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上方漫才参考文献その2:1980年代以降

上方漫才関連の参考文献、その2です。だいたい1980年代以降のものを挙げてみます。あくまでもざっとなので、抜けているものも多いです。
 

『遺書』、松本人志、朝日新聞社、1994
『上岡龍太郎かく語りき 私の上方芸能史』、上岡龍太郎、ちくま文庫、1997
『松本人志ショー』、阿部嘉昭、河出書房新社、1999
『上方放送お笑い史』、読売新聞大阪本社文化部(編)、読売新聞社、1999
『米朝・上岡が語る昭和上方漫才』、桂米朝/上岡龍太郎、朝日新聞社、2000
『天才伝説横山やすし』、小林信彦、文春文庫、2001
『決定版 私説コメディアン史』、澤田隆治、ちくま文庫、2003
『大阪の文化と笑い』、井上宏、関西大学出版部、2003
『いとしこいし 漫才の世界』、喜味こいし・戸田学編、岩波書店、2004
『決定版 上方芸能列伝』、澤田隆治、ちくま文庫、2007
『いとしこいし想い出がたり』、喜味こいし、戸田学(聞き手)、岩波書店、2008
『上方演芸大全』、大阪府立上方演芸資料館 (編集) 、創元社、2008
『自己プロデュース力』、島田紳助、ヨシモトブックス、2009
『上方芸人 自分史秘録』、古川綾子、日本経済新聞出版、2011
『上岡龍太郎 話芸一代』、戸田学、青土社、2013
『笑う奴ほどよく眠る 吉本興業社長・大崎洋物語』、常松裕明、幻冬舎、2013
『上方漫才黄金時代』、戸田学、岩波書店、2016
『森卓也のコラム・クロニクル1979-2009』、森卓也著、和田尚久編、トランスビュー、2016
『昭和芸人 七人の最期』、笹山敬輔、文春文庫、2016
『新版 女興行師 吉本せい』、矢野誠一、ちくま文庫、2017
『吉本興業百五年史』、ワニブックス、2017
『話芸の達人 ―西条凡児・浜村淳・上岡龍太郎』、戸田学、青土社、2018
『すべてはタモリ、たけし、さんまから始まった』、太田省一、ちくま新書、2021


ざっくりこんなものでしょうか。おすすめは、『松本人志ショー』、『上方放送お笑い史』、『米朝・上岡が語る昭和上方漫才』、『天才伝説横山やすし』の4冊を挙げておきます。

『松本人志ショー』は、松本人志に関する唯一の本格的な論考です。私自身は、この作品のアップデートができればと考えています。『上方放送お笑い史』と『米朝・上岡が語る昭和上方漫才』は、上方漫才の歴史を知る上で役に立ちます。従来の書籍よりも、上方漫才に対して批判的な視線が含まれているように思います。『天才伝説横山やすし』は、あの漫才師の影の部分を見ているようで、なんとも言えない読後感があります。

また、強調しておきたいのは、マンザイブームが起こった1980年あたりで、上方漫才の歴史において、ひとつの曲がり角を迎えていたということ。もちろん、それは誰しもおおよそ知っているでしょう。

ただ、書籍の刊行状況なども、これと軌を一にして、1980年あたりを境で様変わりしているような印象を受けます。では、このときに、何が終わり、何が始まったのか。これはやはり日本の社会全般、あるいはサブカルチャーの状況ともリンクする問題で、実は広がりのあるテーマであると考えています。 

では、また次回。(梅)

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