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文房具のこと

手帳のこと

毎年、秋を過ぎた頃からソワソワしてくるのが、来年の手帳のことだ。
小学生の頃から、私は手帳を持ち歩いている。
最近思うのだが、新しい手帳を買うのは毎年ワクワクする。それは、その白いページが埋まっていくことを想像するワクワク感なのではないだろうか。新品の手帳は希望であり、未来への期待なのだと思う。

10年くらい前からほぼ日手帳に出会い、2年前までほぼ日手帳を使ってきた。もともと日記もつけてたので、スケジュールと手帳が一体となっていて使いやすかった。日記は走り書きの日もあれば、書ききれず、空白のページに移動して書いた日もあった。唯一気に入らない点はカバーがゴツイことだ。いくつかのデザインを試してみたり、地元の革工房で作ってもらったり、色々試してみたけれど、なんだかしっくりこず、裸のまま使うことが多かった。
そして2年前、シンプルなデザインのカバーのマトカの手帳に惹かれ、ほぼ日手帳を卒業?した。
いずれの手帳も、紙質が好みだ。
ほぼ日手帳の紙質は厚過ぎず、薄過ぎず、めくりやすくて、その肌触りがとてもよかった。マトカの手帳も、ほぼ日手帳よりはやや厚いけれど、厚過ぎず、めくりやすいところとしっくり手に馴染む感じが好きだ。
先日、文房具屋で、ずっと気になっていたトラベラーズノートに手を出した。マトカの手帳をマンスリーだけのシンプルなものにしたので、日記帳が欲しくなったのだ。大き過ぎず、1日1ページ、ちょっとしたメモができそうなパスポートサイズを購入した。紙質は好みよりちょっと固め。もう少し雑な紙でもいいのだが…(笑)でもカバーが素敵なのだ。シンプルでゴツくない。なんというか、切りっぱなしのワイルド感がいかにも、実用的な文房具という感じでとても気に入った。使っていくうちに革が馴染んでいくのだろうと想像する楽しみもある。

ツバキ文具店のこと

文房具のことを語りめると小川糸の「ツバキ文具店」を思い出す。
その手紙にぴったりの紙、筆記用具を選び、そこに言葉を紡いでいく。最後に、宛名を書いて、最後に切手も選ぶ。あの一つ一つの描写が大好きだ。
もちろんストーリーにもほっこりするけれど、私が一番好きなのは、手紙を書くシーンだ。紙の手触りやインクの感じ、綴られた文字の感じ、そして、受け取った人が開けるまでの気持ち…想像が膨らんでしまうのだ。

昔はよく手紙を書いていた。特に小学校のときに転校したので転校前の友達とは頻繁に文通をしていた。使うレターセットやシールを選ぶ楽しみ。もらったレターセットが可愛いと大事に取っていたりした。時間とともに、互いに忙しくなり、文通は途絶えてしまったが、今はメールの時代。今だったらあのような楽しみ方はできなかったかもしれない。紙ならではの楽しみが無くなっているのはなんだが寂しい。

ツバキ文具店のような文房具屋さんが近くにあったらいいなと思う。鳩子さんと手紙に使う素敵な紙や大事に使ってきた筆記具のことなど、おしゃべりしてみたい。

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