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日記。スーパームーンが霞む夜。

南窓から眺める空には薄い雲に覆われたほぼ満月。開け放した北窓からはリュンリュンという控えめな虫の音が忍び込んでくる。 月が満ちる夜は、何かを手放すタイミングだという。 愛しい彼の命が突然奪われたのは、真冬の満月の夜だった。空っぽのソフトケージを提げて雪道を歩きながら見上げた空にぽっかりと浮かんだ月に、胸が押し潰されそうな不安の中で「どうか助けて。救って」と祈ったのに。 深過ぎる悲しみと、淋しさと、後悔と、懺悔。常に傍らにいた彼がいない。その虚しさが埋められない。「まだま

    • 日記。夜中に荒んで呑んだくれようとも、早朝からわたしは甘い菓子を焼く。【その1】

      進学のために18歳で上京してからずーっと、週末の夜は実家から電話がかかって来ていた。かけてくるのは母。わたしの近況確認も、自分たちの近況報告も母。父は毎回ひと言だけ「いつでも帰って来い」。 地元の短大に行って、卒業したら結婚する、というのが父が思い描いていたわたしの人生の理想像だった。でも、それは叶えてあげることはできなかった。 高校は父が望んだ女子校に進んだが、それは単に受験のハードルが低かったゆえ。頑張って、努力して進学校に入るほど、勉強に興味がなかった。大学進学も望

      • 日記。

        製菓・製パン材料の会社から、ハロウィンを飛び越して、クリスマス商材の案内が届いた。 この猛暑の中では、全くイメージがわかないけれど、当然、冬はまた来る。今年もまた豪雪なのかなぁ…。 今年、お酒を飲みながら外食をしたのはいつが最後かと記憶を辿ったら1月28日の福井だった。なんと7カ月前。 北陸新幹線が開通し、駅ビルが建った敦賀。事前に調べて、高評価だった駅前通りの居酒屋さんで地酒と地魚を味わった。 が、しかーし、全然飲めなくなった&食べられなくなった自分に愕然とした夜で

        • 四十にして惑わず、なんて無理。『WORKIN' HARD』を聴いて吹っ切ろう♪

          この一年と数ヶ月、『人生の迷子』になっていた。 40どころか、とっくに齢60を過ぎているけれど、惑わない人生なんて無理…。 50歳で東京を離れて故郷に帰り、父を送り、母を送り、愛犬達を送って、気づけば60代に突入。高齢の両親を看取るために帰郷したのに、結果的には「あの時ああしていれば…」「もっとああしてあげればよかった…」と、幸せな最期を迎えさせてあげられなかった後悔ばかり。連れ帰った2匹の愛犬達への思いも同じ。 特に、母と最後の愛犬がひと月違いで立て続けに逝き、心の拠

        • 日記。スーパームーンが霞む夜。

        • 日記。夜中に荒んで呑んだくれようとも、早朝からわたしは甘い菓子を焼く。【その1】

        • 日記。

        • 四十にして惑わず、なんて無理。『WORKIN' HARD』を聴いて吹っ切ろう♪

          おひとりさまの入院日記【準備編】子宮全摘手術が決まるまで。

          人生ままならないものである。いや、思い通りになる人生なんてあるわけがないのか。まぁ、何事も起こるべくして起こる、ということで受け入れませう。60代、独身、自由業の完全なる “おひとりさま” の入院顛末記でござりまする。 胃まで届く、かなり大きな子宮筋腫があるのがわかったのは10数年前。 東京で、寝る間を惜しんで働いていた仕事大好き人間のわたくし。40代後半になって月経過多に悩まされるようになった。生理期間は、日中でも多い日の夜用ナプキンをつけていても足りないくらいの出血が

          おひとりさまの入院日記【準備編】子宮全摘手術が決まるまで。