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みんな、カウンセラーとうまくいってるの???

ひきこもって10年くらいになる。ずーーーっと家に閉じこもってたわけじゃなくて、カウンセラーの人と、定期的に会っていた時期もあった。
私がひきこもり初めた頃は、「ひきこもり」って存在は、世間に全然認知されてなかった(当時は、発達障害とかも知られていなかった)。
相談窓口はなかったし、ひきこもりって状態像で、病名じゃないから、精神科のお医者さんも、対応を知らなかったり。

斎藤環さんの「ひきこもり対策マニュアル」読んで、精神科を受診したことがあったけれど、年配の超ダンディなお医者さんが出てきて、「何が病気なの?」って言われちゃった経験がある。都会ならともかく、地方・田舎の精神科はダメだな、と実感した。新しい概念とか、治療法は知らない。

昔は、民間のカウンセラーか、親の会しか、頼れる場所がなかった。
親の会もね、すごい遠かったんだけど。母親とふたりで、電車乗って、片道1時間半くらいかけて行った。そこで、ひきこもりの相談を受け付けている、NPOのカウンセラーさんを紹介されて、頻繁にじゃないけど、その人と会うようになった。

最初の段階では、カウンセラーさんの存在ってすごい助かった。
親の方は、ひきこもりの知識があんまりない。悩んでいるわりには、斎藤環さんの本とか、読もうとしない。「これ読んでね」って、私が渡さなきゃ読まないまま、誰にも相談しないまま、悩み続けたと思う。
この頃、家の空気が暗く淀んでいて、今振り返ると怖かった。私だけじゃなくて、親も病んでいた。

親がカウンセラーさんと面談して、ひきこもりの知識を得たことによって、親との関係性は少しは楽になった。
当時は、まだ20代で、ちょっとは希望を持っていた。「まだ若い」と思うことができた。ひきこもりは、20代のうちになんとかするのがベストだ。
30過ぎると、絶望的な気分になる。精神的な悩みより、身体的な悩みが大きくなって、フットワーク軽く動けない。

最初の段階では、カウンセラーさんと話すことって、ものすごい有益だった。相談し始めの頃は、ただ「会って話す」、それだけでメリットがあった。友達がひとりもいない、家族とほとんど話さないわたしには、カウンセラーさんと話せる機会が、とても貴重なものだった。

でもうまくいってたのは、最初だけ。何年かして、ある程度元気になって、社会参加とかぼんやり考えるようになった頃には、カウンセラーさんとの関係に苛立つようになってしまっていた。
そのカウンセラーさん、私との関係においては、基本「話しを聞く」だけで。「聞く」だけなのに、料金は高くて。

実は、中学時代のスクールカウンセラーとの間にも、同じようなことが起こったんだけど、どうもカウンセラーさんに「軽症」と思われるらしい。

私は家庭内暴力や自殺未遂をしたり、ASDなどの困難さを抱えているわけではないし、外に対して激しくアクションを起こすひきこもりではない。当時は年齢もそんなに高くなくて、他のクライアントさんより、緊急性が低い。

ある程度元気になれば、自分の力でなんとかするだろう。勝手にそう期待されているみたいだった。その人は、困難なひきこもりのケースをたくさん見ていて、そういう人と比べて、わたしが軽症にみえるらしい。
まだそこそこ若いし、大丈夫だろうって勝手に思われてしまった。
実際は、30過ぎた今も、現役でひきこもり続けているので、まったく大丈夫ではない。

私が心理学や家族関係の本を好んで読んでいたので、その人は自分が担当した他のひきこもりの方々の話を聞かせてくれたんだけど、
(彼女がいるひきこもりとか、両親と英語でしか会話しないひきこもりの男の子のはなしとか、発達障害ゆえに、こだわりが強くてゴミを捨てられないなどの困難がある方のはなしとか)

面白かったけど、聞きながら私が思っていたのは、
もっと私のこと、緊急に思ってくれよ!!!てこと。
軽症なんかじゃねぇよ。社会にでる見通し、まったく立たねぇよ(泣)。
どうしたらいいか、まったくわからない。問題を起こさないからって、わたしのこと、楽観視しないでくれ(泣)。

当時その人に、ただ話しを聞くだけじゃなく、もっと対応してくれー!!!と内心では思っていたけど、言うことが出来なかった。
そのときは、両親とも口を聞いていない時期で、そのカウンンセラーさんしか、話せる相手がいなかった。その人に嫌われたり、見捨てられたら、唯一の社会とのつながり、窓口、命綱を失ってしまう。

HSPの方や、極度に内向的な方、同じことありませんか??
カウンセラーさんにさえ気を遣ってしまって、言いたいことが言えなかったり。相手に見捨てられたり、逆ギレされたりするのが怖くて、怒りを出せなかったり。

ひきこもりや不登校となると、とりあえずカウンセラーへ!!となりがちだけれど、実際にはカウンセラーさんと付き合うのって、すごく難しい。

悩みを相談するはずが、カウンセラーさんとの関係が悩みになってしまう。いつも緊張して、過度に気を遣って話したり。怒るなどの感情表現・自己主張ができなかったり。あと特に困ったのが、関係性の中で、相手が上になってしまうこと。カウンセラーさんとの間に、上下関係ができでしまう。
相手が上で、私が下。こうなったら、相手との関係は破綻している。カウンセリングになってない。

でも、カウンセラーさんの方は、私が悩んでるってことに、気づいていないのね(泣)。悩んでるの、私だけ。

結局、料金も高いから、払い続けられないし。その人が、市のひきこもり相談窓口のトップに就任するので、めっちゃ忙しくなって、新たな相談者が増え、古参の軽症の相談者まで気が回らなそうだったので、やめちゃった。

最後の方、忙しすぎて、疲れすぎて、話し聞いてもらってるけど、真剣味が薄い。新しい仕事のことで、頭がいっぱいみたいだった。お金払ってるのにね。文句言いたかったけど、言えなかった。

この経験の後ね、自分はカウンセラーさんとでさえ、上手くいかない。
関係性を築けないって自信喪失して、またひきこもってしまった。

カウンセラーさんとの関係って、本当に難しい。

カウンセラーさんの目には、わたしが軽症に見えたって書いた。
それは、私がカウンセラーさんとだけは、問題なく会話できたからで。
ひきこもりの知識があるっていう安心感があるし、なにより「お金」をやり取りしている相手だから。お金で、関係性の安心を買っていたの。

だから、社会不安の強い私でも、話すことができた。でも、カウンセラーさんは、自分とここまで話せるから、他の人とも話せるだろう、社会参加できるだろう。そんなふうに理解していたんだよね。

全然違うんだけど(泣)。
以上、カウンセラーさんと付き合うことの難しさについてのレポートでした。似たような経験した方って、いるかな?

読んでくださり、ありがとうございました(^^)。

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