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忍殺TRPG小説風リプレイ【フー・ウィル・キル・ニンジャスレイヤー?(その7)】


◆アイサツ

 ドーモ、海中劣と申します。こちらの記事はニンジャスレイヤーTRPGの小説風リプレイとなっております。ニンジャスレイヤーTRPGについては下記の記事をご覧ください。

 本記事はニンジャスレイヤーの二次創作小説でありニンジャスレイヤー本編及び実在の人物・団体とは関係ございません。

 こちらの記事は前回の続きとなっております。よろしければそちらから見てやってください。

それではやっていきたいと思います!

◆本編

◇2ターン目

◇◇◇

遭遇ドラゴンチック&タカギ・ガンドー: 1d12 = (2)
遭遇ドラゴンチック&タカギ・ガンドー:1d12 = (12)
セルフハーム

※間を置かず選択されたため、状況的にデスドレインもその場にいるものとする。(これをしないと人数が少なくなってから膠着状態に陥るので)

 ヤスイ・マートのシェルターを出てニンジャスレイヤーと別れたドラゴンチックはガンドーと共にガンスリンガーの行方を追っていた。彼に殺されかけながらもニンジャスレイヤーの出現によって一命を取り留めた一般人から聞き出した証言を基に、ドラゴンチックのニンジャとしての能力とガンドーの探偵としての能力を組み合わせ、捜査を進めていく。

 いくら鍛えているとはいえ、モータルにすぎないガンドーは安全なシェルターの中で待機しておくという選択肢もあった。しかし、この私立探偵は傍観者の立場でいることを良しとせず、あえて危険の中へ足を踏み入れ、当事者となることを選んだ。それはガンスリンガーとの因縁に決着をつけることが大きな理由の一つであったのだが……

「……やっぱりここでソウルの痕跡が途絶えています」人気の少ない路地の裏、ドラゴンチックは地面に当てていた手を離し、首を横に振った。「もしかしたら、誰かにやられたのかも」「……そうかい」ガンドーは地面に落ちていたハンニャ・オメーンの破片を手の中で弄ぶ。その大きな背中が重金属酸性雨に濡れる。

 ガンドーはオメーンの破片を懐に仕舞い、代わりに取り出したZBR煙草を咥えて火を点けた。胸一杯に取り込んだ煙を深い息と共に吐きだす。「……ま、探偵もののカトゥーン・コミックさながらドラマチックな展開がそう簡単に起きたりしないってことだな」ガンドーは苦笑と共にそう言った。

 ガンスリンガーはガンドーたち以外にも多くの人間をその身勝手な劇場型犯罪に巻き込み、敵を作った。そして今、そのインガオホーの時が訪れた。複雑に絡み合っているように思えた因縁が、自分の与り知らぬところであっさり消えることもある。ただそれだけのことなのだ。


 ……そして、再び因縁の相手と巡り合うこともある!「ガンドー=サン!」「ウオオッ!?」ドラゴンチックはガンドーを抱え、路地裏の壁を駆け上がる!「イヤーッ!」SPLAAASH!そのコンマ5秒後にガンドーの立っていた場所を通り過ぎる色付きの風!ニンジャシャウト!そして暗黒の奔流!

「オイオイオイ、コイツはまさか!」「そのまさかです!ここにいて!」ドラゴンチックは近くにあった窓ガラスを叩き割るとガンドーを部屋の中に避難させ、壁や看板を稲妻めいた軌道と速度で蹴り渡り、色付きの風の前に立ちはだかった!「ドーモ、ドラゴンチックです!」風は驚きに目を見開き、アイサツを返した。「……!ドーモ、セルフハームです!」

「イヤーッ!」アイサツを終えた直後、ドラゴンチックはセルフハームの眉間を狙ったチョップ突きを繰り出す!「ちょっと!イヤーッ!」セルフハームは両手に持ったカタナを交差させ防御する!「イヤーッ!」ドラゴンチックは更にチョップ突き!「待ちなさい!イヤーッ!」カタナで防御!「イヤーッ!」突き!「話を聞きなさい!イヤーッ!」防御!「イヤーッ!」「聞け!イヤーッ!」

「さっきからウルサイな!あなたの後ろから来てる奴に用があるんだけど!」「そいつから逃げてるんだって見ればわかるでしょ!早くどきなさいよ!」チョップとカタナを、そして言葉と言葉をぶつけ合いながら、2人の女ニンジャは徐々に迫り来る暗黒のスライムに取り囲まれていく!

「おいお嬢ちゃん!そろそろヤバイぜ!そっちの女は知り合いか!?」「敵です!コイツも倒します!」「アー!モー!いい加減にしなさいよ!早くしないとあいつが……」「もう来てるぜェー!」SPLAAAASH!

 ナムサン!暗黒物質の中から浮かび上がるように姿を現したのはデスドレイン!それに呼応するように周囲のアンコクトンが沸き立ち、無数の触手がセルフハームとドラゴンチック目掛け襲い掛かる!

「イイヤァーッ!」ドラゴンチックはその場に伏せ、カトンを纏った足でスイープ・サイを繰り出す!コンパスめいた蹴り足の軌道がアンコクトンを寄せ付けぬ炎の輪を描く!「イイヤァーッ!」ドラゴンチックは蹴りの勢いを殺さず、そのまま全方位への回転蹴りへと移行する!ドラゴン・スパイラル・ツメ!龍の爪が暗黒触手を弾き飛ばす!

ドラゴンチック『対抗判定:カラテ』+『◉◉タツジン:ジュージツ(2)』+
『◉トライアングル・リープ(1)』+『★カトン・パンチ(1)』:
19d6>=4 = (1,1,5,1,5,3,3,3,5,4,6,6,3,4,1,4,3,3,2 :成功数:8)

デスドレイン『対抗判定:カラテ』+『『★★★◉不滅』(3)』+
『★★アンコクトン肉体再生(2)』:
6d6>=4 = (4,3,6,1,3,1 :成功数:2)
デスドレイン体力7 精神力10

「ア?アアァァーー!?なんでテメェがいやがるんだよ!」「イヤーッ!」「グワーッ!?」ドラゴンチックの側転蹴りがデスドレインの頭部に叩き落される!「……やりやがったなテメエ!」いや、一瞬早くアンコクトンの防御壁が間に合っている!

「ドーモ、ドラゴンチックです!」「デスドレインです!ブッ潰れろォ!」短いアイサツを交わすとデスドレインは収束させた暗黒物質を巨人の手のように操り、ドラゴンチックを攻撃しにかかる!「オイオイオイオイ、またこうなるのかよ!」路地の壁や窓が荒れ狂うアンコクトンで破壊されていき、破片や瓦礫が雨のように降り注ぐ中をガンドーは必死に駆ける!

「スゥーッ、ハァーッ」ドラゴンチックはチャドーの呼吸を深め、エテルとの繋がりを強くする。デスドレインの思考、ガンドーの安否、セルフハームの動向、そのすべてを把握し、掌握し、最適な行動を取るべし!

 ……だが、ドラゴンチックが最初に感じ取ったものは先に上げた3つのいずれでもなかった!「イヤーッ!」「グワーッ!?」悲鳴を上げたのはデスドレイン!その首に首輪めいた拘束具が絡みつく!……待て、拘束具?拘束具だと!?

◇◇◇

遭遇ブラックヘイズ: 1d12 = (12)
セルフハーム
今度はセルフハーム=サンが人気過ぎる

※状況的にデスドレイン、ドラゴンチック&タカギ・ガンドーもいるものとする。
※現場にはドラゴンチックもいるため、リストレイントの横取りが発動する

 ……時間は前後し、視点は変わる!セルフハームとドラゴンチックが交戦していたその時、角から顔だけを出して2人を観察していた男がいたのだ!男の名はリストレイント!ブラックヘイズの少し後に下水道を出て、デスドレインから逃走するセルフハームを発見してここまでついてきたのだ!

 リストレイントはそのまま物陰に隠れ、ドラゴンチックのカラテとセルフハームの二刀流、そして新たに姿を現したデスドレインの行使するジツを観察する。(この中でどいつか選ぶなら……)

リストレイント『対抗判定:カラテ』:
7d6>=4 = (4,5,2,3,2,2,6 :成功数:3)

デスドレイン『対抗判定:カラテ』+『『★★★◉不滅』(3)』+
『★★アンコクトン肉体再生(2)』:
6d6>=4 = (5,1,5,1,1,5 :成功数:3)

「イヤーッ!」「グワーッ!?」リストレイントは錠が付いた鉄製の輪を投擲!デスドレインの首に首輪めいた拘束具が絡みつく!「ドーモ、リストレイントです!その首貰った!イヤーッ!」「グワーッ!」リストレインは接近しながらもデスドレインに拘束具を投げ続ける!手錠!足枷!猿轡!

「オゴーッ!」デスドレインは身動きが取れなくなり、甲板に釣り上げられたマグロめいて地面に倒れ込む!「イヤーッ!」リストレインはカイシャクのストンピングをデスドレインの頭へ振り下ろさんとする!

「……アブナイ!」ドラゴンチックの警告が一瞬早くリストレイントの足を引き戻させた。彼が踏み抜こうとしていたデスドレインの頭部が、暗黒物質となってスライムめいて地面に広がっていく。アンコクトンを用いてのミガワリ・ジツだ。では、本体はどこへ?「ここだぜ」リストレイントは首筋にかけられた声に戦慄を覚えた。

「イヤーッ!」リストレイントは背後にいるであろうデスドレインに対し、素手による攻撃を加えようとは最初から思わなかった。彼はアンコクトンの性質を観察によってある程度推測していたからだ。だからこそ、逃走という選択肢をすぐに選ぶことが出来た。

「ヘハハ!待てよ!お前と遊んでる方が楽しそうだ!」「チィッ!相性が悪い!」リストレイントは路地裏にあったマンホールの蓋を蹴り飛ばし、再び下水道へと身を隠す!それを追いかけるようにデスドレインもマンホールの中に吸い込まれるようにして消えていく!

「シマッタ!逃げられた!」ドラゴンチックは歯噛みした。すぐに後を追いかけねばならないが、迷路のようなネオサイタマ下水道で自分の探知能力がどれだけ役に立つであろうか。それに、いつの間にかセルフハームの姿も無い。リストレイントに気を取られている間に逃げ出したか。

「抜け目の無いやつ……」「オイ、大丈夫かドラゴンチック=サン」窓から下りてきたガンドーが心配そうに声をかける。ドラゴンチックは意識を切り替えるため、もう一度チャドーの呼吸を行い、ガンドーの言葉に応じた。

◇◇◇

遭遇チキンハート: 1d12 = (2)
ニンジャスレイヤー

 ネオサイタマ繁華街、コハ・ストリート。ここは真夜中でも人々の往来が途絶えることは無い。「ハァー、ハァー!」チキンハートは息を切らせながら、群衆でごった返す道を走り続けていた。

「邪魔だッコラー!」「痴漢!慰謝料!」「ペケロッパー!」「スミマセン!スミマセン!」ニンジャといえど、これだけの人ごみでは一切ぶつからずに移動するのは不可能だ。まして彼は後ろを気にしながら全力で走っているのだから。ぶつかった相手に罵声を浴びせられながらもチキンハートは足を止めることなく走り続ける。

 その時であった。「グワーッ!?」背中に走った激痛にチキンハートは思わず立ち止まりそうになる。だが彼は己を強いてなおも足を動かした。もしもここが他者の身の危険に対してどこまでも無関心なネオサイタマでなかったなら、通行人の誰かがチキンハートの背中に刺さった鋼鉄製の鉄十字に気が付いただろう。

チキンハート『対抗判定:ワザマエ』:
13d6>=4 = (2,6,3,2,2,2,3,6,2,2,6,2,5 :成功数:4)

ニンジャスレイヤー『対抗判定:ワザマエ』+
『◉スリケンの見切り(1)』+『◉ツヨイ・スリケン(1)』:
14d6>=4 = (6,5,3,4,5,2,1,1,3,6,4,2,6,6 :成功数:8)

チキンハート体力16 精神力17

(これだけ人がいる中で的確に俺だけを狙っている……なんてワザマエだ、ニンジャスレイヤー=サン……!)チキンハートは血が出るほどに奥歯を噛み締め、懐から取り出したZBRアンプルを首筋に注射して痛みを一時忘却する。遥かに良い。そしてその良さが恐い。

 そう、彼は追われていた。姿は見えないが確かにチキンハートを追ってきている。ジゴクから甦った死神、ニンジャスレイヤーが。(とにかくここは逃げなければ……!俺一人じゃあ死神には勝てない。誰か味方を……!)

 チキンハートが救援要請を行うために携帯IRC端末を取り出した瞬間、端末が爆ぜた。否、破壊されたのだ。ニンジャスレイヤーの投擲したスリケンによって。(……死神め!)チキンハートは胸の内で悪態を吐き、先程までは端末だった残骸を持ったまま全力でスプリントした。

◇◇◇

フー・ウィル・キル・ニンジャスレイヤー?(その8)へ続く