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SNS廃人法等違反疑い|言葉鏡

今のSNSはインフルエンサーの檻。生成AIの食卓の上だ! 私は正午に差し掛かる時計の針の前で憤った。こんなもの消してしまえ! 衝動のままにアカウントを削除し、動画配信アプリ等もアンインストールする。すると一件のメールが届いた。『あなたの罰罰罰アカウントが消去されました。何か問題がありましたらサポートセンターに速やかに連絡してください。また、このメールが送信されてから26時間以内に新規のアカウントが作成されない場合、或いは既存のアカウントの復元がされない場合は、SNS廃人法違反の疑いが掛けられます』クソ喰らえ! 現代人は現実コミュニティでの対話を事実上制限される代わりにSNSでの発言の自由を許されている。しかしそれは政府、いや、”上流人たち”による罠だ。SNSを通じて個人の発言を収集し、また、発信するイラストや音楽、果てには小説や詩といった生産活動を一括で管理できるようにしている。今のSNSは会話ツールではない。政府か、インフルエンサーか、AI技術者いずれかに対しての餌場でしか無い。こんなことになったのも全て何年か前に政府が制定したSNS廃人法によるものだ。今では物事に精通している人物をなんとか廃人と呼ぶけれど、昔の廃人という言葉の意味はむしろ真逆で精神が壊れた人というような意味だったらしいじゃないか。現代人にピッタリだ。私たちはもっと現実世界を見るべきなのに。なんで殴り合えるほど近い場所で話し合うことができないんだ。こんなの間違っている! しかし、このままではSNS廃人法違反で捕まってしまう。せっかくSNSの支配から抜け出そうとしているのに逆もどりだ。SNSがなければ他人との会話もままならない。いっそのこと犯罪を起こして刑務所に入ろうか。刑務所では刑務所独自のSNSが使われているらしいけれども、こんな鬱々とした世の中に浸っているよりもずっといいはず。……いやいややっぱり犯罪はなしだ。人様に迷惑はかけられない。じゃあどうする? どうもこうもない。こうなっては振り直しになるがSNSアカウントを再作成して、自分でその使用を制限するしかない。それができなくてアカウントを消したけれども、逃げるばかりでは駄目なのだ。ああ、クソ。これも全て奴らの策略なのか。震える手でSNSを開く。『さぁ始めよう!』これを観るのは何度目だ。またこの世界に逆戻りだ……。

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言葉の力について考える。言葉は凄いらしい。でも、言葉と言うものの本質は個人である。もっと言えば、自分である。それはあなたである。

言葉について、意味を知るのは自分である。その単語の意味を理解する者にとっては言葉と意味はイコールで結ばれているように思えるかもしれないが、実際のところ言葉とは空虚である。夜空の星に神を見出すような、荒唐無稽なことである。

空の星が瞳に見えるだろうか。あなたを睨みつける憎悪に満ちた瞳に。悪口とはそういうものである。鈍感な者は気づけないが、心配性な人間には実情以上に恐ろしく思える。それがただの光でしかないにしても。

言葉は私を映している。写している。鏡である。それは望む姿をあなたに見せる。自覚していないあなたを見せる。他人からの評価とあなたが思っているものを見せる。我々はずっと影絵越しに世界を観ている。意識とは無意識の光に照らされた影なのだ。形あるものには必ず影があるように。

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マシュマロありがとうのコーナー!

ありがとう! 嬉しい! 君呼びもあんまり無くて新鮮。私のオススメは『必殺! 恐竜神父』の冒頭1分半くらいまで。それ以上の視聴は蛇足になる。

真面目に好きな作品を挙げるなら『ニューシネマ・パラダイス』だけど、だいぶ長いし中弛みする。『カサブランカ』もセリフ回しがオシャレでオススメ。どちらもラストにグッとくる。

募集は下に置きます。