が可能となりました。
期間限定のキャンペーンとして現在、すべてのユーザーがモバイルアプリ(iOS、及びAndroid)で最大1ヶ月、PC版で最大2年の履歴データにアクセスできるようになっています。長期間の過去履歴データは、ウミトロンパルスの有料ユーザーから最も要望の多かった機能の一つでした。
ぜひまだお試しになっていない方は、ウミトロンパルスにアクセスしてご覧ください。
※ウミトロンパルスを初めて知った方へ
ウミトロンパルスは、高解像度の衛星データを活用した水産養殖事業者向け海洋データサービスです。PC版もモバイルアプリ版(iOS、Android)もご利用いただけます。当日データだけでなく、過去データや予測データも確認・分析することで、世界中の養殖事業者のリスクマネジメントや日々の生育作業の意思決定に貢献しています。
今回のブログでは、ウミトロンパルスのデータを養殖事業者の方々が実際どのように活用しているのか、事例をいくつかご紹介します。
水産養殖における環境モニタリングの重要性
海面養殖は、陸上養殖よりも海洋環境に左右されるリスクが高いということは、おそらく多くの養殖事業者が経験し理解している点ですが、実際にどんな海洋環境データをどのようにモニターすべきかについての明確なルールや決まりは存在しません。ただ、より多くのデータがあればあるほど、養殖場のリスク管理とリスク軽減分析に役立ちます。
また、より包括的なデータとリスクがプロファイリング・蓄積されれば、将来的には養殖事業者向けの融資や保険等のより良い条件やプランを利用できるようになる可能性もあります。
実際にウミトロンパルスを利用されているお客様の声と活用事例をご紹介します。
魚類養殖
・日本の真鯛養殖業者
特に黒潮の水温と、養殖場の周辺20kmの状況をモニタリングし、近いうちに影響が出るかもしれない変化がないか、把握しています。水温の急激な変化や29℃を超えるような数値が出た場合は、通常、給餌を中止・減量するなどの調整をしています。
・スペインのヘダイ養殖業者
複数ある養殖場の1つは、大西洋から流入する潮の影響を大きく受ける、地中海のユニークな部分に位置しています。この生産者は、ウミトロンパルスを使用して現在と将来の環境条件を把握し、海水温の低下が予想される場合に、餌やりに関連する調整を事前に行えるようにしています。特に、夏や秋に大西洋から水が流入して水温が下がると、魚の食欲が落ち、給餌量を調整する必要があります。
・アイルランドのサーモン養殖業者
藻類が発生する可能性がないか、事前にウミトロンパルスをチェックしてモニタリングしています。有害な藻の発生は魚の健康状態を悪化させる可能性があります。藻の発生が予想される場合は、給餌量を減らし、生簀内の潮通しを高めることができます。
・スコットランドのサーモン養殖業者
各養殖場の将来の生育予測をするために、ウミトロンパルスで過去と現在のデータを比較、チェックします。過去の状況を確認することで、将来の状況や魚の成長速度をより正確にモデル化することができます。
貝類養殖
・オーストラリアの牡蠣養殖事業者
この牡蠣養殖業者にとって、水温とクロロフィルのデータは最重要項目です。水温の変化は牡蠣のストレスに関わるので、状況が改善されるまで一時的に等級付けを控えることもあります。また、ウミトロンパルスのデータを使って、成長速度とクロロフィルレベル(牡蠣にとって栄養となる)の間に明確な相関関係があることを突き止めました。これにより、次の生産サイクルに最適な場所を決定することができます。また、環境条件を把握することで、牡蠣の状態や産卵期の見極めにも役立っています。
・メキシコのムール貝・牡蠣養殖事業者
この事業者は2つの拠点でムール貝と牡蠣を栽培しています。ウミトロンパルスを使用してサイト間のデータを比較し、牡蠣やムール貝に最適なロケーションを決定しています。また、生産実績データと一緒にウミトロンパルスのデータを活用して、どのような条件が高い生産性をもたらすかを判断し、次の生産サイクルの計画を立てています。
その他
・保険会社
ある保険会社では、将来のリスクを把握するために、ウミトロンパルスの波高や水温等の履歴データを利用しています。パルスが持つ2年分の過去データは、長期的な平均値や最小値・最大値の予想値を把握するのに有効です。
・養殖向け製薬会社
海シラミの数とともにウミトロンパルスのデータをチェックし、環境条件と海シラミの発生との相関を調べています。海シラミの発生を予測することで、どの養殖場にどれだけの薬を提供する必要があるのか、より良い計画を立てることができます。
現在、モバイルアプリ版とPC版で、ウミトロンパルスの長期履歴データに無料でアクセスできるキャンペーンを実施中です。ぜひこの機会にお試しいただき、活用事例をお寄せください。
また、ご質問やご不明な点、ご意見、ご要望がございましたら、pulse@umitron.com までお気軽にお問い合わせください。
皆様のご意見をお待ちしています。
https://umitron.com/ja/index.html
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