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暇になると、アートにハマり出す

この記事は2020年夏?発売予定の書籍「暇の研究マガジン」から7本目の記事です。

前回に引き続き、今回も「自分探し」の話。アートにフォーカスを当てる。

3-3.アートからアイディアのヒントを得る


自分探し活動として、フィジカルトレーニングとしてのパーソナルトレーニング、メンタルトレーニングとしてのコーチングを紹介してきた。

ここ数年、日本でも特にアッパー層を中心に、アートへの関心が高まっていると感じる。中でも、経営者やビジネスマンへ訴求する書籍が増えてきており、僕自身も何冊かその手の本を読んだ。

まずは僕がアートに関心を持った背景を紹介したい。

2017年に先述したアークヒルズ仙石山に引っ越した際に、アルフレックスのインテリアコーディネーターから「部屋が広いので壁に何か飾らないと殺風景だ」と言われて、少し大きめのニューヨークのマンハッタンのモノクロ写真を買った。

なぜこれを買ったかというと、なんとなくの直感だった。僕はあまり海外には行かないのだが、大学時代に二度行ったことがあるニューヨークが好きというのが深層心理にあったのだと思う。モノクロの写真でシックなので、部屋の雰囲気にもマッチすると考えた。

2017年当時はその程度の関心で、特に深掘りすることもなかった。

2018年に今の部屋に引っ越した際に、やはり壁に何か欲しいなということで、またアルフレックスのインテリアコーディネーターから提案されたものの中から、この海波という作品を選んだ。

今の部屋は、窓から緑がよく見えるため、部屋に観葉植物を置かずとも、借景できる。本書はモノクロなので色がわかりにくいだろうが、緑や青、黄色が中心の絵だ。

その借景の中で、緑を中心としたこの絵がマッチするだろうということで、選択した。

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作品名:海波 作家:ミロコマチコ

ニューヨークのモノクロ写真も、海波も、あくまでインテリアの中で部屋の中にマッチするという文脈で選んでいた。この時点では僕は、アートはあくまでインテリアの一環という位置付けで捉えていた。

そして2019年、何がきっかけだったかはあまり覚えていないのだが、アートに本格的に関心を持つ年となった。

おそらくは、知人たちが「アートバーゼルに行ってアートを買っているらしい」と聞いて「なんとなくカッコイイな」と思った程度のことだと思う。

さすがに初心者な手前、アートバーゼルは敷居が高いと感じ、3月のアートフェア東京を巡り、そこで気になったアーティストが所属するギャラリーを後日訪ねた。銀座にある「ギャラリーためなが」だ。

アートフェアで気になった、吉川民人氏のいくつかの作品の中から「冬の朝」という作品を選んだ。

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作品名:冬の朝 作家:吉川民人

シンプルだが、色味が綺麗な作品が僕は好きだ。

他にも様々な色合いの作品がある中で、なぜこれにしたかというと「冬の朝」というタイトルから、1年の中で寒い日を思い浮かべ、冬の朝の寒さにも耐えることが大事だ。という気持ちにさせてくれる。

具体的に仕事に解釈し直すと、株式取引で株価が不調な時でも「冬の朝だ」と捉えて、これから浮上するしかないから、この絵を見て心を落ち着かせよう。

自分の気持ちが辛い時に、心を落ち着かせ、平穏な気分にさせてくれる作品なのではないか。そういった精神的アプローチから選択した作品だった。

「冬の朝」ではあるものの、涼しげな色合いから、夏は涼しい気分にさせてくれそうだとも感じた。

部屋にもマッチするので、インテリアとしても成立するのだが、一応初めて「インテリアではないアート」を購入した。

この作品は2019年4月に購入したが、2019年の春はひたすらアート関係の書籍を読み漁ったり、美術館やギャラリーへ足を運び、ゼロからアート関係のことを学んだ時期だった。

2020年時点でもまだまだ初心者ではあるが、アートに対する考え方をいくつか整理することはできた。

順序として正しいかはわからないが、アートには「着想や思考」「教養」「資産」の3つの価値があると僕は考えている。

着想や思考のきっかけとしてのアート


起業家の中にはもともとアートを愛する人も少なくない。起業してから、アートを好きになったという人も多々いる。

起業家とアーティストは、ゼロから物事を作ることが多いという点で共通している。

起業家はなぜアートが好きなのか。アートを通して、様々なモノの見方を学んでいるのだと思う。その絵を通して、何が見えるのか。

このアーティストは、なぜこのアートを制作したのか?という思考プロセスに想像を巡らせる人もいれば、そのアート自体から何かインスピレーションを感じ取る場合もある。

コーチングが自己の内面との対話を通した自己理解を促進するものとすると、アートは外界から刺激を受け、自分の中にある様々なモノと化学反応を起こす。

スティーブジョブズでいう「Connecting dots」的な感覚で、「何かと何かが繋がって、新たな発想が生まれる」ことが少なくないのではないか。

外界からの刺激を起点に、自己理解が促進するというのが、アートの持つ魅力の一つだと僕は考えている。

実際に僕も暇でどうしようもない時に、様々な展示会を回って「何か新しいビジネスのヒントになるモノはないか」という視点でのインプットを試みていた時期がある。

人によってアート鑑賞の仕方は様々だと思うが、僕の場合はまず何の先入観もなく「面白そうだな」と感じた展示を見にいく。

全部の作品を一生懸命見ようとはせず、なんとなく気にいった作品を長めに見るようにする。

正直、一つの展示にかけれる時間は1時間半くらいだと思う。2時間くらいゆっくり見ていると、足や腰が痛くなってくるし、飽きてくる。笑。

見終わったらパンフレットをきちんと持ち帰り、ファイリングしておく。

2019年の秋とかだと例えば森美術館でのバスキア展などは反響が大きく、雑誌のPENでバスキア特集があった。見に行った展示に関する雑誌とか記事、ウェブサイト、インスタグラムを後から見て、理解を深める。

ここまではできていないが、できればその展示会について、自分がどう思ったのか。好きか嫌いか。印象に残った作品は何か。なぜそう思ったのか。そこから今後転用できるモチーフはないのか。とかをまとめてアウトプットできると良い。

本当は記事とかにして公開する習慣を付けたほうが良いのだろう。よし、今度からやってみよう。

正直にいうと、アートに関しての感想を発信することはけっこう怖いことだと思う。

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