110冊目:変身/フランツ・カフカ

こんばんは、Umenogummiです。

今日は不条理文学の名作です。


変身/フランツ・カフカ 作


物語は販売員のグレゴールが朝目覚めると巨大な毒虫(おそらく背中が固い甲で覆われたカブトムシのような虫)になっていたところから始まります。
そんな姿になっているにもかかわらず、グレゴールは仕事への不満を漏らしつつも、家族を養うために仕事へ行かなくてはと考えます。

やがて職場の支配人がやってきて、何も知らない両親とともにグレーゴールが部屋から出てくるよう、部屋の外から話しかけます。
しかし、やっとのことで部屋から這い出したグレゴールを見るなり、支配人は逃げ、母親は泣きだし、父親は恐怖に震えながら支配人の置いていったステッキでグレゴールを部屋へと押し戻すのでした。

始めこそ、嫌々ながら妹が部屋の掃除や食事の用意をしてくれるのですが、徐々に家族たちからも疎まれ、グレゴールは衰弱していきます。


ただただ悲しい。家族のために唯一の働き手として、またヴァイオリンの才能のある妹のために彼女を音楽大学へやろうと、嫌々ながら一生懸命働いてきたグレゴールの、あまりに孤独で悲惨な最期に悲しみしか感じられません。グレゴールの世話から解放された家族は、未来に向かって歩き始めます。


ですが、これは現代の高齢化社会にも言えることなのではないかなと思います。介護が必要になると、段々と疲れやストレスからホームに入れるのは良い方でしょう。虐待をしたり、殺してしまったりもあります。まさしく、グレゴールが置かれている状況と似通っています。(グレゴールはその姿かたちから姿を見ることも畏怖されてしまいますが)

家族と同じ立場になったら?
もしくは、グレゴールのようにある日突然虫になってしまったら?

さまざまな想いが交錯し、どうすればお互いのためによかったのか、思いを巡らせますが、やはり私も家族の立場なら恐怖で何もできないなと思いますね。


ちなみに私は、グレゴールの姿をカブトムシのようなものと想像しながら、どうしても巨大なGを思い浮かべてしまって、それは怖いよなと思いました。
(某知能を持ったGと戦うマンガも怖くてあまり見れないです。。。)


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