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個展とイラストとシータとラピュタについて

今夏個展をするのですが、小説をテーマにイラストを描こうという案でスタートしました。
小説というものに関して素人な僕はある編集プロダクションを営むご夫婦に内容の精査を依頼しました。
そのお二人は、今では公でも有名になってしまった、元伝説のと言ってもいいくらいの編集マンの根本昌夫先生。
アングラな雰囲気の中繰り広げられていた、根本先生の小説サロン。絵描き仲間からの縁があり、僕はそのサロンの門を叩きました。
本当に軽くの「こん、こん」ですが。
背中を丸め、おっかなびっくりで参加した初教室、僕は物の見事に銃殺刑に会いました。その批評の暗澹たるもの、ブラジルまで穴を掘って逃げ出したいほどでした。
根本先生は本当に柔らかく、優しく黒ひげ一発を刺し当てるような鋭い一言をいただき、参加者同士の合評で僕は蜂の巣になったわけですが。
その教室を主宰していたのが、その編集プロダクションの青木ご夫妻。
しかしその教室では、もうボロボロ状態になったままの懇親会である2次会へ。会場はそのままで、会のあと飲み食いし、ざっくばらんに交流をするというもの。しかしあれほど胸を貫通するような言葉を投げかけてこられた参加者の方々も、ここでは菩薩のような優しで、初参加の私も混ぜていただけたのです。
つまり何が言いたいのかというと、みなさん人生をかけた真剣な場だということ。命を削りながら文章を紡ぐ。その合戦の中に入れば誰でもその矢は避けきれない。そんなあちあちの場なのですよね。
貴重な小説の現場を見て取れた僕にとっては大きな小説家への一歩だということなのだと思います。
どんな不可能な道も目指せばそれだけでどんなにわずかでも近づける。目指すことでしか、その目的には到達しないのですよね。僕に小説家への道を開けてくれた根本先生と青木ご夫妻、そして参加してくださる方々には感謝ですね。

で、でなわけですよ、何がと言いますとねこれが。
今回の個展用に書き上げた、個展のタイトルでもある「ハピネス」という題の小説。
イラストを描いていく中で、今までほとんど描いてこなかった人物にも挑戦してみようと描いたのが、冒頭のイラストです。
青木夫妻に小説を読んでいただいた時は、主人公の相手役の女の子が妖精ばりに浮世だった欠点のない子。それは不自然すぎるのではないかというご感想。けれど、僕の中でお話を書くという時には、絵もそうですが、避けて通れないのが宮崎駿先生のあの世界観なのです。
忘れもしない、あれは中学2年の時に見た「天空の城ラピュタ」その主人公パズーとシータ。中2病を末期でこじらせた僕はその夏休みはほとんど起き上がれないほどのラピュタ鬱で過ごすほどだった。何を見ても何をしてもパズーとシータのあの愛嬌溢れる愛の交換が目の前にちらついて、現実をとてもじゃないが見れなかった。だから僕の中では理想の女性はシータであって、ナウシカであって、シュナの旅のテアなのです。あれこそが女性。と僕は思ってしまっているんですよね、どんなにおじさんになろうとも。なので今回の小説「ハピネス」で登場するゆりはシータとして描いたのです。オマージュとしてドーラも頑固じいさんも幾つか登場しています。
今回は風景が中心ですので、やはり人物は展示はしないとも思いますが、それより小説の中身どうしようか。というとりとめのない話でした。

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イラストレーターと塗装店勤務と二足のわらじ+気ままな執筆をしております。サポート頂けたものは全て大事に制作へと注ぎます!