見出し画像

もう一つの誕生日

今年もまた、この日が巡ってきた。
note にはじめて記事を投稿した日。

早いもので、あれから三年。
公開した記事は、368。
毎日投稿されている方々の数字には及びもつかないけれど、それでも改めて数えてみると、自分でもびっくりする。

本名の私と、うみのちえ。
二つの名前と、二つの誕生日。

最初はまるで、本名の私の付属物みたいに、遠慮がちに、そぉーっと佇んでいたのに、今や「うみのちえ」の方が断然、楽しそうだ。
お友達もたくさんできた。心の師匠にもたくさん出会えた。
エッセイだけじゃなく、俳句を発表し、調子に乗って小説まで書きはじめた。

一日の大半を「うみのちえ」に乗っ取られている日だって、決して少なくはない。そうしてそんな日は大層、忙しくて、とても楽しいから困る。本名の私にトントンと肩を叩かれて、しぶしぶ note を閉じる始末だ。

三年前の、涙の乾ききらなかった私へ、今日の様子を見せてやりたい。
「いい歳をして……」とか「今さら……」とか尻込みして、グズグズと言い訳を重ねていた私を笑い飛ばしてやりたい。


ずっとずっと私は、自分の誕生日が苦手だった。
ことに30代を過ぎてからは、歳を重ねることが老いを重ねることと同義となり、ますます憂鬱な日になった。

できれば誰にも気付かれず、もちろん祝福されることもなく、何でもない普通の一日として終えてしまいたい。毎年、頑なにそう思ってきた。

それは、「誕生日=誰かに祝福してもらう日」という思い込みがあり、そうしてその図式が叶わなかった日々の傷付きがあって、無意識に回避する癖がついていたからなのだろう。

気付いてしまえば、いつだって、心のありようは単純なのだ。
傷付いた過去の誕生日は、もう戻らない。
けれどもこの先、まだまだ誕生日はやって来る……はず。
だから私は、この世に生を受けた日と、note に生を受けた日の、二つの誕生日を大切に抱えて生きて行こう。

そうだ。
自分で自分を、祝福すればいいんだ。

Happy birthday to me!


いつも読んでくださる皆様、たまたま目をとめてくださった方、これまでにスキを押してくださった皆様、温かいコメントをくださった方々へ、本当に、心から感謝いたします。
note で出会った奇跡を大切にして、これからも精進してまいります。
またどうぞ、お気軽にお立ち寄りください。




最後まで読んでいただき、ありがとうございました。もしも気に入っていただけたなら、お気軽に「スキ」してくださると嬉しいです。ものすごく元気が出ます。