見出し画像

推し活によってもたらされた怒りの感情

ドラムメジャー2年目の2022-2023シーズンは、バンドの規模も大きくなり、かつての強いMMHが戻ってきた!とファンの間で歓喜していた一方で、ライバル大学のファンからは執拗に攻撃を受けるようになります。

これは本当に日本に無い文化で、アメリカのHBCU(歴史的黒人大学)の…さらにはSWACという推しの大学が所属しているリーグ内限定の文化なのだけど、とにかく戦いたがる。バンドも例外ではありません。

でもそのジャッジは曖昧で、双方のファンが動画のコメント欄で「こっちが勝った」「いや、うちが勝った」と言い合う。
それを決定づけるのが、批評をメインとしたビデオグラファーの動画で、その人の判断で勝敗が決定したかのような空気が作り上げられます。
そのビデオグラファーもまったくフェアなジャッジではなく、自身の出身地や出身大学などの下地が大いに反映されているように感じます。

そして視聴者の投票で勝敗を決める際は、いかにそこの大学の出身者やファンが頑張るかで決まってしまうのです。
自分が応援しているバンドを勝たせたいものだから、あることないこと書き込む…

そして現場の空気を知らない、傍観者に過ぎない私は、そのコメントをわざわざ翻訳してその都度腹を立てるという、何の得にもならない不毛な習慣が生まれていました。

そんな悪い面も出始めた2年目の推し活。
このシーズンで一番神経をピリつかせた試合当日を迎えました。
推しの大学のホームカミング試合で、対戦相手は推しが行くべきだとファンが口をそろえたライバル大学のJSU(ジャクソン州立大学)。
ASUスタジアムは普段の試合は閑古鳥が鳴くのに、この試合では早々にチケットが完売。
大学全体が浮かれ騒ぎの様子。一方私は「喜んでるけど… JSUのおかげでしかないよね…」と冷めた気持ちで見守っていました。
と冷静を装いつつも心の中では「どうか、JSUをボッコボコにやっつけてくれ!」と願ってました。

注目の試合だったので、人気ビデオグラファーも集結し、ほぼリアタイでパフォーマンスの様子が次々とアップされます。
時差の関係でそれらは日本時間の早朝にアップされる事になるので、私はほぼ睡眠を取れませんでした。

アップされたばかりのJSUのハーフタイムショーを見てみると、終盤のダンスルーティンで、ハニービーズという超人気のプラスサイズダンスチーム&推しをからかうようなパフォーマンスを披露していた。
つまり、太った女の子たちと白人をからかうというゲスなもの。
見るからに下手くそなダンスを披露して、JSUのDM陣がバカにするみたいな演出。

推しをバカにした演出のショー YouTubeからスクショ

はらわたが煮えくり返った…
後に冷静に考えてみると、大学を挙げて推しをからかう内容なんて、推しはめちゃくちゃ認知されてるし意識されまくりで、光栄という考え方もできるんだけど、見た直後の私はもうこの怒りをどうして良いかわからないくらい腹を立てました。

その翌日か翌々日には早速5thクォーター(アメフト試合後のバンドの対戦)のジャッジ動画が上がり始め、それによると相手大学の完勝。どのラウンドもすべて相手大学の方が優れていたというジャッジ。
加えて、アメフトの試合自体も惜しい負け方をして、試合後に相手大学のコーチが握手を求めたのにそれを振り払う行為をして、大バッシングを受ける事態になってる… 相手コーチは超有名コーチだったので、大事件のように扱われ、SNSでとんでもない数の動画が作られ、炎上しまくり…


こうしてホームカミング試合は、推しをバカにしたパフォーマンス、バンド対決のジャッジも相手の完勝、アメフトでも大炎上という、散々な結果に終わりました。JSUファンは「相手の顔に泥を塗ってやった!」と歓喜に湧いています。
ボッコボコにやっつけてくれ!という私の願いは、見事に真逆の結果として返ってきましたよ…

私はどうなったかと言うと、試合後一週間に渡り、熟睡もできないし、夜中に目が覚めると悔しさがこみ上げてきてその都度泣きました…
この時期、推し友と連絡を取り合ってなかったので、私はこの感情に一人で対峙するしかありませんでした😭

一週間にわたり悔しい気持ちを持ち続けるのなんて人生初です。
相手を罵ったりからかったりする経験をせずに生きてきたので、耐性の無い私はまともにダメージを喰らったみたいです。

楽しいがメインだった推し活にしんどさが加わりました。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?