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青空と陰口と夏

青空はいい。 うちの学校には船乗りの養成コースがある。俺自身、船乗りに強い憧れを抱いて入学した。それ以外の道は考えていなかった。 船乗りの養成学校だから当然、乗船実習がある。それで船に乗っていた。俺はかなり鈍臭いほうで、そのたちは人付き合いにも表れた。あまり仲良くない人たちと、1ヶ月をともにするのは、難しいことだった。 次第に自分に対する陰口が増えて、あだ名もつけられた。本が好きで、カバンいっぱいに本を持ち込んで読んでいたら、あだ名が『図書館』になった。妙にセンスのいい

    • 情緒の細密画

      大学に入ってから、Toeをはじめとする日本のマスロック(かつインストの)バンドを聴く機会が増えた。私はToeの『You Go』をよく聴いている。 これらの曲を聴いているとき、私はいつも「ペンデュラムウェーブ」を思い出す。周期の異なる振り子を同時に繰り出すと、振り子群は不可思議な動きを繰り返すのだ。時にはバラバラに動いている"ように見え"、時には2つか3つのグループになって同周期で動いている"ように見える"。 各振り子のふるまいは全て、自然法則が統制しているから、なにか特殊

      • 発達の軌跡

        はじめまして。uminoと申します。自己紹介も兼ねて、自身の生い立ちの一部を語ろうと思います。 なぜこの記事を書こうと思ったかというと、この@fukusanityさんのポストに深く共感したからです。過去に全く同じ考えを持ったことがあるのです。 ◆ 昨年の夏季休業中のことです。卒業した高校に顔を出す機会がありました。アポ無しの訪問にもかかわらず、いざ職員室に顔を出すと、皆さんにこやかに歓迎してくれました。そうして、先生方としばらく雑談することになりました。 ぼくの話す姿

      青空と陰口と夏