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【詩集】月のぬくもり、星のなみだ。

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10代~20代に描いた詩
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2021年4月の記事一覧

【詩】林檎のなみだ

【詩】林檎のなみだ

悲しくて
理由もなく
ただむしょうに悲しくて

なみだがつぎつぎと
零れ落ちた。

泣きすぎて
疲れはてて

キッチンに行くと
ふいに目に入った
林檎をたべた

大きなくちで
皮もむかずにかぶりつくと

たれ落ちる
あまい林檎のなみだ

【18歳の冒険】

【詩】優しさに甘んじて

【詩】優しさに甘んじて

ひとりでも生きていけると言うひとは
ひとりでは生きてはいけないことを知らないひと

誰かに寄りそって生きていたいと願うひとは
ひとりでも生きていけることを知っているひと

その優しさに甘んじて ときおり、ひとり涙するあなたは

ひとりで 生きていけることも 生きていけないことも知っているひと。

【24歳の葛藤】

【詩】かさぶた

【詩】かさぶた

かさぶたが出来ると
つい剥がしたくなってしまう

それを剥がせば
血が出てくると知っているのにも
関わらずに

かきむしって
思ったとおりに
血がでてきて後悔するの

恋愛でできた
かさぶたは
もっとやっかいなもの

それを剥がせば
閉ざされていた感情が
再び溢れ出すと知っているにも
関わらずに

かきむしって
思い出が溢れ出すのを

わざと期待しているのは
わたし。

【21歳の分かれ道】

【詩】どろまみれ

【詩】どろまみれ

川の流れが
太陽に反射して
かがやいていた。

そんな風に
かがやくものが
自分のなかにも
存在するのかと
問いかけても

問いかけても
見えてきたものは
どろまみれの
きれいだとは
言いがたいものだった

泣いたっていい
それが今しかできない
自己表現ならば

泣いたっていいんだ
心にこびりついてしまった
このどろを落としてくれるものならば

【23歳のルール】