予定が詰まりすぎたら、散歩を
深呼吸をする。
深く息を吸い、ゆっくりと大きく息を吐く。
趣味
子育てしてたころ趣味を問われて散歩と答えた。
周りのママたちがきょとんとした。
まだ散歩なんて言葉、流行っていなかった。
だからかな、地味~~って笑われた。
ホント地味だよね〜と答えた。歩くだけだしね、と。
わたしより4,5歳は年若のママたち。
確かに地味ね。
整う
だけどどうだろう。
散歩がどれほど心と体を整えてくれるものか。気づいていない人がいたなら、それはかなりお気の毒。
なにより心が静かになる。
それから体に風が吹き込んでくる。
そして思考に紛れ込んだ小さなゴミが溶けて流れ出す。
外に出て歩く、たったそれだけでどれほど救われたことだろう。
どんなに考えても考える道筋さえみつからなかった時、わたしは決まって散歩した。なにも考えずゆっくり歩く。
やがて、そうかそれが余計なことなのねと気づけた。といっても、気づけるのは散歩のときじゃないのだけれど笑。
答えは急いでもでてこない。あわてて出した答えはわたしにちょっと近すぎる。だからゆっくりでいいんだと思う。本当は既に答えはわたしの中にあるに違いないから。
面倒でも履きなれたシューズで家を出てみる。だってこんなにも天気がいいんだもの。
歩く
歩くのが好き。
足元を見つめながら登った山では、ベテランの登山家さんに歩くの上手いねとほめられた。あなたの後、とても歩きやすいですよと。
そんな褒め言葉があるんだと驚いた。
たかが歩き方。
でもなぜか誇らしかった。
歩くのが上手いだなんて。
生きる姿勢でも褒められたのかと勘違いするような、妙なくすぐったさ。
たかが歩き方なのにね。
光
眩しい光は苦手だけれど、大きな木の隙間からこぼれる光はすき。
11月。まだわたしは半袖で汗ばんでもいる。
けれど黄色く色づいた大木から、金色の葉っぱがキラキラと空を舞い、ヒラリヒラリと風に流される。
夫が手を伸ばす。彼の手のひらにカサカサの葉が収まる。
途端に夫の顔が崩れる。
手のひらを覗き込み、わたしの顔もつられてほころぶ。
優しい光。ちょっとのあいだ忘れていた柔らかな空気。
ああこんなにも自然と相性がいいんだと息を吸う。
もうすっかり秋。
隙間
予定がたてこんだらふらりと出かけてみる。
そしたらふわりと隙間ができる。
ぎゅうぎゅうに詰まっていた心にすいっと優しさが戻る。そしてほんのちょっぴり背筋まで伸びちゃう。
たったそれだけ。
だから散歩がすき。
※最後までお読みいただきありがとうございました。
※スタエフでも話してます😊✨
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