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世界一周 7日目🇫🇮 ヘルシンキ ヌークシオ国立公園
フィンランドに来たからには、その自然を見に行きたい。
そう思って電車に飛び乗った昼。
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エスポー駅でバスに乗り換える。
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web情報によると、ちっちゃいバス停から2km歩けば国立公園があるらしい。
……2km?
バスから辺りを見回すと、深い雪。
洒落た白樺の樹皮。
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雪の中、2km歩く……
やめよう。私はまだ死にたくない。
どうやらそのちょっと手前のバス停に、自然博物館があるらしい。
そこに行くことにした。
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新しめな建物の自然博物館。
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受付の人がフレンドリーだった。
早速展示室へ。
オーディオガイドのイヤホンの感じとか、聴こえてくる音声がセンター試験を彷彿とさせてふと懐かしくなった。
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展示はフィンランドの自然に関すること。
それほど大きな展示ではないが、私に人間と自然の関係について改めて考えさせてくれた。
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そうだよな、ホモ・サピエンスに比べて君たちみたいな動物は遥かに長い時間を過ごしてきたんだよな。
この星で流れて過ぎ去っていった自然の変遷に比べれば、人間が世界を言語で切り分け始めたのはエスプレッソの表層の泡沫の一つに過ぎないんだ。
さっき怖かったから雪の中を行くのを諦めたけど、怖くて当たり前なんだよな。
むしろ東京で過ごしていたらその怖さを感じる機会がなかなかないんだ……
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そんな感慨に浸りながら展示を出る。
お土産コーナーのフクロウのぬいぐるみが可愛かったが、
……これ以上荷物を増やすことなかれ。ただでさえシンギングボウル(インド産)が荷物を圧迫しているのだから……
そんな理性の声がして買わなかった。
受付に戻る。
「トラッキングには行った?」
受付の人がそう声をかけてきた。
「まだ」
「この近くに歩けるところがあるよ」
そう言ってマップを取り出す。
いくつかの散歩道があるようだった。
「ここから見る湖の景色が綺麗なんだ。一時間くらいで往復できる……今出発したら暗くなる前に帰ってこれる」
「真っ暗になるの?」
「灯りがないからね」
雪の中を歩ける!
しかも安全に!
やっぱり現地の人の情報に勝るものはないんだな、と思いつつ博物館を出て雪道を行く。
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木々の合間、雪の上を歩く。
ちらちらと細かな雪が上から落ちてくる。
綺麗で、非現実的な光景だった。
樹の影からハルティヤがこちらを見ている気がする。
目の前にも、振り返っても誰もいない。
このまま異世界に連れて行かれても気がつかないだろう。
道の先にあったビューポイントからは湖が見渡せた。
凍って地面と区別がつかなかったけれど、その風景は雄大だった。
沈み始める太陽が雲の向こうに見えた。
移りゆく北欧の自然の、その一ページを見れた気がした。
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博物館に戻ってコーヒーを飲む。
またこの場所にも、夜が来るんだ。
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