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2019年01月14日 高野寛さん30周年ライブ「Spectra Special」 at 日本橋三井ホール

4年ほど前、某SNSに連続投稿した文章の編集版です。幸宏さんはこの年の9月にもワンマンをやられるなど精力的に活動されていたので、今の状況はいまだに信じられないですね…

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高野寛さんのデビュー30周年イベントの締めくくりとなったバンドセット+ゲストミュージシャンによるライブは、初期の名曲から最新作までを網羅した豪華なもので、会場には坂本美雨さんやのん(能年玲奈)さんからお祝いのお花も。

ゲストには既に発表されていた高橋幸宏さん、野宮真貴さん、浜崎貴司さん、原田郁子さんに加えてシークレットゲストで宮沢和史さん。「Hullo, Hulloa」や「Ring」の頃の楽曲でパワステや汐留PITを思い出したり、郁子さん、ミヤ、浜ちゃん、野宮さん、幸宏さん各々のパートからもそれぞれの時代の幾つもの記憶や想い出が蘇ってきたりで、3時間15分の時間旅行から生還した今、ひたすらぼんやりしています。

まずハウスバンド。パワフルかつ緻密な坂田学さんと鈴木正人さんのリズム隊と言い、流麗なフレーズが交錯する斉藤哲也さんの鍵盤と言い、「鈴木茂さんのギターと大瀧詠一さんの声を持つ」田中拡邦さん(ママレイド・ラグ)によるギターやコーラスと言い...とても良いバンドでした。高野寛さんはギター+ルーパーやシーケンサー、シンセなどを駆使し、一人で何でも出来る方なのでバンドセットでのライブはたまにしかありませんが、この布陣でツアーやフェスなどもたまにやって欲しいところではあります。

ゲスト1人目の原田郁子さん。MCでは出会った頃の思い出話や郁子さんの妹さんがオーナーを務める吉祥寺キチムでのイベントの話題などが上がりました。高野さんの大ファンだったクラムボンのミトさんから「聴いてください」とカセットを渡され、翌日それを聴いてすぐ連絡先に電話をしたと語る高野さん。あんなのはクラムボンくらいだと。

浜崎貴司さんとは、昨年30周年記念を迎えたFlying Kidsの話題からお互いの曲をカバー、そしてお互いを繋ぐ清志郎さんの話題からの「デイ・ドリーム・ビリーバー」。一時期、清志郎さんが宅録に凝っていて、近所に住んでいた高野さんをよく呼び出していた事とか。ミュージシャンが大挙出演した「サヨナラCOLOR」(竹中直人監督作品)の思い出話では、「清志郎さんが竹中さんから依頼されて多くのミュージシャンに声をかけたので皆断れなかった」と。で、浜崎貴司さんも、原田郁子さんも、ハナレグミ(永積タカシ)さんも、スカパラの大森さんも、斉藤和義さんも、田島貴男さんも患者役だったのに、なぜか高野さんは医者役だったと(笑)。

宮沢和史さんは飛び入りで2曲。「中央線」は浜ちゃんも残って「30周年トリオ」の3人がフロントに並びボーカルを分け合う構成。

高「ミヤは1番海外で一緒に演奏した仲間。一緒に曲も沢山作ってきた特別な友達。浜ちゃんと最初にセッションしたきっかけも、ミヤの企画だった。…浜ちゃんが1人じゃ何も出来ないって言って」
浜「やかましい!(笑)」「そのイベントリハの後、ミヤと高野君と3人で中目黒の焼肉に行って、そのあと(当時)ミヤが住んでいた神泉の家に遊びに行った。人が住むようなとこじゃない…」
宮「ラブホテル街は良いんですよ。皆下向いて目を合わせないからプライバシーが守れて」

こんな感じの和んだ会話に場内爆笑の連続。高野さんがプロデュースした「24時間の旅」については「THE BOOMは土臭いバンドなので、渋谷の香りを入れたくて高野君に依頼した」とのMIYAのジョークに高野さんも苦笑いで。

ゲスト4人目の野宮真貴さんとは、「最初の共演」となるテイ・トウワさんの「甘い生活(アルバム「Future Listening」)」からピチカート解散直後の「Lady Miss Warp」(高野さんプロデュース)の話、そして昨年カバーした「Winter's Tale」へ。この3曲、野宮さんの新譜にライブ版が入ってますが、生で聴けてラッキーでした。

で、幸宏さんは高野さんの歌詞の素晴らしさを語っておられました。震災直後に「相変わらずさ」を聴いて涙が出そうになったと。そして二人にとっても大切なトッド・ラングレンの話から、同じく50周年を迎えた細野さんとトッドの比較に話題が及び楽屋話的な盛り上がりに客席にも笑いの渦が。

…それにしても「Disposable Love」が聴けるとは思いませんでした。嬉しかったな。この日幸宏さんが参加された3曲はこの年9月の幸宏さんのライブで演奏されなかったので、自分がこれらの曲を生で聴いたのはこの日が最後になりました。

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高野寛30th Anniversary Live "Spectra Special"
(14 Jan 2019 / 日本橋三井ホール)

01. (それは) Music
02. Dog Year, Good Year
03. Is That Love?
04. each other
05. 夜の海を走って月を見た
06. 相変わらずさ
07. サヨナラ オハヨウ
08. CHANGE
09. id
10. 僕が言える事のすべて
11. All Over, Starting Over
12. デイ・ドリーム・ビリーバー
13. 中央線
14. 24時間の旅
15. 甘い生活
16. 上海的旋律
17. Winter’s Tale ~ 冬物語
18. Disposable Love
19. やがてふる
20. I Saw The Light
21. 確かな光
22. エーテルダンス
23. Black&White
24. 虹の都へ
25. Portrait
26. Blue Period
27. ベステンダンク

encore 1
28. グリーンダカラちゃんの歌
29. 夢の中で会えるでしょう

encore 2
30. See You Again

高野 寛 Vocal, Guitars
鈴木正人 Bass (M1-4, 8-27, 29-30)
坂田 学 Drums (M1-4, 8-27, 29-30)
斉藤哲也 Keyboards, Accordion (M1-4, 8-27, 29-30)
田中拡邦 Guitars, Chorus (M1-4, 8-27, 29-30)

原田郁子 Vocal, Keyboards (M7-9)
浜崎貴司 Vocal, Guitar (M10-13)
宮沢和史 Vocal, Guitar (M13-14)
野宮真貴 Vocal (M15-17)
高橋幸宏 Vocal, Keyboards, Guitar (M18-20)

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