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藤の花連句会「暮れさむく」の巻

2022年の秋から翌年の初夏に渡って歌仙を巻きました。この頃はまだ会の名前も決まっていませんでした。

脇起しではじめております。


初 発句 暮れさむく紅葉に啼くや山がらす
白雄 秋(紅葉)
脇 刈田の畦を走る子供ら 温子 秋(刈田)
第三 冬隣早朝白く息弾み 七緒 秋(冬隣)
4 テスト勉強かすむ残月 悠子 秋(残月)
5 新しい鉛筆削り木の匂い 悠子 雑
6 姉は恐らく忘れただろう 七緒 雑
初ウ 7 父の日のホールケーキをまちわびて
沙也加 夏(父の日)
8 ポストの上をゆくかたつむり
温子 夏(かたつむり)
9 ためいきをついて相合傘ながめ
悠子 雑・恋(相合傘)
10 買ったばかりのピンクのリップ
七緖 雑・恋(リップ)
11 昼さがり源氏ゆかりの地をたずね 悠子 雑
12 桐の葉落ちる野宮神社
沙也加 秋(桐の葉落つ)
13 月影に我が心中もみすかされ 温子 秋(月影)
14 一人前の新蕎麦ゆでる 沙也加 秋(新蕎麦)
15 新人の立ち振る舞いも板につき 七緖 雑
16 光る風来てゆれるカーテン 悠子 春(光る風)
17 花の袖早く早くと手を引かれ
沙也加 春(花の袖)
18 孫の成長知る昭和の日 七緖 春(昭和の日)
名 19 立ち漕ぎのペダルの重み噛みしめ 沙也加 雑
20  空き教室に二人の姿  温子 雑・恋
21 あの子とのラインの履歴見せなさい
沙也加 雑・恋
22  隠しておいたペアリング出し 悠子 雑・恋
23 みかん成る保育園そば部屋決めて
沙也加 冬(みかん)
24 合鴨浮かぶ公園の池  温子 冬(合鴨)
25 柵超えて入ったボール取れぬまま 七緒 雑
26 同窓会の酒の肴に 悠子 雑
27 垢抜けた三日月眉に話しかけ
沙也加 秋(三日月眉)
28 夜長に響くジャズピアニスト 悠子 秋(夜長)
29 一人きり読書の供に梨を剥き 七緒 秋(梨)
30 白い腹みせ眠りこむ猫 温子 雑
名ウ 31 風薫る店先の文字三カ国
悠子 夏(風薫る)
32 地べたでねだるレモンスカッシュ
沙也加 夏(レモンスカッシュ)
33 大判の絆創膏を膝に貼り 温子 雑
34 年少の手を引く六年生 七緒 雑
35 校庭の隅では花の先初めて 温子 春(花)
36 気持ちを奮い行く遍路道 七緒 春(遍路道)

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