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ベトナム コロナ最新情報(速報)02/06 17:00現在

忙しくて情報が1日半、空いてしまいましたが、再びホーチミン市が関係する感染者の発生です。タンソンニャット空港(ホーチミン市)の職員ということで、やはり空港は感染リスクの高い場所となっています。

そのほか、2/5にはディエンビエン省とハザン省にも飛び火し、1/27以降、これまでに11の省・直轄市で感染者がでています。保健省は感染者の拡大は抑制されているということで、実際、感染源を追跡可能な感染がほとんどですので慌てる必要はありません。
しかし、英国株はなかなか止まりません。繰り返しますが、ベトナム保健省の情報では、英国で報告された変異株は、従来のCOVID-19とはウイルスの量が4倍、感染経路(空気?)、感染スピード(1~2日)、症状(8割超が無症状)、若者(30代)でも重症化、とまったく別物です。くれぐれもご注意ください。

時系列で記載してますが、保健省発表数値と各自治体の発表は一致しません。自治体は速報重視、保健省の発表が確定数となります。

*全体&政府発表*--------

◎2/5(金)6:00 ベトナム保健省は、新規感染者はゼロと発表
・政府の宣言通り10日で感染ゼロを記録しました
・だだし、引き続き、ハノイ市、ハイズン省は朝の段階で感染者情報を出してます(下記参照)。
 おそらく保健省の午後の発表に含まれるものと思われます。

◎2/5(金)朝、ハノイ保健局は、新しい症例を1名記録したと発表
・患者はF1症例としてすでに当局により隔離されていた
・ハノイ市ではこれまで23名を記録している

◎2/5(金)朝、ハイズン省保健局は、新たに6名の感染者を発表
・チーリン市(封鎖エリア)で4名
・カムザン地区で2名

※ベトナムはこれまで類家い1,957名の感染者(ただし海外からの帰国者も含む)。1/27の再流行以降では400名以上の感染者がでていますが、引き続き、ベトナムは世界の感染者数ランクで171位と極めて優秀な成績を維持しています。

◎2/5(金)18:00、COVID-19感染対策全国運営委員会発表、過去12時間の新規感染者は19名

・ハノイ市x1名、ハイズン省チーリン市に関連する患者1814のF1
・ハイズン省x12名、10名はチーリン市の工場に関連、2名はカムザン地区のF1
・クアンニン省x2名、ハイズン省POYUN社に関連するF1
ディエンビエン省x3名、2名はハイズン省カムザン地区に関連、1名は調査中
ハザン省x1名、ハイズン省カムザン地区のカラオケ店のF1

◎2/6(土)6:00、保健省は過去12時間の新たな感染例はゼロと発表

◎2/6(土)午後、ホーチミン市疾病管理センター(HCDCは、タンソンニャット空港(ホーチミン市)の職員の感染が発生したと発表
・当該患者は2/2に倦怠感、2/3に症状発出
・感染は1/31頃と推定、2/3頃が最も感染させる力が強い時期と推定
・乗客との接触はない
・46名が曝露、21名が濃厚接触
・空港の監視カメラから感染者の行動範囲を消毒済み
・自宅はビンズン省、同居の妹2名のうち、1名の感染が疑われる検査結果を示した
・2/7(日)に詳細な分析が出る
 パスツール研究所とホーチミン市、ビンズン省の保健当局が協力

続報によると
・この職員は、手荷物係で乗客とは接触していない
・2/2~2/5は仕事を休んでいた
・空港職員の全員検査の指示に従い、2/5に出勤して検査サンプルを採取

したがって、感染させやすい時期は幸い自宅にいたことで、同居の妹以外への二次感染のリスクは高くないと見られています。

関連して、
◎2/6 11:00、ビンズン省Thuận An市のマンションEhome 4を封鎖

写真:封鎖された Ehome 4(Tuoi Tre新聞、写真:BÁ SƠN)

◎ベトナムは1/28の感染流行の再発覚以降、11の地域で389件の症例が発生した。
ー病院での集中隔離x489名
ーその他施設での集中隔離x24,362名
ー自宅または宿泊施設での隔離x55,262名

現在、基本的には新規感染者は隔離地域内に発生しており、市中に拡がる可能性は低い。

現在のポイントは、
・隔離エリアをどのように設定するか
 ピンポイントで封鎖するか、近隣ブロックを封鎖するか、保健省はガイドラインの作成を進めている
・隔離された地域以外の人たちは、通常通りの生活を送ることができる
・一時的に検疫期間を21日間に延長しているが、科学的な分析を行った上で、調整する


◎ロン保健相は2/5朝の会議で、封鎖中のXuan Phuong小学校3年生57名はテト(旧正月)に自宅に戻れると述べた
・保健省は子どもに対する隔離基準を変更した
 -6歳以上の子どもについては、7日間の集中隔離を行い3回の検査を実施する
 ー結果が陰性の場合は、自宅に戻り、自宅で隔離を継続する

◎2/6(日)、COVID-19疾病管理全国運営委員会は、重篤な患者について報告した。

・患者No.1536、79歳男性、1/13に米国より入国。
 -二型糖尿病と高血圧の基礎疾患あり
 -現在ECMO(体外式心肺装置)を起動して集中治療中
 -死亡率が高く、重篤な状態

・患者No. 1643、1725、1562、1564の4名
 ーうち3名が30~34歳と若いにも関わらず、予後が非常に悪い状況
 ー患者1725については、人工呼吸器を使用している

・保健省によれば、変異株のウイルスは、86.6%に臨床症状がないが、基礎疾患の無い若い患者であっても急速にひどい合併症状を起こした

※繰り返しますが、変異株は今までと違いますので、若いからと言って過信しないようにしてくださいませ。

写真:COVID-19疾病管理全国運営委員会(写真:Chinhphu.vn)

◎保健省は、2/8までに現在許可している海外からの専門家の入国を停止するよう検討。

◎保健省は、各地で発生している感染地域からの入境者に対する行き過ぎた規制を防ぐためのガイドラインを準備
・現在の感染地域はすべて隔離され保健当局の管理下にあり、市中感染リスクは低い
・一部の省で見られる、感染地と感染地域をおおざっぱに省レベルで設定してすべての対象者に移動制限を課すことは、政府の方針である「市場への川の流れを止めない(極力移動の制限をしない)」に反する
・したがって、感染地や地域の定義を明確にして、規制をやり過ぎないようにする

◎保健省は、感染地域からの情報ホットラインを開設
・一日に20万件を処理できるスマート配電システムを導入
・ハノイの大学生数百人のボランティアスタッフが24時間リモートで対応する
・感染者との接触情報など、COVID-19に関する通報を受け付ける
 番号:18006132(フリーダイヤル)
・保健省はすでに医療申告用Webサイトを提供している
antoancovid.vn/khaibao


◎保健省は2/5朝、バックマイ病院、国立衛生疫学研究所の対感染症の専門家からなる精鋭医師団を派遣。ディエンビエン省の保健当局を支援する。
・ディエンビエン総合病院、肺病院、市立医療センターを支援
・ディエンビエンフー医療センターに200~250床の野戦病院を立ち上げる

◎ヴァンドン空港、引き続き2/21まで閉鎖
・人民委員会が周辺地域(カイロン町)を2/21 12:00まで封鎖する措置を取っているため

◎長距離バスのターミナルは乗客がまばら
・多くの乗客が帰省をキャンセルするか、バイクでの移動を選択
 ホーチミン市から3~4時間程度の距離はバイクに切り替える人で渋滞
・ホーチミン市ミエンドンバスステーションでは、30%が運休した

閑散としたミエンタイ(西部=Miền Tây) 長距離バスターミナルのチケット売り場(Tuoi Tre新聞、写真:CHÂU TUẤN)

ガラガラの待ち合いロビー(Tuoi Tre新聞、写真:LÊ PHAN)


*ハノイ市*---------
◎ハノイ市保健局は、封鎖中のSky City Tower の住民934名は陰性と発表

・319名が不在
・F1の28名も陰性

ひとまず市中の拡散リスクはなさそうです。関連して、

◎ハノイ市ドンダー区は、2/5午後、マンション全体の封鎖を解き、感染者が関連する10階と21階の封鎖に縮小。
・当該2フロアは、2/19 17:00まで封鎖される
・引き続き、不在の319名の検査を行う(出入りに関して医療申告が必要)

これは政府の「極力封鎖エリアをコンパクトにする」という新しい方針に沿った措置です。

写真:Sky City Towerでの住民からの検査サンプル採取は、敷地内の仮設テントで夜を徹して行われた

写真:検査サンプルはすぐに検査に送られた

写真:不測の事態に備えて、救急車が待機

写真:急遽封鎖されたため、マンション住民は必需品や食料を夜中に受け取ることに。マンションの封鎖エリアとの境界には、感染防止知識のあるボランティアいて、間接的に受け渡しを行う
上記写真ともTuoi Tre新聞、写真:CHÍ TUỆ

◎ハノイ市人民委員会のDung副委員長によれば、ハノイ市はCOVID-19対策に追い付いており、サンプリングと検査はうまく行われていると述べた。・F0(感染者)を検出してから、4時間でF1のサンプルを採取し、ハノイ疾病対策管理センターで検査、6時間以内に結果を報告する体制を敷いている。これにより、迅速に封じ込めることができた。

・迅速に隔離・検査を実施することで、封鎖エリアもコンパクトにすることができる

◎閑散とする旧市街
・例年は物売りと客で賑わうが、今年は閑散としている

2/6朝、いつもは大渋滞のドンキンギアトゥック広場(ホアンキエム湖岸)のラウンドアバウトがガラガラ

2/6朝、ホアンキエム湖岸の遊歩道もまばら。ハノイ市では公共の場所ではマスク着用義務が課せられている。(Tuoi Tre新聞、写真:NAM TRẦN)


*ホーチミン市*--------
◎ホーチミン市人民委員会委員長、テト(旧正月)のイベントの安全性評価を指示

・タンソンニャット空港の職員に陽性者がでたことによる
・グエンフエフラワーストリート、ブックストリート、春の花祭り、春の花市場などが対象
・実施時間の短縮、招待客の削減など
・すでにイベントでは、飲食は持ち帰りのみ(敷地内での飲食禁止)、入場規制、ソーシャルディスタンス確保、マスク着用、体温の測定、手指の消毒などを行う
・今回の評価で安全性が確保できないイベントは中止か計画変更される

※グエンフエ通りは特に旧正月の大晦日から年越しはものすごい数の人がきて身動きが取れなくなるほどなので、何らかの規制は必要でしょうね。


◎ホーチミン市ブイビエン通りが閑古鳥
・ブイビエン通りのSaBroso Cafeに感染者が立ち寄ったことによる



2/5 21:00頃、ブイビエン通り周辺(Tuoi Tre新聞、写真:NHẬT THỊNH)

◎ホーチミン市、テト(旧正月)の桃の木の売上が急減
・お正月の風物詩は桃の木や黄梅の飾り(日本の門松に相当)
・COVID-19再流行に伴い、価格が30%下落、売上は前年比20%程度

*ハイズン省*--------
◎ハイズン省人民委員会は、2/5 18:00から新たな通知があるまで、Cẩm Giàng(カムザン)県を封鎖することを決定

・カムザン電力の職員2名に陽性者が出たため
・本社にいる70名の役員と従業員を隔離、会社及び周辺地域を封鎖
・保健当局は、F1の1,536名、F2の1,316名、F3の432名を追跡し、369名を隔離、1,340名をサンプリングした。
・カムザン電力は、サービスを維持するため必要な人材リソースを支援する

◎ハイズン省カムザン県から不正に脱出した4名の乗客、ディエンビエン省で陽性
・ハイズン省は1/29 0:00から省内のバスの旅客輸送を禁止している
・乗客は高速道路沿いの私設バス停から移動
・回送に偽装して運行か
・バス会社には罰金と営業停止の行政処分

◎ハイズン省人民委員会は、大都市に対して、農業用車両や農産物、商品や必需品、資材などの運搬車両の流通を促進よう要請を行った
・農業農村開発局によると、省内には
 -豚9万頭以上
 -ニワトリ240万羽以上
 -その他家畜110万頭以上
 旧正月を前に出荷を待っている

 また、収穫されていない野菜が約7,800ヘクタール分
 隔離地域のチーリン市には約150ヘクタールのニンジンがある

 これらを消費地に対して出荷できるよう、車両ドライバーの検査などの仕組みを構築し、簡易に移動できるようハノイ市やハイフォンなどの周辺都市に要請した。

※これも政府が強調している「市場への川の流れを止めるな」戦略に沿った要請です。つまり疫学的見地からの地域封鎖(人の移動の制限)は必要だが、商品を市場に運ぶ「川(物流)」は止めないという政府の「戦時下の経済」の考え方です。


*ディエンビエン省*---------
◎ディエンビエン省に6名の感染者

 ※筆者注:最終的に保健省は3名と発表しています

・2名の学生がタンコン社のバスでハイズン省カムザン地区からディエンビエン省Mường Ảngにて下車、検疫が行われて発覚
・当局は、緊急でF1症例を追跡している

・ディエンビエン省保健当局は、学生を運んだバス2台について、乗客を探している
・車両ナンバー27B-004.55および27B-004.51

◎ディエンビエン省に感染者を運んだバス会社に800万ドンの罰金と3カ月間の営業停止の行政処分
・運輸局は、運転手の免許証を停止


*その他地域*--------

◎ザーライ省人民委員会、プレイク市の封鎖を解除
・封鎖エリアの全員の検査結果が陰性であったため
・引き続き、2軒の住宅は封鎖
・F1症例は収集隔離施設へ。F2は医療専門家の監督のもと、自宅での隔離

※こちらも新しい政府方針に従った措置。
感染リスクの高い人を検査、隔離してリスクを下げたうえで、人やモノの移動を極力自由にします。

Nguyen DinhChieuとHoangSa(プレイク市)の2つの道路は、検査された570名すべてがSARS-CoV-2で陰性だったため、封鎖を解除された(Tuoi Tre新聞、写真:DINH CUONG)

◎2/5、ザーライ省情報通信局は、27歳男性に対して、偽のCOVID-19の情報を共有したとして1000万ドンの罰金を課した


◎ハイフォン市、2/6正午から市内外への出入り規制を実施し物議
・現在設置されている市境8か所の検疫・検問所に加え、地区単位のチェックポイントを設けてチェックする。
・ハイフォン市に出入りする市民は、出発地と目的地、移動の理由、スケジュールのについて、人民委員会の証明書が必要に
・手続きの手順、書類の様式が不明で、かつ本籍地の確認などが必要で煩雑なため、大混乱

※ハイフォン市人民委員会は以前から厳しい規制を敷く傾向にありましたが、今回もかなり厳しいです。ベトナム中央政府は疫学的な根拠のない不必要な移動の制限は慎むように各自治体に通達していますが、今回もガン無視ですね。。。ハイフォンは北部一帯の輸出入を担う貿易港で、このままでは物流が滞るので、政府の介入ですぐに緩和されるものと思います。


◎ダナン市は市の境界14カ所に検疫・検問所を設置
 保健所、軍、警察の共同ユニット

ダナン市の検問所(Tuoi Tre新聞、写真:ĐOÀN CƯỜNG)


◎ロンアン省は、大晦日(旧正月)の打ち上げ花火を中止
・20人以上の規模のイベントの禁止
・省内の旅客車両は、20名以下
・省内2か所にバスの検査ポイントを設置

※ロンアン省は1/27以降の感染再流行に際して、感染者は出ていません。


◎各地でテト(旧正月)の花火の打ち上げを中止
・ハティン省:感染者ゼロだが、省内に759名の集中隔離者、14,600名もの自宅隔離者がいる
・ゲアン省:感染者ゼロだが、省内に11名の病院隔離、321名が集中隔離、3,300名が自宅隔離者がいる

ホーチミン市の元旦(1/1)の花火の様子(Tuoi Tre新聞、写真:TRUNG TRUNG)


*その他*--------

◎封鎖地域での生活
・ビンズン省トゥーヤウモット大学とその周辺は現在も封鎖中。
 およそ10,000名を超える学生や住民が封鎖エリアに隔離。
・21日間の隔離規定に従い、テト(旧正月)も隔離エリア内で迎えることに。

※最近日本ではベトナム人の犯罪などの報道が目立ちますが、言うまでもなくほとんどのベトナムの人たちは善良な人たちです。このCOVID-19の流行のために、数千人もの大学生がボランティアで保健当局に協力していますし、封鎖エリアでの食事の配給にも彼らは協力しています。配給を受ける学生たちもソーシャルディスタンスを守り、整然と列に並ぶなど、民度も高いです。こうしたこともぜひ、日本の方にも知っていただければと思います。


あまりにも大人数が急に隔離されたため、食事の配給が必要になった。写真は配給を受けるトゥーヤウモット大学の学生たち(Tuoi Tre新聞、写真:VIET HUNG)

大学構内を軍の化学防護部隊が除染する(Tuoi Tre新聞、写真:VIET HUNG)

隔離中の学生たちもスポーツで身体を動かす(Tuoi Tre新聞、写真:VIET HUNG)

◎今年の新年(旧暦)、お年玉、贈り物、挨拶は、オンラインでしましょう。(Tuoi Tre新聞)・1/27からのCOVID-19再流行は収束しつつあるものの、旧正月の帰省や旅行による人の移動で感染が拡大するリスクがあります。・ベトナム最大の発行部数を誇るTuoi Tre(青年)新聞は、旧正月は帰省せずに自宅で過ごしつつ、経済を活性化するために、お年玉の送金やオンラインでのギフトの発送、SNSを利用した新年のあいさつの交歓などを進めています。

※ベトナムのメディアは絶対に政府批判はしませんが、一方では、ポジティブなメッセージを意図的に広報します。こうした人々にプラスになる呼びかけはメディアの大切な役割ではないでしょうか。

2/5現在、各地の感染地域からの帰省者の受け入れ対応の状況(上段)と感染者の数(下段)出典:Tuoi Tre新聞

以上

冒頭写真:閑散とするハノイ市のハノイ大教会(聖ヨセフ大聖堂)(Tuoi Tre新聞、写真:NAM TRẦN)

https://tuoitre.vn/pho-co-ha-noi-diu-hiu-hang-loat-cua-hang-treo-bien-nghi-ban-20210206134712054.htm



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