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329冊目:ランウェイで笑って/猪ノ谷言葉

こんばんは、Umenogummiです。


今日は夢を見るすべての人に読んでほしい作品です。



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ランウェイで笑って/猪ノ谷言葉 作



あらすじ


モデル事務所を経営する父を持つ藤戸千雪は、幼いころからパリコレに出演するようなトップモデルになることを夢見ていました。小学4年生の千雪は158cmという恵まれた体型を持ち、誰もが彼女が将来有望だと思っていましたが、それ以降彼女の身長が伸びることはありませんでした。


所属していた父の事務所・ミルネージュは2年前にクビになりましたが、高校生3年生になった千雪は夢を諦めずにいました。ある日、千雪は日直として進路希望票を集めることになります。進路票を書き直したいと言いながらも放課後まで持ってこないクラスメイト・都村育人を探しに、千雪は彼の所属する手芸部まで赴きます。

そこで千雪は育人がデザイナーになることを夢見ながらも、3人の妹を進学させてあげたいといいう理由から技術を学ぶために必要な進学を諦めていることを知ります。千雪は育人が自分と似た境遇―目指したいものがありながらも生まれ持った環境がそれを許さない―を持っていると感じます。


千雪は自分の要らなくなった服を育人に譲り、自分が一番魅力的に見える服を作ってもらいます。そしてその服を着てミルネージュのオーディションを受け、審査をする元パリコレモデル・に一瞬パリの世界を見せることに成功します。

千雪は再びミルネージュに所属することになり、さらにオーディション前に撮ったファッションスナップがSNSで拡散され、育人の作った服も注目されます。



感想


1話のラストに記されているこの言葉が、この作品のすべてを物語っています。


これはわたし藤戸千雪がトップモデルになるまでの物語
そして
都村育人がトップデザイナーに至るまでの物語


以降、千雪と育人は二人三脚でモデルとデザイナーの道を歩んでいくことになります。
育人がダメになりそうなときは千雪が励まし、千雪が苦しんでいるときは育人が手を差し出し…という唯一無二のパートナーになっていきます。

ファッション業界、モデル業界は大変厳しいところで、そういう業界が描かれるシーンはピリピリした感じがします。それでも二人が絡むだけでなんだかやさしい雰囲気になって、純粋な気持ちで二人を応援したくなります。


夢は叶わないのか、否、そうではないと希望を持たせてくれる素敵な作品です。

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