見出し画像

“誇り”という名の気流に乗って

2020.9.9

幸せ と呼べるものを探して
世の中を感じられることに感謝して
たくさんの人に愛をもらっていた日々

でも
ずっと
ずっと檻の中にいるみたいだった

いつわたしは
この鳥籠から飛び立っていけるんだろうって
バタバタと外の世界に憧れた
でもその扉を開く勇気が無い
そんなイメージばかり

事あるごとにその鳥と自分を重ねては
飛ぶ瞬間を想像した

両の脚を抱えたあの夜
欠けた月の光を見て思った

飛ぼう

全てを失っても

行こう

わたしの創造する世界へ

手放すものは多かった
心地良い場所とも
自らの一部であった音楽さえとも

それでも

*

はじめましての世界は
端から端までキラキラしていた

空の広さも
酸素の濃度も
寒さに潜む音も
おかえりの強さも
包み込んだ小さな命も
たったひとつのおむすびも
誰もいないコインランドリーも

当たり前が輝いてた

やっと飛べた
鳥籠から出たって
何度も何度も確信に近い何かを感じて

怖さと隣り合わせの
自在でいられるという安堵感に抱かれた

ふとやってくる辛さは
その代償もしくは反動みたいなもので
おいでって可愛がる自分の姿も目に浮かぶ

そこから出逢えた人や
隣にいてくれる存在の大きさに
涙して
気づいて
今あるものを 大事にするよ って

まだ飛び立ったばかり
どこに舞い降りようか
このまま飛び続けようか
虹の向こうまで寄り道しようか

選べる

足についた鎖はまだ少し重たくて
力を入れれば急降下しそうになる
飛び方だってまだわからないから
うまく行く根拠はないけれど

それでも意志という羽根をひろげて
未完成な翼を不器用に動かして
上へ上へと

力を抜いて


時折吹く追い風に手を繋がれて
高く広くなった視野が道標


進め!

胸に届くドラムの八分音符がふたつ

この物語をさあ君の音で
存分に響かせてごらんよって
笑ってくれた気がした

——  Official髭男dism『Laughter』




#心がほんのり涙するとき
#99個目のメモ
#この時に出逢えた意味
#重陽の節句
#意志
#虹色に染まる日