NFTはクリエイターの追い風なのか

GMOの子会社が展開している国内NFTマーケット「ADAM by GMO」の現在(2022年3月31日)のNFT売上1位は坂本龍一さんだ。

坂本龍一さんはコレクションアイテムとして、主に戦場のメリークリスマスのテーマ曲である「Merry Christmas Mr. Lawrence」の全595種のメロディの「音」を出品することで収益を得ています。

一つの曲を595分割にして売るというのが価値があるのかないのかよく分からない、というのが私の率直な意見だ。

NFTと聞いてこういったニッチなよく分からない商品を想像するあなたはまともだ。

だが我々に待ち受けている未来に備えて、現在すでに流通しているもう少し一般向けのNFTアイテムを見てみよう。

中目黒の自社ビルでお馴染みの「LDH JAPAN」が「EXILE NUDE」という名義でメンバーの写真をNFTデジタルデータとして「ADAM by GMO」で売っている。
出品はオークション形式で、ある1枚の写真データは現在(2022年3月31日)で価格は5100円。入札数は22名だ。

LDHファンでない私でさえ「かっこいいなー」と感じる良い写真だ。それが唯一無二のグッズであるなら、ファンからしてはまったく妥当な値段だろう。

他にもWBA世界バンタム級現王者の井上尚弥選手の輝かしい試合映像をNFTにした映像作品がオークション開始価格30万から出品されていた。

これも多くの格闘技ファンは、投資の対象としてではなく、ファングッズとして欲しがるだろう。

このように、NFTは「投資の対象物」つまり「デジタルアート資産」としての扱いから、「自分のファン度を高めるためのレアグッズ」という扱いにすでにステージが変わっている。

NFT=「オタ活」や「推し活」の一種という考え方は、今後のクリエイターの収入源として大きな可能性を秘めている。

そしてクリエイターにとって、今春さらなる追い風が吹くことになる。

2022年4月より「LINE」が日本円でやりとりができるNFT総合マーケットプレイス「LINE NFT」をサービス開始する。

海外のNFTマーケットプレイスは多くが「イーサ(ETH)」と呼ばれる暗号資産(仮想通貨)で取引が行われているのに対し、2022年はLINE PAYやGoogle PAYなどを用いて「日本円」でNFTを購入する時代に突入する。

すでに「ADAM by GMO」も銀行振込やクレカなどの取り扱いを始めているが、「LINE NFT」はLINEアカウントをすでに持っているすべてのユーザーにNFTと関わりを持たせる機会を提供することになる。

NFT創世記である2020年〜2021年は、NFTアイテムのほとんどが、デジタルアートやトレーディングカードだったのに対し、NFT黎明期となる2022年は写真データ、動画コンテンツ、文書データなどの取り扱いも増えていくことだろう。

それにともなって、一般人に抵抗の少ない商品も多くなることが予想される。

例えば、グラビアアイドルの特別記念デジタル写真集を30種類限定でNFTマーケットプレイス上で販売したり、

有名漫画家のサイン付きオリジナルイラストを限定3枚でNFTマーケットプレイスに出品したり、

アーティストのライブ配信チケットをNFTとして販売したりと、その可能性は無限大である。

コロナウイルスやストリーミングサービスによって収入に大打撃を受け、アーティスト活動が困難になった多くのクリエイターたちよ。

あきらめるのはまだ早い。

NFTを始めよ。


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