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5Gとか関係なくなっちゃってN高の凄さに戦慄く。

 先日、「5G×教育テック:5Gで羽ばたく次世代教育サービス」(NTTドコモ)というイベントに参加したのでレポートします。

 5Gイノベーションの話なのですが教育と絡めてということだったので「日本お笑い数学協会」の数学ファシリテーターとしても興味津々丸で行ってきました。本来ならいろいろの事例をレポートしたいのですが(各登壇者さんの話も激おもドキドキ丸だったのですけど)N高の話が面白過ぎて、多分このnoteはN高さんの噺だけで終わります…。

 と言う訳でN高の取り組みですが「学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校 副校長」上木原さんがお話してくれました。

 まずは、生徒数の推移を見てください。

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 3年で6.8倍。通信制高校の入学事情に詳しくないのですが、単純に毎年同じ人数が入学してたら3倍ですよねぇ。グラフ見ても4年目での入学者が初年度の約2倍ってこと?で、開口一番上木原さんがおっしゃったことで印象的だったのが、

通信制高校を目指したのではなく通信制の仕組みで未来の学校を目指しています。

次に説明があったのが下図の「コミュニケーション」と言う部分です。

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Slackとニコ超って完全にテン年代末期、現在のエンジニアと同じ環境ですよね。部誌と学祭のNバージョンってことなんですネ、つーか、世界観がデカ過ぎ。じっさい、上木原さんも

「コミュニケーション」いわゆる「青春」です。
青春を設計してます。

「青春を設計」ってモテナ星人のワタクシの人生ではほぼ妄想ですよ。ジュブナイルですよ。
ラノベですよ。
しかしながらこのslackにも意味があって完全なビジネスツールなので

slackの導入には2つの意味があります。一つは社会に出たときに役に立つということ、もう一つは会社組織でも使えるほどの管理機能が充実ということです。

とのことでした。

 では、授業はどうなのかと言うと、まず、高卒資格を得るための基本的な授業に関しての説明がありました。

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 「生放送」と「プロフェッショナル」とがこだわりのようでした。気になった仕掛けを2つ。

【挙手ボタン】
 意見や質問を言いたい生徒がボタン押下で「挙手」となるのは分るのですが、連打すると指名されやすくなるのです。(←面白すぎる)この辺り、ニコ生の知見なのでしょうか?

【ビリーズネットキャンプ】
 生徒の運動不足解消を検討した結果「ビリーズブートキャンプ」のネット版を作ってしまったのです。

 基本的な授業でこの内容なのに「ADVANCED PROGRAM」なんてのがあるのです。

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 上記の「職業体験」は生徒が現場で民泊をさせてもらい、いろいろの職業を実際に体験できるものなのですが、またまたN高らしいエピソードを頂きました。

 通信制ということでいろいろな個性の生徒がいるそうで。そのひとりとして"朝、起きることができない"という障害を持つ子がいたのです。その子が「山口県でのイカ釣り職業体験に行きたい!」って言ったのです。いざ参加すると、早朝というか深夜、しかも船上での作業となる訳で、他の参加者がみんな弱って行く中、彼が大活躍だったそうです。

 「個性を大事に」と漠然と歌う学校や先生は多いと思うのですが、具体的な「個性の活かし処」を提示する学校って凄くないですか?

 ここでN高故のネット利用のお話も伺いました。

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 前述のように、コミュニケーションツールがSlackなのですが、全体としては時間の経過とともに、利用が減少するそうです。それは仲良くなると、LINEやtwitterでつながるのだとか。その辺りは今風だと感じました。

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 部活もネット部活となるのですが、美術部が309人で、「日本で一番大きな美術部」と言えるのではないかと。余談ですがadobeCC無償で全校生徒に与えられている訳ですからその活動も気になります。

 コミュニケーションツールがslackであったり、講師陣が専門家(教育の専門と言うよりも実践の専門)であったりと「本物指向」なのは分ったのですが文化祭も凄いのですよね。

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 学校の文化祭がニコ超ってホンモノにも限度があるだろ!と。そこそこ、トップクラスのフェスじゃないですか?まさに「青春を設計してます」を体現していいますよね。以下のデータもその証左では?

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 この「文化祭@ニコ超」も大きなプロジェクトですが、そもそも在校生の授業の中身がプロジェクトだったちするのですが、日々の授業でもPBL型の授業( Problem Based Learning、問題にもとづく学習)が用意されてるのです。PBLの▽はなs同日プレゼンのあった金沢工業大学さんの資料に詳しいです。

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 この「プロジェクトN」に関しても毎月コンペがあるそうです。でもって、ちゃんと企画力を学ぶ授業もあるのですよ。(SCRAPさんと学ぶってどんだけホンモノ指向なのよ。)

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 学習やプロジェクトに関しての併走もすごく充実していて以下の内容なんですよ。

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 "1.学習に対するモチベーションの維持"に関しては

レポートの進捗において、提出されなくなってからの連絡ではダメですね。蓄積されたデータから5、6月が勝負だと考えます。まず、とりかかりに褒めることが大事です。

とのこと。(筆者で意訳です)

 "2.生徒間のトラブル"に関してですが、仲良くなる弊害としてやっぱケンカはあるようです。ネットのケンカ、いわゆる炎上でしょうか。しかしながらその対応も凄い。前述しましたが、ドワンゴ社のカスタマーセンターが参加(出向)して対応してるんですよね。プロの火消し屋集団ですもんね。

 "3.将来の進路をきちんと描けるか"において、N高の卒業生には"この大学のこの学部のこの先生の学びを受けたい"という意志を育みたいとのこと。実際、会場にいた現役の生徒さんのお話を聞くと達成されている感じがありました。(因みに超有名高校からの転校で、基本的に海外の大学を目指していたような←淡念)

 余談ですがN高の本気を感じた部分に以下もあります。

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 保護者通信が「紙」なんですよ。結局、保護者世代はまだまだ「紙」なんだとか。紙が求められるなら紙にする覚悟が学校側にあるのは凄いなぁと←瑣末な話ですがね。

 保護者目線のデータですが進路に関しての詳細も公開されてました。

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進学でも就学でもいいのですが「未定者」が従来「通信制」に比較して圧倒的に少ないのです。

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 最後に一番驚いたのが、あまりにN高が楽しいようで生徒から出て来た声が

N高に通学したい!

だそうです。もはや、意味のイノベーション、通信制高校の再定義!今、通える「N高」が全国に増えているのです。その上、N中等部も!!

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