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誕生日を迎えた友人へのLINE

「28歳ってさ、現実に向き合うべきかなって」

LINEを返信する手が止まる。誕生日の友人にLINEして「おめでとう。何欲しい?」と聞いた時に「100万円」と返してきた。
学生時代は「5000兆円!」だったのに、随分謙虚になったなぁと伝えると返ってきたのが冒頭の言葉。

サラリーマンの彼なら数ヶ月で稼げる額。
ボケとして成り立たないくらい現実的で。
画面越しの弱々しさと疲れに、面食らった。

100万円があっても、何も変わらない。
そんなことを伝えても、ため息のような既読が付くだけだろう。

スマホを机に置いて、珈琲を淹れ、再び戻ってきた僕は返信をする。
学生時代から変わらない返信を。
学生時代には持たなかった祈りを込めて。

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