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機械設計技術者試験3級について

どうも

XXUXです

2023年の11月に機械設計技術者試験という資格の試験の3級を受験し、無事合格することができました。今後僕と同じようにこの試験を受ける人のために何かお役に立てたらと思い、僕が実際に行った勉強法やスケジュール,各科目のポイント等について書いていこうと思います。


【はじめに】

この記事は勉強があまり得意ではないという方向けに書いております(僕自身がそうなので)

【機械設計技術者試験とは】

日本機械設計工業会という団体が独自に行っている設計技術者の能力を認定する試験です。毎年11月、年に一回行われています。ちなみにこの資格は国家資格・公的資格ではなく、民間資格に分類されます(他の資格だと英検もそうです)

1級,2級,3級と3段階ありますが、3級は受験資格がなく誰でも受験可能です。

3級の内容は新人技術者や機械設計全般の基礎知識を習得した学生を対象としたレベルなので、この中では一番難易度は低いと思いますが、"じゃあだからと言って試験も簡単か"と聞かれたら決してそんなことはありません。この試験自体が全体的に難易度の高いものになっているので、3級もそれなりに難しい内容となっています。

【勉強法】

とにかく過去問を解きまくる。問題も答えも丸暗記するくらいの勢いでひたすら解く(※勿論ただ丸暗記すればいいと言ってるわけではない)。できれば過去5年分,最低でも3年分は必ず解く。数年分の過去問を解くことで、問題の形式に慣れることができる。

ポイント①
年度ごとに解くよりも、科目ごとに解くのがおすすめです。
例:材料力学のR2→R1→H30といった流れで解くことで、問題の出題パターンや形式に慣れることができます。
この方法はのぼゆエンジニアリング様の記事を参考に行いました。
https://www.noboyu.com/learn-exam-mech/

ポイント②
全科目満点を狙う必要はありません。勉強していくと自分の苦手科目や何回勉強してもわからない問題は出てくると思います。そういう時は、潔く諦めて他の得意な科目やすらすら解ける問題をとことん伸ばしていきましょう。

ポイント③
この試験は過去問と同じ問題がそのまま出ることは基本ありません。しかし、類似問題はよく出ます。
なので計算系の科目ではよく使う公式,暗記系の科目はよく出てくる語句をノートやメモなどにまとめておきましょう。後で見返すこともできるので。

【得点源を狙う科目の優先順位】

[9]機械製図1番の稼ぎどころです。実務でも役に立つので満点を狙うつもりで暗記しましょう。この試験で唯一過去問と同じ問題が出てくることがある科目です。
[7]工業材料→比較的暗記しやすい科目なので是非得点源にしてください。こちらも実務で役立ちます。
[8]工作法→R4では計算問題が出ました。バイトの切削速度と送り速度は計算できるようになっておきましょう。後は暗記で大丈夫だと思います。切削加工については覚えておきましょう。
[5]熱工学→毎年類似問題が出ているので慣れると解けるようになります。ボイルシャルルの法則は必ず覚えましょう。 
[4]流体工学ベルヌーイの定理,円管内問題はできるようになりましょう。
[2]材料力学→大学で学んでいれば勉強しやすいと思います。応力・はりの問題が出ることが多いです。
[1]機構学・機械要素設計→暗記系の問題も時々出ます。軸受けについての知識は覚えておきましょう。
[3]機械力学→基本的には高校物理レベルの問題らしいですが、とりあえず過去問で慣れましょう。
[6]制御工学→苦手な方が多いと思います。最悪暗記だけで済ませてもいいかと。

【勉強スケジュール】

[第1段階]先ずR2,R1,H30の過去問を本番と同じ時間通りに解く
この時は正解率などは一切気にする必要はありません。僕の場合過去問を解いたところ、この時の正解率は各年度全て4割以下だったので流石にヤバいと焦りました。

[第2段階]機構学・機械要素設計,材料力学,流体工学,機械力学【計算系】
上記に伴い1月初旬から勉強を始めました。試験の約10ヵ月前です。
休日に1時間程度、ストレスにならない範囲で勉強していました。

[第3段階]機械製図,工業材料,工作法【暗記系】
8月初旬、3ヵ月前から始めました。
勉強時間を1日1時間から2,3時間程度と伸ばしていきました。

[第4段階]熱工学・制御工学【計算系・暗記系】
10月中旬、1ヵ月ほど前から始めました。正直苦手だったため避けていました、、笑
ですが、熱工学は実際勉強したところ慣れるとそこまで難しくありませんでした。制御工学は計算問題がわかる気がしなかったので暗記だけで済ませました。この頃から平日も勉強するようになりました。

[第5段階]R3,R4の過去問を本番と同じ時間通りに解く
3週間ほど前に行いました。
最初の頃と比較して自分の実力がどれ程伸びたか確認する。
R3,R4共に6,7割近く取れるようになってました。
平日は30分から1時間程度、休日は割とガッツリ1日5時間程度勉強しました。

かなり早い段階から勉強を始めたおかげか、割と余裕をもって勉強できました。

ちなみに勉強時間はトータルで約151時間程でした(多少の誤差はありますが)

僕の場合は3ヵ月前からでは絶対試験に間に合わないと感じたため1月から勉強を始めましたが、

とりあえず過去問を解いてみて
正解率が6,7割以上であれば3ヵ月前からでも大丈夫かと。
逆に僕と同じように正解率が4割もない場合は早めに始めた方が良いです。ただでさえ試験範囲が広いため、ギリギリに始めると間に合わなくなる可能性があります。

【使った問題集・参考書】

[問題集]

3級 機械設計技術者試験 3年分過去問題集
「3級 機械設計技術者試験 過去問題集-令和2年度/令和元年度/平成30年度-」

株式会社オーム社

令和4年,3年の過去問については、HPに記載されているのでそちらを利用しました。問題と解答のみで解説はありませんが、自力で解くことで実力アップにも繋がります。実際僕もネットで調べたりして自力で解けた問題もあります。
https://www.kogyokai.com/exam/past/

[参考書]

機械設計技術者試験準拠「機械設計技術者のための基礎知識」
株式会社オーム社
科目ごとに参考書を買うとお金がかかるので、この一冊で試験範囲全科目学べます。
※この一冊のみで勉強してもあまり意味はありません。あくまで過去問とセットで使用するものだと思ってください。

【合格ライン】

残念ながらこの試験は合格点や得点の配分は一切公開されていません。また、各年度の難易度によって多少変わることもあるそうです。風の噂では6割前後ではないかと言われています。

※2/9に自己採点結果をまとめた記事を作成しました。良かったらご覧ください。

【まとめ】

僕は現在地元の機械メーカーで設計課に所属しています。僕は昔から勉強はあまり得意ではなく、仕事もそんなにバリバリできる方ではありません。今でもわからないことはたくさんあるし、失敗することも普通にあります。
でも、そんな僕でも合格することができました。努力すればこの試験は合格できると思います。もちろん頑張れば必ずしも受かるとは限りません。頑張っても落ちてしまうこともあります。でも、仮に落ちたとしても、落ちたからと言って無駄だったとは思わないでください。その勉強をした過程の中でもたくさんの知識を身に付けられたと思います。それは少なくとも勉強する前の自分と比較したら成長している証拠でもあります。

今後試験を受ける皆さんが合格することを願っています。
頑張ってください。


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