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海亀湾のプルーフ(自己紹介的な何か)

 自己紹介を書くべきか迷う。何を紹介すればいいのだろう。
 唯一確かなことは、この記事を読んで下さる方から、私は多少なりとも関心を持って頂けた、ということである。これは本当にありがたいことだ。


■投稿しているもの

 私はこのnoteという場に、昨年(2018)から参加し、書き溜めていた「短編小説」を投稿している。パソコンやHDDのフォルダに死蔵されたまま、いずれ消滅する表現物を、どのような欲求によるものか、自ら世間に晒したくなったのである。しかし、WEB上に散りばめられた数多の日本語テキスト記事の中から、無名の何者かが書いた何の評価もない原稿用紙二十枚の小説を、読んでみようとする風変わりな人がいるとは最初は思えなかった。ただ、ゼロだとも実は思わなかった。私はまだ見ぬその希少な読者の方に、自分の作品が届くことを願って作品の投稿を始めたのである。


 小説の他に、私は「詩」を投稿している。作品ということを意識して書いた「詩」は、それまで四作あるだけだった。一作目はある創作講座の課題で提出した詩、二作目は知人の送別会のときに皆の前で朗読した詩、三作目は別の知人から結婚式のお祝いに頼まれて書いた詩、四作目は何かのコンテストに応募したときに書いた詩、である。

一作目は、そのとき講師をしておられた詩人の谷川俊太郎さんから、一行だけ比喩表現を褒められて、天にも昇る気持ちになった。

二作目は、送別会を場違いな空気にさせて、参加者たちをいたたまれない気持ちにさせた。

三作目は、披露宴で配られた記念のリーフレットに全文印刷されて、多くの出席者に読んでもらえたそうだ。

四作目は、箸にも棒にもかからなかった。

 このnoteには、四作目にあたるベンチという詩だけを過去作の中から投稿している。あとの投稿は、すべてnoteに参加してから書き始めた新作である。私はあまり詩というものを読んでこなかった。なので、私は自分が書いているものが、果たして「詩」なのか未だに疑問だ。そういうスタイルの「詩」だと、自らに言い聞かせて実は書いている。

※追記 (後日、詩の第一作『ロマンティック』、そして第二作『あなたのいる背景』をそれぞれ投稿しました)


 私は「書評」も投稿している。以前、個人で開設していたWEBサイトに読書の感想を載せていたのだが、その一部を加筆修正し、発表することにしたのである。昔書いた書評(感想文)ということで、内容が古くなっているため、新たに「追記」を設けて、今読んでも何かしら意味がある記事となるように体裁を整えたつもりである。砂に埋めた書架からというマガジンのタイトルには、読み終えた本たちを収めた本棚が砂の中に埋葬されているイメージがまずあり、そうやって過去の時間に葬った本を、今、再び掘り起こして日の目を見るようにしたという意味を込めてつけた。分かりづらいが、海亀が産んだ卵(大切なもの)を砂に埋めるイメージも重ねてある。

 最初は反応を頂けるとは思っていなかった。興味を示して読んで下さる方が一人でもいてくれたら、私はそうとう喜ぶだろうと想像した。
 ある日、スキ、が初めて付いた。嬉しかった。しばらくして、初めてコメントが付いた。飛び上がるほど嬉しかった。


■公開できる範囲のパーソナルデータ

・男性
・山羊座 A型
・既婚
・出身地及び居住地 :『知らなかった塔、知っていた島参照 (埼玉と東京に生活していた期間あり)
・受賞歴 : ある地方紙主催の文学賞(短編小説)で佳作に選ばれ、新聞(朝刊)の紙面一頁に全文掲載された。


■書くときの道具

 作家の書斎の写真や映像を見るのが好きである。本棚にどんな本が収納されているのか。どんな机で、どんなペンで書いているのか。どんなPC、デバイスを使っていて、ソフトは何か。そうして一通りつぶさに眺めてから、あの作品はここで生み出されたのか……と感慨に耽る。そんな風にして楽しんでいる。
 需要がないのはわかっているが、ここから、私が執筆するときに使っている道具を書いてみようと思う。これも自己紹介のうちに入るのではないだろうか。

・PC : VAIO Windows10

・テキストエディタ : QXエディタ
 縦書きで入力できるので、小説を書くときに利用している。15年以上使っている。今でこそ色々なソフトが開発されていると思うが、昔は縦書きができるエディタは限られていた。だいぶ前だが、情熱大陸で川上未映子さんの回のとき、私の見間違いでなければ当時このエディタを使われていたようだった。嬉しくなったのを覚えている。

・テキストエディタ : EmEditor Professional
 アイディアメモ、下書き、資料の記録、料理レシピなど、テキストで記載できるものすべてこのエディタを利用している。私にとっては完全にオーバースペックの高機能なエディタだが、UIを含め一番のお気に入りである。早くから購入していたので運良く永久ライセンスを持っているが、現在の価格を見ると脇汗が出る。noteは横書きの表示なので、最近はこのエディタで文章を書くことが多い。

・ワープロソフト : 一太郎
 まずは一太郎が憧れだった。そしてATOKの便利さに感動した。現在は、明鏡国語辞典、ジーニアス英和辞典、そして、大辞林を電子辞書に導入して使っている。文章の校正と原稿を紙に印刷するときが一太郎の出番となる。これもだいぶ前だが、情熱大陸で角田光代さんが一太郎Liteを使用しているのを観た記憶がある。嬉しかった。

・iPhoneアプリ : 文字数カウントメモ
 ある真夜中、詩の言葉が降ってきたので、布団に潜ったまま、忘れないようにこのアプリでポチポチと書き留めたら意外といけることに気付いた。Twitterの下書きで140字を管理するために使っていたが、それ以来、詩は、このアプリで書いている。布団の中、車の中、公園の東屋、場所を問わず書けるようになったが、だからと言って、詩の言葉が毎回降りてくるわけではなかった。

・万年筆 : ペリカン スーベレーン M400 緑縞 F
 最初にペン先が触れたところからインクの掠れを一切起こさず滑らかに線が引ける。どんなときも。当たり前のことかも知れないが、このことにいつも感動する。このペンで、字を書く気持ちよさを教えてもらった。これで私もトーマス・マンになれる。(気分だけ)


■撮るときの道具

 写真を趣味で撮っている。2007年にデジタル一眼レフを買ったことが始まりだった。観光地でスナップ写真を撮ることが多い。noteのヘッダーにはその一眼レフで撮った写真を使用している。カメラもレンズも十年以上前のものなので新調したいが経済的な事情がそれを許していない。写真屋の店主をしている同級生から、「夜景なら今はiPhoneの方が綺麗に写る」と言われ、首肯せざるを得なかった。

・デジタル一眼レフ : Nikon D80
 古い。12年使っている。このカメラはISO1600が限度。夜の撮影には向かない。いいカメラだったが時代は終わった。だからこそ去年の夏祭りで、未だにこのカメラを大切に使っている老人を見かけたときは、胸が熱くなった。

・レンズ : TAMRON SP AF 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 (272EN Ⅱ)
 古いレンズだけど、風景も、人物も、花も、猫も、静物も、ほとんどこのレンズで撮っている。もちろん、マクロ撮影するときも。

・レンズ : AI AF Nikkor 35mm F2D
 これも古い。だが、近くに寄れるし明るくて便利。ペットや身近な人物や本など、自分のそばにあるものを撮るときに重宝する。


■好きな作家 好きな作品

 最後に、好きな作家と作品名を書いて、なんとか自己紹介としての体裁を整えたい。

・文章が好きな現役作家(国内)
 堀江敏幸 松浦寿輝 松村栄子

・作品が毎回気になる現役作家(海外)
 ミシェル・ウエルベック

・夏目漱石で好きな作品  坊っちゃん
 清(きよ)とのやりとりが好き。読み返すたびに泣かされる。

・芥川龍之介で好きな作品 歯車
 不気味で怖くてやばい。弱っているときは読まない方がいい気がする。

・太宰治で好きな作品 ヴィヨンの妻
 『魚服記』と迷ったが、私が思うもっとも太宰らしい作品といえばこれ。

・谷崎潤一郎で好きな作品 少年
 読みながら自分は谷崎に調教されているのではないかと思ってしまった。

・坂口安吾で好きな作品 夜長姫と耳男
 体が熱くなった。こんなエンディングを一度でいいから書いてみたい。

・三島由紀夫で好きな作品  憂国
 字を読んで、本当に血の匂いがしたのは後にも先にもこの作品だけ。

・最も大泣きしてしまった作品
 本格小説 / 水村美苗

・最も圧倒された作品
 ガープの世界 / ジョン・アーヴィング


 以上、変わった自己紹介になってしまった。やはり、自分のことを語るのは難しい。何か特別な経験をしてきたわけでもないからだ。

 最後に、中途半端に長い文章を読んで下さってありがとうございます。
 初めて訪れて下さった方、noteで私をフォローして下さっている方、貴重な時間を割いて、私の作品を読んで下さった方、スキを押して下さった方、コメントを下さった方、コラボをして下さった方、そんな風に私と交流して下さった皆様方に、心から深く感謝を申し上げます。みなさんがいるので、続いています。

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