男女の賃金格差とメンタルヘルス
どうしてこんな仕事しかさせてもらえないんだろう…
どうして総合職になれないんだろう…
あなたはこんな悩みを抱えていませんか?
働くこと
AAUW(American Association of University Women)によれば、男女間の賃金格差は、女性の収入に影響を与えるだけでなく、メンタルヘルスにも大きな影響を与える可能性があるという。
もちろんこれは有り余るほどの経済力があって、働く必要のない人には関係のない話。
けれど大人の女性にとって、誰かに養ってもらわずに暮らすためには働く必要がある。
だからこそ働くことは自尊心と自信を得ることに繋がるという。
特に、日本の場合、会社員として働く女性の給料は恐ろしく上がっていかない。
しかも30歳を過ぎた一般の女性が転職を考えたばあい、良い会社に巡り合う確率は大きく下がる。ましてや、よりよい条件を求めるとなると、よほどの幸運に巡り合うか、もしくは知り合いを頼るしかない。
自尊心や自信を持つことがなかなか難しい社会だと思う。
※引用: CNBC.Com ”How the gender pay gap affects women’s mental health”
自分の価値を図るもの
米国精神医会のニール氏は、女性のうつ病や不安障害の増加と、女性の生活の心理社会的ストレスの増加には関連があるという。
そうした心理社会的ストレスの要因の中には、同じ仕事に対する賃金の低さや社会的地位の低さが含まれる。
そうした環境では、イライラとした気分が内面化され、落ち込んだり、不安を感じるという。
また、AAUWの調査では、人は過小評価されていると考えると動揺するけれど、その自分の評価を最も顕著に表すのが給料。
だからこそ、男女の賃金格差を日常的に感じながら働くことは、自身が公正な評価を受ける可能性がどこまでも低いことを自身に納得させなければならず、それが女性を疲れさせるという。
さらにコロンビア大学の調査では、女性が男性と同じか、それ以上の収入を得ている場合、うつ病や不安を経験する可能性が高いという。
これもまたわかる気がする。しかもこれは男女が平等に働くべきという風潮のある米国の調査だ。その米国ですら、女性は男性と対等に働くことに強いストレスを感じる。
もちろんそれは女性自身だけの問題ではなく、男が上という社会に刷り込まれた社会構造やそれぞれの意識の問題だ。
さらに、女性は収入が減るとうつ病になる可能性が2.4倍高くなり、不安になる可能性が4倍高くなるという。
これもまたよくわかる。どんなに働いてもぎりぎりの暮らしでは自信など持てない。
なんと。これでは働く女性の多くがストレスフルな社会構造の中に放り込まれているということだ。
※引用: CNBC.Com ”How the gender pay gap affects women’s mental health”
あなたのせいではない
会社勤めの人は職場で多くの時間とエネルギーを使う。だからこそ賃金格差がある場合、女性はイライラとした気分が続く。
けれど、そんな時、不思議と多くの女性が自分を責めるという。
本当はそれはその人のいる場所の制度の問題であり、修正する必要があるというのに、どうしたわけか自分のせいだと思ってしまう。
これは米国の報告なのでそうした気分に国の差はないということだろう。
ただ日本には女性に不利益な制度が社会に幾つもある。それがあまりに普通に存在しているため、男性はもちろん、当事者である女性たちでさえ、それがおかしな制度だということに気づかない。
社会の方に問題があることに気づけない(この問題については別な回で)。
※引用: CNBC.Com ”How the gender pay gap affects women’s mental health”
おわりに
先日、男女の賃金格差を公にするルールができたことをお話した。これは是非女性に知って欲しい。
こうした制度に率先して賃金が見える化する企業は、女性が働きやすい職場。
まずは見えるようになること。そしてそれを女性が見に行くこと。それが社会を変える一歩。
さらに今、賃金格差は日本だけでなく欧米で注目が集まっている。
メンタルヘルスに影響を及ぼするようなストレスは、企業で働く女性なら日本だけでなく誰もが直面する問題だということ。
そう、格差はあなたがダメなわけでも、あなたの努力不足なわけでもなく、これから修正していかなければならない社会の問題。
※最後までお読みいただきありがとうございました。
※スタエフでもお話ししています。
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