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ベトナム・新型コロナ情報(6月17日 18時)

ベトナム・新型コロナ情報(6月17日 18時)ホーチミン市の感染状況がどうにも収まりませんね。

工業団地においては、工場単位あるいは区画単位で規制が敷かれており、弊社および弊社の仕入れ先さんにおいても近隣工場でF0、F1(一次接触者)が出たために休業指示や保健所のPCR検査の巡回が来て、操業にかなり影響が出てます。コンビニやスーパーの日配品が一部品薄になる影響出ているようです。

他方、日本からの支援ワクチンが到着して、湧いております。日本の皆さん、ありがとうございます。
届いたワクチンンのほとんどは今朝、ハノイ市からホーチミン市に転送され、これから接種が開始されます。

というわけで、ホットなホーチミン市の現状を中心にまとめました。


1.6/17 18:00現在、保健省発表、過去6時間 136件の新規感染者
 ①バクザン省(62件)
 ②ホーチミン市(62件)
 ③バクニン省(6件)
 ④その他地域および入国検疫(6件)
※5件が市中感染(感染源を調査中)、131件は隔離エリア及び入国検疫で確認

4月27日の第四波発生以来の累計では12,150件、バクザン省(5,007)、バクニン省(1,454)、ホーチミン市(1,197)、ハノイ市(464)の順

市中感染数が問題で、3件のうち2件がホーチミン市。
(検査数と陽性率が不明ですが、病院等でスクリーニング検査を行って市中感染がないか確認しています)

4月27日以降の感染状況はこちらのサイトが見やすいです
https://vnexpress.net/covid-19/covid-19-viet-nam


2.ホーチミン市、4月27日の第四波発生以来、1,000名を超える感染者

●ホーチミン市保健当局が設定する防衛ラインを突破
 
●次の防衛ラインである、5000名の発生に備える体制にシフト
 ※ベトナム全体では3万人の感染者発生に備えた体制にシフト

●市内で新たに1病院、合計9病院をCOVID-19対応病院に指定
 チョーライ病院、熱帯病病院、クチ野戦病院など
 5,000の病床を確保、うち1,000の人口呼吸器、66の陰圧室
 (透析、救急、外科、産科、小児科を含む治療体制)

●ホーチミン市保健局は、市内の大学に対して学生寮の徴発を指示(500~1000名)
 Ton Duc Tan大学、ホーチミン市立科学技術大学、サイゴン大学が対象
   

●6月16日18時現在、市内371か所を封鎖、隔離中。
   これは日々、封鎖あるいは解除されているので、最新情報はホーチミン市が公開しているマップをご参照ください。一番正確です。
   https://hatangdothi.tphcm.gov.vn/covid19/

●ホーチミン市人民委員会は直轄のトゥードゥック市に対して、対策を強化する緊急指示を発行
 これまでの感染エリアであったGo Vap区、12区の一部が規制緩和されたのと反対に、感染が拡大しているTu Duc市に対して首相指示15号(ソーシャルディスタンス規制)を徹底するよう求めた

●ソン保健省副大臣(ホーチミン市対策担当)は、16日午後の会議で、ホーチミン市の感染封じ込め対策は、引き続き厳格に実施されていると評価。また感染者が1,000名を超えてもなお感染拡大が制御されている場合は、首相指示16号(社会的隔離)による規制レベルの引き上げを行う理由はないと述べ、経済への悪影響を鑑みさらなる規制の強化には否定的な意見を述べました。

ということで、市中感染が発生している現状でも、現在の方針(最小限の隔離、感染経路の追跡)を続けるということになっています。

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3.日本からの援助ワクチンが到着

●16日夕方、ノイバイ空港(ハノイ市)に日本からの援助ワクチン(アストラゼネカ製)およそ100万回分が到着

●17日朝7時、80万回分が、ハノイからホーチミン市に移送された(ベトナム航空が無償で実施)
 ※残りの20万回分は、感染者が多いバクニン省、バクザン省に送られた

●政府は、ベトナム経済のけん引車であり、引き続き感染が拡大しているホーチミン市に最大のワクチンリソースを割く

●ホーチミン市は市内約1,000か所の地域の保健所にて、各200名/日(1日20万回)のスピードで、接種を実施する体制を構築
 ※ハノイ市も同様に1日20万回の体制(ただしハノイ市にはまだ十分なワクチンがない)

●ほかに文化施設、職場、学校などの単位で接種を実施する体制を作る

●チョーライ病院の指揮のもと、ホーチミン市医科薬科大学がワクチン接種の「打ち手」の指導、訓練を実施(6月18日に完了)

●第5段階の接種計画の割り当てを実施
 決議21にて定められた優先接種カテゴリーから、医療関係、研究所、大学、警察、国防に加え、65歳以上、工業団地、輸出加工区等の労働者に順次接種

●ワクチンは48時間の安全性の確認検査を経て、5~7日以内に接種完了

●副反応、アナフィラキシーショックに備えた体制、ホットラインの開設

●より大規模な接種に向け、リストおよび接種スケジュールの作成に着手

●全国で177万人に予防接種済み
 うち72,000名以上が2回目の接種を完了した
 
なお、ベトナム政府は国民の70%に接種することを目標にワクチンを確保しています。
ベトナムも、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカに加え、スプートニクV、シノバックなどが順次輸入されますが、今回の日本の緊急援助は非常に迅速で、ベトナムでも大きく取り上げられました。


4.ベトナムでのコロナ変異株について

ホーチミン市疾病管理センターによれば、

●ベトナムで流行している新型コロナウイルスは、インドの変異株(B.1.617.2=デルタ株)
 既報の通り、新種のハイブリッド株ではない

●以前のコロナ変異種とは全く異なる特徴

①感染から症状を示す前、3日程度で曝露される(症状を認識した時にはすでに人に感染させている)

②デルタ株感染者の66%に自覚症状(英国変異種は20%)

③ほかのウイルスに比べ、密度が低く軽いため、空気中に浮遊する時間が長い

④症状はインフルエンザに酷似(咳が多い)
 ※BBCによれば、デルタ株はこれまでの新型コロナウイルスの特徴である味覚、嗅覚障害が起きないため、風邪と間違えやすい

⑤重篤な症状に陥る割合については、検証中

以上、引き続き、状況の変化にご注意を。

※写真はVOVとTuoi Tre新聞より

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