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保護者会はオンラインの方がいい?

元小学校教員、4児母のうみです。
今日もお読みくださり、ありがとうございます。

ある方が、
「保護者会はオンラインでやる方がいい。その方が保護者にも教員にもメリットある。」
というようなことをおっしゃっていて、なんかすごくモヤモヤしたんです。

そのモヤモヤを丁寧にみていった時に、“私は対面で行う保護者会をとっても大切に思っていたんだなぁ”ということに気がつけました。

私、小学校教員人生15年間のうち1年生を5回担任しています。附属の幼稚園から進学する保護者は幼稚園の送り迎えで顔を合わせていますが、小学校から入るお子さんもいらっしゃいます。
私学は通学範囲も広いため、近所スーパーへ買い物に行くと、ばったり子どものクラスメイトやクラスメイトのご両親に会うということもほとんどありません。
そのため、子ども同士は普段教室で顔を合わせていてもクラスと子どもと保護者、保護者同士が顔を合わせるという機会は授業参観や保護者会くらいしかありません。
そんな中で、保護者会は、保護者同士のお人柄を知る大事な機会です。

全体の自己紹介の場で、
「お子さんのことだけじゃなくて、ご自身の好きなこともお話してくださいね」
と投げかけたり、
あえてつながって欲しい保護者をとなりの席にして、ペアで自己紹介してもらってから、全体で自己紹介をしてもらったり…と工夫をしてきました。


私の勤めていた小学校では低・中・高の2年ごとにクラス替えがあったため、2年間はクラスが替わりません。

2年目に入った時には必ず
『父母を語る。父母が語る。』
というテーマで、親子関係をテーマに互いの価値観を語り合う場を設けていました。

クラスの保護者全員に話してもらうと2時間程度かかっていましたが、ご自身の親との関係やお子さんとの関係を語ってもらうことで、どんなことを大切にされている方なのかということを担任だけでなく、保護者同士も理解し合える場になっていました。
そこで、グッと保護者同士の距離も縮まっていくのを感じます。(口には出さなかったけれど、そんな時は敢えて同郷の保護者を隣同士の席にしたり…ということもしていました)
飲み会の場で好きな人同士、価値観の合う人同士が話すのではなく、偶然にも子どものクラスか一緒になっただけの保護者同士が語り合うことに意味があると思っています。そして、これは入学してすぐやクラス替えのあったクラスでは難しいことだと思っています。

もちろん担任は1年で替わることもあるので、クラス替えがなくても担任が変わった時のことを想定したクラス作りもしていましたが、学級経営の視点は1年間だけでなく、2年間のビジョンも持っていました。

私は、『クラスは担任と子どもが作るものではなく、担任と子どもと保護者が一体となって作るもの』という考えを持っているので、私の元職場は、年間4〜5回ほど行われる保護者会は貴重な機会だと感じていました。

学級経営の中では保護者の方々も大きな役割を担ってくださっていると考えているからです。

対面で行う保護者会では、実際に、ご自身のお子さんの座る席に座って黒板がどう見えるのか確認してもらったり、学習に使う道具に触れてみてもらったり、他のお子さんがどんな学習用具をそろえているのか実際に見てもらったり…、学校に来て保護者会に参加してもらうことで、リアルでなければわからないこと、リアルだからこそ伝えられることを私は大切にしていました。

我が子を小学校に通わせてみて、保護者会が年に1〜2回しかなかったり、その内容も手紙を読めばわかる内容だったりして、正直ガッカリしました。

「保護者会はオンラインでやる方がいい。その方が保護者にも教員にもメリットある。」
というようなことをおっしゃっていることを否定しているのではありません。

“オンラインでやっても同じじゃん”
“オンラインでやった方がメリットあるじゃん”
と思わせるような保護者会しかできないような状況を作っている学校に対してモヤモヤしているのかもしれないなぁと感じました。

例えば、

“連絡事項を伝えるだけ、担任と保護者の顔合わせをするだけの時は、オンラインの保護者会”

“クラスの今の雰囲気を保護者の方々に肌で感じて欲しい。クラスの雰囲気づくりを保護者と一緒にしていきたい。という時には、対面の保護者会”

など、目的に合わせて柔軟にできたらいいのかなぁと感じています。


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