犬派/猫派?はもう古い。「犬×猫派」に贈る1冊『はちわれ兄弟』(写真集)
猫が好きだ。でも、犬といっしょにいる猫はもっと好きだ。
長年猫を崇拝し、猫の尊さをにゃあにゃあ説いていると、道ばたの犬に目を留めただけで「犬でもいいの?」って訝しまれる。犬でもいいって言い草はどうかと思うけど、んとねえ、猫or犬って二択にはならないだわ、奥さん。
迷ったらどっちも取ろうぜ。ほらほら、この写真知らないかしら。
私はね、「萌え」がなんたるかをこの写真で知りましたよ、
【萌え】
:平成期に形成された美意識で、アニメ・漫画などにおける美的理念の一。愛くるしいものから匂い零れる魅惑、その息吹きに触れた心のわななき。また、それを感じたときに発する語。
:性的欲求を伴わない興奮。理由無く心を掴まれるもの。対象そのものではなく特定の要素・要因に対して興奮すること。主に観賞における嗜好の発露。
goo辞書のユーザー定義から借りてきたのだけど、2つめの定義読んでそうかーと思った。全体じゃなくて部分に対する嗜好か、と。私の場合はこれ、間違いなく「犬×猫」という関係性に大興奮している。関係性フェチ。
犬(風雲丸・当時6歳)と猫(雷蔵・当時推定2ヶ月)、種を超えて明らかに兄弟になっているのが愛おしくてならないね。なんだろう。
対になっていると、互いのキャラが際立って見えるからかな。見るからにおっとりどっしりな犬氏と、この悪そうな目をしたちっこい猫氏。だってあの犬氏の腕に、いっちょまえにまたがってカメラ目線。
この写真だけで、この2人の未来が見えるじゃないですか。ああ、この犬、猫に思いっきり甘えられて振り回されて困るんだろうな、でもそれもまんざらでもないんだろうな、てね。あぁ愛…
もちろん、写真集だって家にある。
この写真集は、もう、布陣が最高でした。被写体はいわずもがなでしょ。で、カメラマンが…!カメラマンが! 「のら猫拳」っていう、カンフー修行猫を撮ることで猫業界を席巻した久方広之さんですもの。この方が、この雷蔵氏のやんちゃっぷりを収めたんですもの。
この写真集で、この子猫は基本的に2足歩行でパンチの練習か、空中宙返りしかしてないんだ。こんなアテレコとともに。
「ぬぅ…!はちわれ拳奥義! ローリングサンダーアタック!!!」「まだまだぁぁぁあッッ!!!!」みたいなね。可愛いくせして、気持ちは少年漫画。
それを静かに眺める犬氏に添えられたセリフは「じっとしとけ」。
犬猫写真集って、澄ましたファッション雑誌みたいな写真ばっかだと思ったら大間違いだ。少年漫画のバトルもんモードの犬猫も、過剰な躍動感があっていい。
うめざわ
*ほんとは、「犬×猫」の系譜をたどる!と題して、犬猫ブログの元祖かつ、犬猫が喋る”でちまち”文体を確立した「チワワとトラ猫」から、最近ならTwitterで犬猫業界を超えてバズっている松本ひで吉さん「犬と猫どっちも飼ってると毎日楽しい」まで紹介しようと思ったのだけど可愛さの過剰摂取のため別日にまわす。
*異種の仲良し、みたいなのでいうと、その元祖は「トムとジェリー」かねえ?