「ブロックチェーンって何?」と聞かれたら【WEB3.0】

本記事を読めば、職場や家庭で「ブロックチェーンって何?」と聞かれても、堂々とあなたの言葉で説明できるようになるだろう。

前置きとして、2つの機関が発表しているブロックチェーンの説明をみてみよう。

一般社団法人 日本ブロックチェーン協会によると、「ブロックチェーンの定義」とは以下の2点のようだ。

1)「ビザンチン障害を含む不特定多数のノードを用い、時間の経過とともにその時点の合意が覆る確率が0へ収束するプロトコル、またはその実装をブロックチェーンと呼ぶ。」

2)「電子署名とハッシュポインタを使用し改竄検出が容易なデータ構造を持ち、且つ、当該データをネットワーク上に分散する多数のノードに保持させることで、高可用性及びデータ同一性等を実現する技術を広義のブロックチェーンと呼ぶ。」

要約すると、「エンジニアでもない君には理解できないし、する必要もないよ。」と書いてある。

一方総務省が発表した平成30年版の情報通信白書に記載されている「ブロックチェーン技術」についての概要は以下の文だ。

「ブロックチェーン技術とは情報通信ネットワーク上にある端末同士を直接接続して、取引記録を暗号技術を用いて分散的に処理・記録するデータベースの一種であり、「ビットコイン」等の仮想通貨に用いられている基盤技術である。」

長い文章だが、「分散的に」という部分が重要だ。

ここからは、私が「ブロックチェーンとは具体的に何か?」を難しい日本語を使わず、非エンジニア向けに解説する。

結論

ブロックチェーンとは「改ざんがすぐバレる技術」のことだ。

ブロックとは「電子取引記録」
チェーンは「鎖」

つまりブロックチェーンとは「電子取引記録の履歴が1本の鎖状になっていること」を指す。

そして「ノード」という言葉が上述された。

ノード(node)とは通信ネットワークにおける「点」。つまり、インターネットに接続されている「機器」一つ一つのことを指す。

あなたのデバイスがインターネットに接続されると「あなたのデバイス」はWEB上の「一つのノード」となる。

ブロックチェーンとは、「多数のノードにデータを保持させることによって、一つのノードに障害が発生しても全体で問題なく動作させることができる技術」のことのだ。

これを「分散型ネットワーク(De-centralized network)」とか「WEB 3.0(ウェブ・スリー)」と言う。

ちなみに「WEB1.0」は一方向にしか情報を伝達しないWEB、「WEB2.0」はテキストや画像・動画を通じて双方向に情報伝達が可能となったWEBのことを指す。

WEB1.0の例)ホームページ検索エンジン
主に1990年代~2000年代初頭のインターネットを指す言葉でもある。(WEB2.0が登場した時にそれ以前のWEBを指す言葉として使われ始めた。)

WEB2.0の例)ブログSNS(Twitter, Facebook, Instagram, Youtube)
2000年代中期から現代にかける「誰でも双方向に情報発信できる時代」としてのインターネット環境を指す。

現在のインターネットの主流は言うまでもなく「WEB2.0」だ。

しかしWEB2.0時代には大きな欠点があった。

それは、中央集権型によるセキュリティ問題だ。

「GAFAM(Google Amazon Facebook Apple Microsoft)」にはユーザーの氏名、住所、銀行口座、インターネットの利用履歴などの膨大な個人データが保管されている。

そのため、GAFAMのサーバーを攻撃することによってデータを流出させたり、盗用・改ざんされる可能性がある。

この問題を解決したのが「分散型ネットワーク(WEB3.0)」だ。

ブロックチェーン技術が実現させた分散型ネットワークによって、特定の大企業に膨大な個人データが集中することが避けられ、また誰でも相互的に閲覧したり検証することができるためデータの透明性セキュリティが向上するのだ。

日本も昔は「中央集権国家」であった。

奈良時代には、天皇を中心として奈良の都に権力が集中し、そこから全国に律令(りつりょう)という法律が制定され、税というシステムが構築された。
明治時代は、政府が東京に置かれ、中央省庁から地方に命令が届くことによって全国を統治するシステムだ。

現代は、「地方分権」という地方の自治体にもある程度の権力を与えて「国全体で権力を分散させるシステム」となった。

つまりWEB3.0とは、「各都道府県が決められた範囲をそれぞれ統治することによって権力や責任、透明性を保つためにできた地方分権」的システムであり、これを実現させた技術が「ブロックチェーン技術」なのだ。

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