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食べるってなんだろう vol.3

食べたいものが食べられなくなったストレス

本を読めば読むほど、「何を食べればいいの?」という疑問がわいてくる毎日。それでも実践あるのみということで、圧力鍋で玄米ご飯を炊いたり、お肉の代わりに大豆ミートや車麩を使って唐揚げを作ったり。こうして私のマクロビオティック生活は始まったのでした。

新しい食生活にわくわくする一方で、我が食べ物史の登場食物たちとお別れを告げなければならない辛さ。あれも食べられない、これも食べられないと恨みがましく嘆き、そうかと思うと突然思考を止めてピーナッツパンを頬張ったりして。今思うと辛い時期でしたね。

幼稚園のお給食

そんな私の心の光は、娘が通う幼稚園のお給食でした。
保育参観の日には、親も子供たちが毎日食べる給食を食べられるのですが、これがもう最高においしかった。私がこの園への入園を決めたのは、9割方この給食のすばらしさに感動したからというのが理由です。

みそ汁は丁寧に出汁からとって、具材の味がしっかり生きた「命のスープ」と呼びたくなる一品。
おかずは旬の野菜やお魚を使い、調味料は伝統製法のものしか使っていませんでした。もちろんお肉や卵も使っていたけれど、それぞれの素材を大切に生かす料理方法とシンプルな味付けは、食べた瞬間から身体の芯に穏やかなエネルギーが満ち満ちていくような感覚を覚えました。

ストイックなマクロビオティックの追求を目指す自分と、好きなものを食べたいと思う欲求に負ける自分の両立、両方とも自分なんだと認めることができたのは、この園の給食のおかげです。
マクロビオティックに通じる考え方ををベースに作られた丁寧な給食。こんなお料理が作れるようになりたい!と、栄養士さんに憧れと尊敬の念を、長男の卒園までの6年間、抱き続けたのでした。