わたしの命の残り時間は短い

年一回恒例の健康診断がありました。

わたしは中年なので、けっこうたくさんの項目を受けます。
プラス、
女性特有の乳がん健診と、子宮頚がん健診。
プラス、
仕事で有機溶剤等扱うので、それに伴う項目も若干。

若い時は項目も少なくて、
痛みや不快感を伴う検査って受けなくて済んでたけど、中年ともなると、不快な項目が急激に増えます。涙

血液検査だって、本音を言えば受けたくないです。
採血が痛いから。
針を見るのも、血を見るのもキライ。

中でも苦手なのは、胃の検査。
以前までバリウムを飲んでましたが、
去年から胃カメラを選択して、
鼻からカメラ入れてもらってます。

バリウムなんて、まず飲むのが大変‼︎
先に発泡剤を飲んで、
(絶食してるカラカラの喉にひっつく&ゲップを我慢)
そして立て続けに、
ラージサイズの紙コップに、
満タンのドロドロしたバリウムを、
ゲップしないで飲み干さないといけない!

わたしには、これが本当に苦痛でした。

その後も。

可動式の台の上で、
ゴロゴロ回らされたり、
上下あり得ない体勢に回転されたり。
必死で持ち手に捕まってても、
振り落とされそうなくらい。
しかも、その体勢で息吸って、止めて、止まれ!
って言われて。

よくあれで事故とか起きないなー、と思う。

その後も。

早く体外に出さないといけないから、
下剤を飲まされ、
いつトイレに走ることになるか、の恐怖。
後々までめっちゃ大変。

だから、胃カメラ選択できるって聞いた時は、
飛び上がるほど嬉しかった!

のに。

胃カメラは胃カメラで、エグい。

まず、始まる前に、胃の中をキレイにするとかで
マズいポカリみたいなのを飲まされる。
まあ、バリウムより量も少ないし、
全然マシ。マズいけど。

その後、鼻の中にドロドロの液を垂らされる。
これが麻酔らしいんだけど、
鼻から喉に流れ込む感覚が!
そのまま飲み込んでくださーい
と言われるけど、ホンマに苦痛!涙
イヤイヤながら飲み込むけど、
プールで鼻に水が入った時の、あの痛み。

しばらくすると、
本当に、喉が麻痺してくる!
飲み込む時に、上手く飲み込めなくて、喉が痺れてるのがわかる。
薬って、ホントにすごいなー、と感心する。

麻酔がしっかり効いた頃、
いよいよアイツがわたしの中に入ってくる。

きっと実物は細い管なんだろうけど、
そんなもの、確認する余裕がないほどわたしはびびっている。
先生は、びびるわたしのことなど気にもせず、
はーい行きますよー
とばかりに、ぐいぐいとアイツを突っ込んでくる。
わたしの小さな鼻の中に‼︎

胃にたどり着くまでの間に、
何ヵ所か、曲がりポイントがあるらしく、
そこを通過する時が、痛い。涙
実際には麻痺しているんだけど、
通過時には勝手に涙が流れる。

それでも先生は、遠慮なくぐいぐいとアイツを進めてゆく。

やがて、わたしの内側がモニターに写し出される。
もちろん、眺めている余裕など、ない。
画像も、涙で霞んで見える。

空気を入れて胃を膨らませたり、
液を噴射して胃の中をキレイにしたりしながら、
先生はアイツをグリグリとかき回し、
向きを変えながら色んな角度から画像を撮っていく。
その度にわたしの鼻の奥の曲がり角は痛むけど、
わたしはされるがまま。
成す術もないとは、このことだ。
とにかく、口で必死に息をする。
意識して呼吸してないと、
気付いたら死んでいそうだ。

時間にすれば、きっと10分ぐらいのこと。
でも、わたしには永遠に感じた。

わたしが鼻からアイツを突っ込まれぐいぐいされている間、看護師さんがずっと背中をさすってくれていた。
「手当て」とは、
本当にありがたいものだと、心から感じた。
あの手がなかったら、
わたしの心はポッキリ折れていたと思う。

終わってから、背中をさすってくれていた看護師さんが、
「とってもお上手でしたよ!本当に!」
と、声をかけて下さった。
ボロボロだったわたしには、頷くことしか出来なかったけど、
この場を借りて、お礼を申し上げます。
あなたの手に救われました。
本当にありがとうございました。

一連の作業が終了し、改めて先生と画像を見ながら診断を受ける際、口から入れるカメラで見たほうが拡大して見えるので、何年かに一回はそうして下さいと宣告を受けまして。

え、口から胃カメラなんて絶対オエオエいうやん。
絶対無理やん。
鼻でもギリギリやのに。
心の絶叫が止まりませんでした。

わたしは去年の胃カメラでピロリ菌が見つかり、薬を飲んで除菌をしたのですが、一度でもピロリ菌がいた人の胃は、その後もずっと荒れたままなんだとのことで。
胃がんのリスクもかなり高い、とのことで。

今回の検査では特に何も見つからなかったものの、
わたしは一生、胃がんに怯えながら生活していくこと決定な人なんです。

だから、
わたしの命の残り時間は短い。
と、まず覚悟をしました。

わたしはきっと、一般的な人たちより早めにあの世に旅立つことになると思っています。
体調が悪いとすぐに食べられなくなるから、
栄養が取れなくなって、
力がなくなって、没。

ずっと昔から胃に不快感を感じながら生きてきたから、ダメになってゆく自分のイメージは出来ていました。

リスクを抱えていることを理解し、
もちろん検査も必ず受けるけど、
残された時間を大切にして過ごす。
後悔しないように、
やりたいことは残さず全力でやる!

健康にあぐらをかかない。
過信をしない。
後ろ向きな気持ちにならない。

検査で得られたデータをしっかり解析し、
理解する。

健康で、やりたいことができる状態でいられることに感謝する。

年一回、
苦痛に涙を流し、
人の優しさに触れ感動し、
健康に感謝する、
大切な日。

またきっと、すぐにやってくる。
一年なんて、あっという間。

その一年を、
あっと過ごしてしまわないように、
毎年、毎年、濃い一年を刻むと心に誓う。

わたしの命の残り時間は短いのだから。

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