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囀る51話感想|怒りも矛盾も、筋が通らないのもお互いのせい

読了後、思わず「刺青 天女」でググったのは私だけではないはず。

刺青を知った矢代が百目鬼を殴るところ、台詞はないけど怒りとその理由が伝わってくる名シーンでしたね。個人的に、作中の好きな場面上位に来るかもしれない。

矢代の怒りを受け入れる百目鬼、蹴られて殴られてるのに嫌でなさそうな態度なのは何故ですかね。
7巻でカッコよく啖呵切ったくせに矛盾してませんかー?そこは「俺がどう生きようと何になろうと、俺の時間も体も俺のもの」って突っぱねるところじゃないんですかー?(安全圏から煽るスタイル)

この箇所は1巻の「そうやって怒るんだな、お前」「向けられた激しい火花が自分のせいだと思うだけで興奮した」の逆バージョンだと勝手に思ってます。ちょっと違うけど、まあそんな感じ。怒りを向けられた安心感というか安堵というか。
矢代の普段の性格を考えると無関心を装って「あっそ」で終わってもおかしくないのに、あんなに感情露わにされたらそりゃ両手でホールドして口付けするわね。

50話で4年前と変わらない(ように見える)矢代に百目鬼が怒って、
51話で4年前と変わってしまった(ように見える)百目鬼に矢代が怒って。


お互いが、お互いへの理想(希望)を一方的に抱いて、お互いにぶち壊してしまっている間はカタルシスも何もあったもんじゃねえな。
そう思った51話でした。


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