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168冊目:アルキメデスのお風呂/ニコ・ニコルソン

こんばんは、Umenogummiです。


今日は物理のお勉強もできる上に唐揚げが食べたくなっちゃうこちらのマンガです。




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アルキメデスのお風呂/ニコ・ニコルソン 作


弁当屋で働き、毎日唐揚げを揚げている原陽子は、同棲していた恋人に浮気され、そのショックから立ち直れないまま弁当屋でボヤ騒ぎを起こしてしまいます。
誰にも必要とされていないと感じ、電車に飛び込もうとする陽子を救ったのは、金髪の王子さまのような男性でした。男性は電車での遅延行為が迷惑だからと言いますが、陽子は我に返って思いのたけをぶちまけます。男性は電車に乗って去る直前、

「あなたに見えている世界が全てじゃない」

と言い残します。


このことと、弁当屋が閉店することをきっかけに、陽子は気持ちを新たに一歩を踏み出します。恋人と別れ家を出た陽子は、茨城県東海村にあるアルキメデス陽子加速器センター(A-PARC ※監修ののJ-PARCセンターがモデル)の食堂の調理スタッフ求人に応募、即戦力として採用されます。

そこで唐揚げ定食を提供し、なじみの弁当屋がつぶれ、理想の唐揚げを追い求めていた素粒子物理学の研究員・大池学から「あなたが必要です」と告白されます。それは、失意のどん底にいた陽子を救ったあの王子でした。陽子はやはりこの人が運命の王子様と感じますが、突飛な行動から周囲の人々から彼はキテレツ王子とよばれていました。食堂担当の職員・小柴(コッシー)からはこの男だけはやめるようにと忠告を受けますが、陽子はすぐに王子に夢中になります。


王子に翻弄されながら、コッシーをはじめとする研究所の面々、友人の強子の支えもあり、食堂の仕事に情熱を傾けていく陽子。


唐揚げが繋ぐ不思議な恋の行方は?
夜中に読んじゃうと唐揚げが食べたくて食べたくて震えちゃって大変です。もう明日のお昼は唐揚げにしたい。そのくらい唐揚げが出てきます。しかも物理学の観点から王子がおいしい唐揚げについて解説してくれるもんだから、よけい食べたい欲求が増してしまいます。

りかとかぶつり、更には数学という、理数系には高校1年生でおさらば(高2から好きな授業を組み合わせて選択できたる大学のような高校だった)したガチ文系なので、ニュートリノとか素粒子とか???なのですが、マンガ内で物理学入門者の陽子にコッシーや王子が解説してくれたり、幕間に金髪の物理学者・多田将先生の物理学に関する質問コーナーがあったりと、入門者にも物理学に興味が持てるような構成になっています。


とはいえ理数系のお勉強からはなれて〇十年のワタクシには、まだまだ勉強が必要です。でも唐揚げは食べたい…!


そんな知的好奇心と食欲、両方をくすぐられる稀有な作品です。



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