2023.1.1

2023年
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
去年も書いた年明けnoteを今年も！なんなら年明けしかやってないですが、まあまあまあ。

去年は本当にいろいろあって、7年ぶりに父と再会したり、本を制作して販売したり、体調を崩したり、人生で初めて経験することがたくさんあった。
過去一だったな、本当にいろいろ。


No pain No gain（痛み無くして得るもの無し）とは本当にその通りで、苦しみの中で見出すものが多かったように思う。
そのどれもが皆んなに支えられて乗り越えられたことで、「おかげ様で」の気持ちをずっと持ち続けたいと強く思った年でもある。

苦しみをここで語るのは粋じゃないから省くけど、あの日あの時、支えてくれた人たち本当にありがとう。
心当たりがなくても、あなたの存在そのものに救われてることを伝えたい。2022年を1時間でも共に過ごした人、一緒に過ごした思い出がいま私がここにいる理由だよ、ありがとう。

ひとつ、2022年11月の話だけしようかな。


夜中1時半。テーブルには睡眠薬。

眠れなかった私はソファに寝転がりながら、マンハッタンレコードで買った雑誌をペラペラと捲ってた。

読む気になれない濃密な文字たちは飛ばし、キラキラと光るまぶしい写真を見ながら、睡眠薬を飲もうか悩み続けてて。

「こういう配置もあるんだなあ」「このフォントいいなあ」「青地に白文字わりと見やすいかも」
なーんて次作でやりたいことがつらつらと浮かぶ反面、追いつかない気力に自己肯定感が潰されそうになった頃、とあるラッパーの写真が目に止まる。インタビュー記事のトップページだった。

中華料理店の目の前で、店主とおかみさんと写るそのラッパーの写真は温かくて、なんだか気楽に読めそうな気がした。

そんな理由で読み進めると、どうやら行きつけだった中華料理店の写真らしい。しかもそのお店は私の家から徒歩15分ほどだ。
iPhoneにお店の名前を入れる。

なるほど、立ち飲み中華だ、え、夜中3時まで営業？！

“夜遅くまでやってるんで、ひとりで何か考えたい時はここに来たり”

そう語っていたラッパー。

時計を見る。1時50分。まだ行ける。

すぐにアウターを羽織り、キャップを被ってすっぴんを隠す。カバンには財布と雑誌を詰め込んで家を出た。

すぐに着き扉を開けると、お客さんは誰もいなかったけど、おかみさんの「いらっしゃい〜」という声が迎え入れてくれた。

こじんまりとしていて、小さなテレビにはロッキンジャパンの映像が流れている。
「これどこでやってる？外のコンサート行きたいだけど、分からない」
赤いテーブルに落ち着いてすぐ、旦那さんがテレビを指差し話しかけてきた。

あれやこれやと話しかけられながら、なんとか瓶ビールを一つ頼んで、お通しのおやきを食べる。

「近くの子かい？」
そう尋ねられたタイミングで、雑誌を取り出し説明した。これを見て来た、眠れなかったから、寝酒でも入れようかなって。

「あー！そう！あの人有名！うちにもくれた」
そう言いおかみさんが取り出した同じ雑誌には、付箋が貼られてた。ニコニコするおかみさんを見てるとつられてしまう。嬉しかったんだろうな。

あたたかい雰囲気に癒されながらも、瓶ビール1本で切り上げた。
明日も仕事だし、なんていったって今日はまだ月曜日。

「お会計お願いします」
「はいよ〜」

出された伝票に財布を取り出す。……あれ？

そこでふと気付く。やばい。現金をおろしてなかった。あと70円足りない。だけどもう引き落とせないし、カードも電子マネーも使えないとのこと。

「……ごめんなさい。電話番号を置いていくから、後日持ってくるのでも大丈夫ですか…？」

超惨めだった。申し訳ない。私は馬鹿なわけ？
そんな私におかみさんは、大丈夫よ！電話番号なんていらないよ！なんて優しく譲歩してくれた。

どうにもならずそのまま店を出る。すみません、と言いながら店を出る気分といったら最悪。反省だ。

こんなことなら睡眠薬を飲んで寝てしまえばよかった。すぐお金を返しに行かないと。

その2日後、ぴったりの小銭を用意しまたお店を訪れた。

「このあいだはすみませんでした。今日はお金持って来たので、飲んで行きます」

小銭を渡して、また同じ席に落ち着く。すると注文もしていないのに、3品も料理が運ばれて来た。
おやきに、漬物3種、牡蠣のごま油和えみたいなやつ。しかも大皿。
……全部お通し？もしかしてお通し代変動性？気分で時価になる系？

「……これぜんぶお通し？」

疑う私におかみさんはニコニコと指で丸を作る。
「そうそう！たくさん出した！」

なんで？！

これお通し代多く取られる可能性あるな、でも先日の件もあるし、多く取られても仕方ないかな、なんて飲んべえ経験から警戒モードに入る私。

そんな私を見て、おかみさんはまたニコニコ笑って言った。

「これタダ！約束守る人、うれしかった。お姉さん、たぶんがんばてるし、がんばたら、報われる。ありがとう。あたしも報われただから」

そこからはただ、泣くのを我慢して飲むことしかできなかった。瓶ビールの苦さがやけに染みて、だけど帰路に吹かれた風がすごく心地良くて、その日はぐっすり眠れたんだ。

…

2023年は、また新たなステージを1から作り上げていく、そんな年になりそうな気がしてます。

どんな時も愛変わらず、家族友達仲間を大切に。
真心で接すること。
ロマンチックな選択をすること。

ダンスホールにもし好きな人を見つけたら、見つめるより目の前で踊る。そんなバイブスで今年もクールにバーニンしていきたいです。

私が負ける訳ない、最強だから余裕で大丈夫。敵はいつだって己の頭の中に。

そして願わくば、皆がそれぞれの幸せをたくさん見つけていけますように。

んで一緒におもしろいことしよ〜う！楽しむ！それがいちばん大事〜〜(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))

ぶち上げてまいりましょう。
今年もよろしくお願いします🎍

山口宇海