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エンゼルケアがすきなのです。

ねむい。非常にねむい。もうあたまがぼーっとしていて、いつシャットダウンしてもおかしくない。
でも、書く。
なぜなら・・・8日目まで連続でnoteを書いたのに、3日坊主にならずに書き続けられたにもかかわらず、1日書けなかっただけで、次にnoteさんからあらわれたメッセージが「3週連続投稿、おめでとうございます!」だったときの絶望感たるや・・・。
「はい、残念! 今までのことはなかったことにしてくださいー!」
とあっさり言われた感がせつなくてたまらなかったので、もうなんとしてでも書いてやる所存でございます。

なぜこんなにねむいのかと言いますと、朝、何度でも何度でも何度でも立ち上がり呼び続けたスマホのアラームのおかげでようやく目が覚めた5時すぎに職場から追い打ちをかけるモーニングコール。……ああ、もう察しはついていました。
ここ数日、いつ旅立ってもおかしくない方がいらっしゃって、今日かな、明日かな、うーんもう少しかな、などとドキドキしつつ見守っておりました。モーニングコールが鳴ったとき、ああ、そうか、とひとり納得。
それから、さすがにアラフォーゆえ、起き抜けのどすっぴんで職場に行くのははばかられるため、猛スピードで顔をつくり、どうにかこうにか職場へダッシュしました。

おだやかな最期で、
ご家族のかたも覚悟されて付き添われたり、家で休んだりをくりかえし、「ありがとうございました」と言われたときの表情はほんの少しだけ晴れやかな感じに見えました。たいせつなひとの死を受け入れるのに、じゅうぶんな時間、というのもないかもしれないけれど、死を受け入れるための時間は過ごせたのかなぁという印象でした。
大切なひとの死を受け入れるのにじゅうぶんな時間なんてないかもしれないけれど、これまでの経験で感じるのは、家族が疲れてダウンしてしまわないくらいの時間、家族と一緒になんらかのかたちで過ごせたらいいのかな、と感じます。あまりに長いと、家族が倒れてしまうし、あまりに短いと衝撃が強すぎてやっぱり死を受け入れられない。

すこしずつ、食事が食べられなくなって、そして、だんだん話ができなくなって。そして、じぶんのことさえわからなくなってしまったかもしれない、と段階をおいながら、旅立ちの日まで歩んでこられたのは、家族にとってもとてもよかったのかなぁと感じました。

そして、医師による確認のあと、待っているのはエンゼルケアです。

わたしはこの、エンゼルケアが大好きなのです。
え、看護師のみなさん、エンゼルケア、すきじゃないですか?

もともと、ホスピスではたらきたかったからなのか、はたまた最初にはたらいた病棟が『天国にいちばん近い病棟』と言われていた病棟だったからか、そして、超急性期にいたからか、《 死 》がとても身近にあって、エンゼルケア、とくに、エンゼルメイクがだいすきなのです。

エンゼルメイクというのは、亡くなったかたの、いわゆる死化粧をするのですが、やっぱり闘病生活を終えたかたのお顔はつらい傷跡がたくさんあるものなのです。
急性期では、口から管を入れてずっと治療しているので、口がなかなか閉じない。(施設で亡くなられたかたも口が閉じなくて、管を入れていた急性期で亡くなられたかた特有ではなかったんだなぁと実感しています。)そして、あちこちに手術やからだのなかに機械を入れるためにできた傷があったりする。ましてや事故で運ばれてきたかたなんかは、顔にも傷があったりして。

で、わたしはこのエンゼルメイクは、ご家族へのグリーフケアであるとおもっています。
グリーフケアとは、簡単にいうと『親しいひととの死別を体験したひとに寄り添うケア』。
ご本人が元気だったころのような表情にできるだけ近づけることで、ご家族がその顔を見てすこしでもこころがおだやかになれたらいいなとおもっています。ただ単に死化粧をほどこすのではなく、旅立つ本人とご家族との別れが、その表情が、ご家族が残りの人生を生きていくためのちからにすこしでも変えていけるようなお顔にできたら、と。それが看護師としてできる最期のケアだとおもうから。

生きているわたしたち自身に対するメイクとのちがいはやっぱり乾燥で、わたしがするときには、その施設や病棟にあるものでできるだけ保湿をしてメイクを行います。そして、これはかつての職場の上司に教わったことですが、目のくぼみやおでこや頬にほんのりとチークを入れると血色が出てきて、生きているときみたいな表情になるんです。

エンゼルメイクのセットをちゃんと揃えている施設はあまりないとおもうのですが、やっぱり口紅が難関。スタッフが使わなくなったものを持ち寄って使っているところが多く、結果、つけた口紅は真っ赤で違和感がはんぱない、なんてことも。ほんとうは合いそうな口紅を揃えたいなとおもうところです。

そして、ご家族にメイクだけでも入ってもらえたらそれもケアになるかなともおもうけれど、これは、施設の場合ご家族が70〜80代ということも少なくないため、価値観のちがいもあるので希望があれば…という感じかなぁという印象です。

ともあれ、ご本人に対しても、ご家族に対してもわたしたちができる最期のケアであるエンゼルケア。まだまだ改善の余地あり。もっともっとよりよいケアができるはず、と感じたいちにちでした。

とはいえ。
「お疲れ様でした」と声をかけてくれた介護の管理職のかた。ねぎらいのことばをかけてくれるのはうれしいけれど・・・

両手を合わせてわたしをおがむのはやめてください。合掌。

いつもありがとうございます! いただいたお気持ちをパワーに変えて、どんどんまわしていきます!