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米株決算の「アナリスト予想と実績の高いGap率」銘柄17社のその決算後の株価推移

1新高値投資マガジン読者向けに共有しているスプレッドシートでは、米国ハイテク株主要銘柄については時系列で決算数字やその前後の株価をトラッキングするデータも更新しています。下記のような例。

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前回あたりから注意深くトラッキングするようにした指標に「アナリスト予想と実績のGap」があります。

米国株の場合は日本株と異なり、特に主要銘柄はカバーしているアナリストの数も多いので「アナリストコンセンサス」が多少の意味をなします。GAFAMクラスだと30-40人程度のアナリストがカバー。

一方日本は特に私が主戦場とするマザーズ小型グロースはアナリストカバーが1,2人とかもザラにあるので、日本のアナリスト予想は大型株にしか機能しないと思っています。

バイネームで挙げてしまうと、岩井コスモ証券とかがマザーズ小型グロース株のレーティングをたまに出しますが、あまりの適当さに参考になりません。無視した方が良いレベルの適当さと言えます。

米国では機能していますので、決算を読み解く際に「会社予想やアナリストコンセンサスを上回った」だけではなく、「どれくらい上回ったか」を把握することで、決算を「サプライズ好決算」「ただの好決算」「悪い決算」の3つに分類することができます。

サプライズ好決算の場合、翌日から大きく株価が上がる可能性があり、ただの好決算の場合は事前の期待値が高すぎたこともあり、売られてしまう場合もあります。

サプライズ好決算の場合は、アナリストも予見できなかったビッグチェンジが潜んでいる場合があるので、注意深く見る必要があります。

ちなみに、米株決算は主に売上とEPSが指標となりますが、EPSは売上と比べて操作できたり、BTC売却益のような本業以外の収益も乗ってくるケースがあるので、私は売上Gapを中心にモニタリングします。EPSも大型株の場合は見ますが、小型株の場合は赤字なので、売上の方が重要と見ます。

2020年5月2日現在はちょうど米株の主に1Qの決算発表シーズンです。

そこで、過去1年の米国ハイテク株について、Gap率が大きい銘柄のその決算後の株価推移について具体的事例を挙げて検証していきます。

これにより、Gap率が高い銘柄の優位性が示せれば良いのですが、2020年後半は金融緩和ブーストがあるため、2021年のマーケットにそのまま適用できるかと言われると、必ずしもそうではない点が残念ですが、一つの参考にはなるはず。

「売上Gap率10%以上」を高いGap率であるサプライズ決算と定義し、その決算と銘柄のその後の株価推移をチャートを用いて解説します。

モニタリング対象銘柄数は48社です。

▶︎1.主要セクター:3社

ここに入る銘柄はGAFAMとTSLA,NVDA,NFLX,CRM,ADBEの10社です。

1-1.AAPL20Q3(2020/7/30)

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売上予想:52.6B
売上実績:59.7B
Gap率:11.9%
決算翌日終値株価:106.3
現在株価:131.46(+23.7%)

2020年4-6月の決算でしたが、コロナでみんな苦しむ中、AAPLは大して苦しんでおらず、売上成長率も10.9%と前年同期の1%を大幅に上回る。株式分割も発表され、チャートを7/31に合わせてますが、決算翌日に窓を開けて+10.5%の上昇。AAPLレベルで1日+10%ってすごいw 

その後苦戦もしますが、このサプライズ決算の前の株価水準には今のところ一度戻ってきていません。9月に一度下げてくらい。

GAFAMでGap率10%以上の決算は実はAAPLの20Q3のみ。今回決算ではAAPL21Q2が14.2%とFB21Q1が9.9%でした。

MSFTは最大で6.7%、AMZNは8.1%、GOOGは7.1%でした。

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