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学年目標を決める


明日から新年度がスタートしますね。多くの学校で、子どもたちが来るまでの間に学年目標を決めるのではないでしょうか。学年目標はとても大切なものだと思っています。そんな学年目標の重要性と決め方、決めた後にするべきことについてお伝えしたいと思います。

🔹学年目標の重要性🔹

1年間を終えた時、子どもたちに学年目標はただの“学級通信のタイトル”だと思われていた経験はありませんか?私はあります。4月に学年団で一生懸命考えたのに、1年間、教室のただの掲示物になっていたという経験が・・・
学年目標がただの掲示物になっていた1年間でも、それなりに子どもたちは成長します。
が、学年目標を、年間を通して教師も子どもも意識して過ごすと、集団は劇的に成長します。
「それなりの成長」と「劇的な成長」。1年間が終わった時のその差はとても大きいです。それだけ学年目標には時間をかけて考える価値があるのです。

🔹学年目標の決め方🔹

子どもたちの実態に合った目標を設定するのが良いと思います。
私が意識していること
①集団の課題は何なのか?3月までにどんな集団になって欲しいのか?
②前年度の担任の先生たちの思いを受け継ぐ。

例えば、

3年生(前年度)
学年目標:「きみいろ」
設定理由:一人ひとりに素敵な色(個性)がある。その色(個性)を大切にして欲しい。

【課題】
 個性は大切にしているが、それぞれが持っている悪い個性が強すぎる。その個性がぶつかることでトラブルが絶えない。学年集団としてまとまっていない。

4年生(今年度)
学年目標:「パズル〜きみいろピースを一つに〜」
設定理由:3年生で大切にしてきた「きみいろ(個性)」を引き続き大切にして欲しい。が、「きみいろ(個性)」がぶつかることがある。4年生では、その一人ひとりの「きみいろ(個性)」を認め合って、集団としてまとまって欲しい。その一人ひとりの「きみいろ(個性)」パズルのピースと例えた。

このように、①集団の課題 ②前年度の担任の思い を意識して学年目標を作るのがいいと思います。ここは引き継ぎなどでしっかり聞き取ることも大切です。前担任団の思いも引き継ぎましょう。

🔹学年目標が決まった後にするべきこと🔹

学年目標が教室のただの掲示物にならないためには、この後の①〜④がとても重要だと思っています。

①目標達成に向けての手立てを考える
目標達成に向けて、子どもたちにどんなことを意識して1年間過ごして欲しいのか。クラスや学年でどんな取り組みをするのかも始業式までに考えましょう。

例えば
「パズル〜きみいろピースを一つに〜」するために・・・

(子どもたちに意識して欲しいこと)
・自分もみんなもほっと安心できる行動や声かけをする
・自分たちで考えて行動する
・一人ひとりの違いを認め合う

(取り組み)
・褒め言葉のシャワー(クラス) 菊池省三先生の実践
・「良いところクラスルーム」の設置(クラス)
・自分たちで席替えをさせる(クラス)
・自分たちだけで授業を進めさせる(クラス)
・自分の本音を学年ミーティングで伝える(学年)

など、4月の段階では案でいいと思います。


②子どもたちと共有する
できたら、初日に。始業式の後、学年で集まります。遅くても、3日目までには集まった方が良いと思います。視聴覚室やランチルームなど静かに話を聞ける教室がいいと思います。学年目標の設定理由・目標達成に向けて、どんなことを意識して過ごして欲しいのかを子どもたちにわかるように伝えます。また、1年間のざっくりとした行事や学習内容も伝えておくと見通しも持てていいと思います。その際にスライドがあった方がわかりやすいかと思います。
🐢スライド

学年目標を模造紙に書いて、廊下に掲示します。

③日々の指導でも伝える
4月に子どもたちに伝えて「はい、終わり。」ではいけません。年間を通して、教師も子どもも意識をして過ごすことが大切です。例えば、何かトラブルがあった時や学校行事に取り組む前などの指導においても学年目標と絡めて話ができると子どもたちにも浸透していきます。

④定期的に振り返りを行う
2ヶ月毎や学期毎に振り返りを行いましょう。私はアンケートをとって振り返りを行わせています。(デジタルアンケートでもいいと思います。)
🐢アンケート

その結果をグラフ化し教室に掲示します。視覚的にクラスの成長が見られるので効果的です。また、それぞれがアンケートに書いている内容を匿名で教師が読み上げ、クラスの成長や課題を共有します。


アンケート結果をグラフ化する
※「違いを認め合う」の点数化が難しいと子どもたちが
言っていたので、2項目だけをグラフ化しています。


定期的に学年集会を開いて、学年で振り返りを行うのも効果的です。

テーマが「パズル」なので、模造紙に大きなパズルを描きました。(白紙)
学年集会で、「自分もみんなもほっと安心できる行動や声かけをしていた人」や「自分たちで考えて行動したエピソード」「一人ひとりの違いを認め合えていたエピソード」を共有し、一つひとつのピースに色を塗って行きました。

◆最後に◆

毎年このようにして、学年団で学年目標を決めていました。学年目標には、子どもたちを大きく成長させる効果があります。そのためには、学年目標をを意識して1年間過ごすことが大切です。春休みに学年団でお茶でもしながら、ゆったり決めてみてください!校外学習の下見の時なんてうってつけですね!ぜひ🐢


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