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情報。わたしたちが今見えている場所


日々アウトプットをはじめてみて気になるのは、わたしたちは今いったい世界のどの辺りを見ているのかということ。


近頃「え、そうだったの?」と思うことがある。

情報がすでにマスではなくなった。

以前であればだいたい同じ情報をご近所も、わたしも、わたしの友達も知っていた。「ああ、あれね」と説明することなく皆があの話に入っていけた。

ところが今はそうではない。

先日わたしは齋藤先生と、その教え子だった安住紳一郎氏が対談されている本を読んだ(『話すチカラ』齋藤孝 安住紳一郎 2020 ダイアモンド社)。

この本の著者である齋藤先生と安住さんは常に発信されている側だ。そのお二人が口をそろえておっしゃるのがインプットの量。

安住さんは、

どんな業界でも、仕事でいいアウトプットをしたかったら、その3倍くらいのインプットをしておく必要があります

と言われる。

流石だ。

媒体も大切なのだろう。ネットやテレビや新聞だけではきっと偏るということなのだと思えた。


なかなか本を読む時間が取れなかったけれど、ようやく近頃読書を日々のルーティーンに組み込むことができるようになった。

今は何年も前のものから昨年発売の新作まで手にするけれど、数年前に書かれた本を読んだ時ですら、その情報をまったく知らないことがある。


そんな中、先週手にした『歴史の予兆を読む』(池上彰 保坂正康 2022 朝日書店)で、全く理解していなかった2つの事柄に気づいて驚いた。

一つがテレビCM。

昨年は毎日のように「トヨタイムズ」のCMをテレビで目にしていた。ちょっと長尺なテレビCMだと思っていた。ところがこの「トヨタイムズ」はトヨタのオウンドメディアなのだそうだ。

それはマーケティング活動の一環で、テレビや新聞で高いコマーシャル料を払うより、自社で作った方がいいという流れで生まれたらしい。

この「トヨタイムズ」にテレビ東京で将来を期待されていた男性アナウンサーがリポーターとして転職されたのだという。

知らなかった。


もう一つはロシアのウクライナ侵略。こちらは今月で1年が経過する。

この本によれば、なぜ大統領があれほど雄弁なのか、どうして市民があれほどまでに犠牲になったのかつまびらかにされている。

ゼレンスキー大統領は、日本の国会でチェルノブイリ原発の話しをされ、アメリカではキング牧師の話しを、他の国でも歴史とウクライナ情勢とを繋げたスピーチをされた。

その大統領が元コメディアンだったことはもう誰もが知っているけれど、彼は脚本家であり、高度なレベルの演出家でもあるのだそうだ。知らなかった。だから国連でも、そして各国で、彼は人の心を打つ演説をすることができるのだろう。

さらに市民が戦いに巻き込まれる今の状況の理由も書かれている。

ここでは詳細は控えるけれど、この本によれば今やだれもが携帯を持つ時代。市民が携帯で通報することで、ロシア側からはそうした市民がスパイとみなされているという。だから今、多くの市民が犠牲になっているのだという。

わたしたちが目を覆うような映像を目にするのはそんな理由だという。

これらがすべて真実なのだとすれば、耳に届いていない情報は多いと思う。

しかも今はメディアが数限りなくある。

フェイクニュースも溢れている。

だからこそわたしたちに今必要なのはインプットだとわたしも感じている。

どの媒体を見るのか、それは偏ってはいないか、それは正しい情報なのか、常に気をつけなければと思う。



※最後までお読みいただきありがとうございました。



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