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箱根に行ってきました。


こんばんは。


朝、箱根に行こうと話がまとまり、早朝、箱根へと向かいました。

いつだったのか、もうはっきりとは覚えていないのですが、確か人間ドックに行った後、もう少し歩かなきゃね、ということで、土曜は夫と街歩きしようと決めたのでした。

以来、都合の悪い日以外は、雨でも出かけます。

これがなかなかの気分転換になるのです。

今では忙しい週中、土曜の外出までは頑張ろうと、走れるようになりました。


行き先は朝食時に決めます。

箱根に着いたのはお昼前。

そこから、ほんの少し観光をして、美味しいランチをいただいて、温泉に入り、大満足。

そして、そろそろ帰ろうとロマンスカーに乗り、本でも読もうかなと思った時、夫が、

「携帯がない!」

というではありませんか。

一緒に確かめますがありません。珍事です。夫がうっかり、ということはほとんどありません。

とりあえず下車しました。

それから、夫は心当たりのある場所を探してくるといい残し、見えなくなりました。もちろん、わたしはチケット売り場で説明し、1時間後のロマンスカーにしてもらいます。


待ち合わせはあじさい橋。

小田急線箱根湯本駅のすぐ近くにかかる赤い橋です。

箱根湯本ホテルさんのHPからお借りしました。


携帯を持たない夫、

わたしがここを動くとすれ違うに違いありません。


することのないわたしは、奇麗な赤の欄干から川を見下ろしていました。

欄干の下には温泉でやや白く濁った水が勢いよく流れていきます。

すると、目の下を黒い鳥がさっと水に潜り、長く伸ばした首先の黄色いくちばしを左右に動かします。それから、素早く水面に浮かび上がり、そのまま川上の方へスイスイと泳いでいきます。

すると、また川下へ向かって水に潜り、何やら探しているのです。あの子も探し物でもしてるのかしら?なんてぼんやり眺めていました。

同じ動きを延々と繰り返す大きな鳥。水中では一直線に伸びて、左右に体を振りながら潜るのですが、動きも体の線もとても美しいのです。

写真を撮るのも忘れて、わたしはただぼんやりとその鳥を見ていました。

すると、川岸の岩の間に潜ったその黄色いくちばしに、キラキラと白く光るなにかを加えて、その鳥が水面へと姿をあわらしたのです。

その途端、鳥は長い首を上に向かって伸ばして、ぴちぴちと動く魚をゴクリとのみこんだのでした。

鳥と水の流れだけをぼんやりと眺めていたわたしは驚きました。温泉水がたっぷり混ざった川に、あれほど大きな魚がいるとは。そしてそれを知っている水鳥が生息しているとは。

目的を果たした鳥はいなくなりました。

それから、時が過ぎるのも忘れて、ぼんやりと水をみていました。


それにしても夫は帰ってきません。それからわたしは橋の上でスタエフを聞きながら相変わらず水の流れを目で追っていました。夕暮れ前の橋の上では、涼しい風が吹き始めました。

すると、汗を拭きながらやってくる夫の姿が見えました。浮かない顔のままわたしに向かって歩いてきます。

「ご苦労様」

そういってハンカチを差し出し、ふと夫のリュックの脇についている網のポケットに目をやり、

「ん?これ、なに?」

と夫に手渡すと、それこそが夫が捜していた携帯でした。


たった今、橋の上で聞いていたスタエフ。元ベテラン看護師さんで、現在は介護士さんのショコちゃんが、前頭葉を動かすのは至難の業だといわれていたのです。

規則正しい生活をして、運動をして、体に良いことだけを心掛けているのが良いようでも、これでは残念ながら前頭葉はうごかないんですよね~と。非日常に身を置いたり、驚くようなことがあってようやく前頭葉は動くのだと。

そう、今日は夫の前頭葉が、かなり活発に動いた日でした。

もちろん、水の音をずっと聞き続けていたわたしの前頭葉も、きっと大きく動いたに違いありません。



※最後までお読みいただきありがとうございました。






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