食べるってなんだろう vol.1
私が食について考えはじめたきっかけ
この春に小学6年生になった長女。さかのぼること10年ほど、娘が2才になったばかりの春先でした。朝から目を痒がる娘の様子を見て、生後間もない長男を連れ眼科を受診しました。
「もしかしたら花粉症になりかけているかもしれません。」
眼科医の言葉を聞いた時のショックは今でも覚えています。たった2歳で花粉症にしてしまった、と自分を責め、落ち込みました。
ちなみに夫は若いころからひどい花粉症。しかし症状を抑えるために薬を服用すると頭痛がするそうで、シーズン到来となると鼻水やくしゃみなどの様々な辛い症状と闘っていました。それを見ていた私は、娘には同じ思いをさせたくない一心でアレルギー症状やその原因について手当たり次第に調べ始めました。
アレルギー症状の改善に関しては医学的な方法以外に数々のアプローチがありましたが、中でも私の心を大きく動かしたのがマクロビオティックの考え方でした。
久司道夫氏の書籍を初めて読んだときの衝撃たるや。今まで私が食べてきたもの、私の食の履歴が否定された感覚。とはいえ不快とか悲しみはありませんでした。マクロビオティックと出会い、私は初めて、人は何をどのように食べるべきかを考えました。
そして、世の中にはいろんなものさしがあり、食もその例外ではないことに、小学校家庭科レベルでしか食を考えてこなかった私は改めて気付いたのでした。
マクロビオティックを学ぶ
マクロビオティックでは、物事や事象の理解、食材や調味料、調理方法の選択など、あらゆる判断基準に陰陽を応用します。
陰陽とはかなり相対的な基準なので、唯一の正解はありません。その時その場その人に合った判断が大切でした。決して玄米菜食という安易なまとめ方はできません。
私の師はオーガニックベースの奥津典子さん。マクロビオティックとは何かという根源的な部分を、いつも大切に、問いの中心に置き続けてくれました。そのおかげで陰陽を単なる方法論として身につけるのではなく、本質的なマクロビオティックの考え方を学ぶことができました。
3年ほどじっくりとマクロビオティックを学び、同時に実生活に落とし込んでいきました。簡単に言うと、まず自分の作る料理が変わる、それを食べる自分や家族の体調や体質が変わる、おもしろくなってますます実践モードに入る、という感じでした。
次章では、日常生活の中でどのようにマクロビオティックの実践を続けたのか、失敗や悩みも含めて詳しくお話ししたいと思います。