たまご石
ある日、友達と海へ歩きにでかけた。
柔らかくて、サラサラの、乾いた砂浜を歩いていると、目に止まった丸い石。
赤い筋の入った卵に見えた。まるで角がなくて、長年そこにあったみたいに見えた。
怪鳥の卵?
宇宙人の卵?
エイリアンの卵?
得体の知れないドロドロした海洋生物が出てくる?
不気味な生き物が生まれて、私を食べてしまう?
それとも、この間の夢に出てきた赤い鳥の卵かも。
絶対に羽化しないけど、これが卵だと思うことにした。拾い上げて撫でていると孔が指の表面に少しだけひっかかるような、ザラザラとサラサラの間の質感。愛着がわいてきて、持ち帰ってしまいました。
実際は、川や海の中を転げ回って丸くなっただけの、単なる石でしょう。はじめはどんな形をしていたのか、私にはわからない。とても大きな岩の一部だったのかもしれない。
外国から来たのかな?いいえ。石たちに、国籍なんてないよね。
わからないけれど、どこかから転がってきたんだね。
この石から物語を膨らませて、子育てのボランティアの場で、子供たちにきいてもらおう。
日本の皆さんは、残暑が続くと思いますがくれぐれも体に気をつけてくださいね。世界の皆さん、思い思いの夏を過ごしてくださいね。
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