気ままに、ふらりと動く
朝、おぉ、たっぷり寝たぁ〜と大きく伸びをして、トントントンと階段をおりた。
いつものように備えてはみるものの、台風はこず。ただ、その台風のおまけで、昨夜から気温がグッと下がってエアコン要らずの夜を迎えた。不思議なもので、同じ室温でも、エアコンと自然とでは恐ろしく感じ方が違う。そして、昨夜は久しぶりに深く眠れた。
う〜~~もう沢山!
そんな気分で、6時前にベッドを離れた。
土曜日だけは予定を入れないぞ、と決めて動いている。まあ、たまに予定が入ることもあるけれど。
朝、夫と二人、軽い朝食を摂った。わたしはサラダと目玉焼き。夫はトースト2枚にフルーツジュースと目玉焼き。
他の家族はまだ夢の中。
で、コーヒーを飲みながら、「ねえ、今日どうする?」と投げかけてみる。
どうやら夫は、近頃驚くほど忙しいわたしとは、もう外出は無理だろうと思っているもよう。
そんなことはない。
どんなに忙しくても夫婦の時間は大切にしなきゃと思っている。こんなマイペースなわたしと34年も付き合ってくれているのだ。そんな奇特な人は我が夫しかいない笑。
というわけで、ちょっと遠出しようか、と話がまとまった。
家を出たのは8時前。
これくらいの時間だと、まあまあ行きたいところへ行ける。
そして、移動の電車で、本を読んだり、コメント返しをしたりと相変わらず動くわたしの隣で、夫はのんびり雑誌を読んでいる。覗いてみると、『歴史道』と書かれている。好きなのだ、日本史が。これはもう長年変わらない。きっと家康の生涯でも掘っているのだろう。
夫が恐ろしく忙しかった数年前、わたしたち夫婦は週末決まって秩父詣をした。当時の夫は、とにかくどこか自然の中に身をおかなきゃ一週間が耐えられないとこぼしていた。
恐らく頭の中が相当に混雑していたのだろう。一週間分のごちゃごちゃを言葉にするのに時間がかかった。黄色い特急電車ラビューに乗り、折り返して後ろ向きに進む飯能駅に着くころから、夫がゆっくりと口を開いていたような。
そこから、徐々に会話が増えて、まあ、だいたいは祭りの湯につかり食事して家路に着くころ、夫は元気になっていた。
時には「秩父神社」や「長瀞」や「宝登山神社」や「三峰神社」にも出向いた。
また秩父?と思ったけれど、気に入ったのならまぁいいか、ということで、秩父市に表彰してもらってもいいんじゃない?と思うほど秩父詣をした。
それが、今では埼玉県から他県へ心変りしている。あれほどお世話になったというのに、消費者の心とは実に気まぐれなものだ笑。ただ、こちらの県も、今や表彰して欲しいほど通っているはず。
まあ、県は変わっても、温泉でくつろぎたい、だけは変わらない。
この木々に、どれほど救われていることか。
いつか、歳をとって動けなくなった時、こんな意味もなく通った温泉や緑や食事を思い出しては懐かしむのかもしれない。
今年の夏はとにかく暑かった。
わたしも忙しかったけれど、夫も忙しくしていた。
そして、わたしたちは中華か和食が好きなのだ。とにかく気楽なのがいい。
帰りの電車ではちょっとだけアルコールをと思ったら、なんとアルコール8%!
一瞬で酔いがまわり、読みたかった本は結局読めず。
慎ましく暮らしてきた我が家の唯一の趣味は旅行だった。
もう、貯金なんて全然できないじゃない~~といいつつも、思い出は今じゃなきゃ作れないから、と色々なところに足を伸ばした。
若かったな~と思う。
もう海外へは行けないのかなとも思ったり。とにかく思い出せないほどリゾート巡りをした。もちろん都市にも行ったけれど、やっぱり呑気なわたしたちにはリゾートがピッタリだった。そして、リゾートの良さが本当にわかったのも忙しくなってから。解放されるの意味を体で感じた。
けれど、おかしなことに、年を重ねるごとに互いに忙しくなり、まとまった時間が笑っちゃうほどとれなくなっている。
飛行機に乗りたいなぁと思うこともあるけれど、仕方なし。とりあえず今は特急電車に乗るのがいい。
ちょっとだけ遠くへ行ける。
もうそれだけで、ご機嫌なのだ。
※最後までお読みいただきありがとうございました。
※スタエフでもお話ししています。
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